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2019.6.5

今すぐ理解したい「オープンイノベーション」

令和になった昨今、イノベーションや新規事業創出、スタートアップに携わる人々の中で、「オープンイノベーション」に対しての注目度や期待値が非常に高まってきています。

我々はこれまで、様々な企業の新規事業開発やイノベーション創出を手掛けてきました。

大手企業から中小企業・ベンチャー企業、スタートアップまで幅広く経験してきましたが、近年注目度が急速に高まりつつある「オープンイノベーション」を活用することは、特に現代の企業経営における一つの重要なアプローチとなっています。

このオープンイノベーションが注目され始めた歴史的な背景と活用前に確認すべきメリット・デメリットをご紹介させていただきます。

オープンイノベーションとは?

オープンイノベーションの意味

そもそも「オープンイノベーション」という言葉はどういう意味なのでしょうか?

2016年7月に刊行された、独立行政法人NEDOによる「オープンイノベーション白書」が引用する米国研究者ヘンリー・チェスブロウの定義によれば、オープンイノベーションとは以下のような定義となります。

「組織内部のイノベーションを促進するために、意図的かつ積極的に内部と外部の技術やアイデアなどの資源の流出入を活用し、その結果組織内で創出したイノベーションを組織外に展開する市場機会を増やすこと」

 

出典:NEDO『オープンイノベーション白書』

このオープンイノベーションはどのようにして注目され始めたのでしょうか?

イノベーションの歴史から紐解いていきましょう。

イノベーションの歴史

イノベーションの歴史には3つの流れがあります。

  1. クローズドイノベーションの全盛期
  2. 転換期
  3. オープンイノベーションの時代到来

1.クローズドイノベーションの全盛期

1980~1990年台にかけての世界を席巻したイノベーションの先進事例の大半は、自社内の経営資源や研究開発を用いた「自前主義」から生まれました。いわば「ブラックボックス化戦略」と呼ばれる知的財産管理を優先し、ヘンリー・チェスブロウの言うところの閉じたイノベーション、すなわち「クローズドイノベーション」の推進です。これは、オープンイノベーションの対義語に当たります。

2.転換期

しかし、1990年台からクローズドイノベーションの代表格であるルーセント・テクノロジーやIBMは、自社内で研究開発機能を持たないシスコシステムズやインテル、マイクロソフトに遅れをとることになります。

特にシスコシステムズは、ベンチャー企業や中小企業への出資やM&A、アライアンスなど、外部資源を積極的に活用して新技術の開発と市場化を成し遂げたのです。

3.オープンイノベーションのトレンド到来

近年では市場の不確実性が増すだけでなく、さらに雇用流動性の高まりやインターネットの普及・発達による優秀な人材やアイデアの外部流出等の影響により、「自社ですべてを賄うこと」の限界がきており、今後、より外部資源の活用や外部企業との協業、すなわちオープンイノベーションを用いた経営が重要になってきています。

しかしながら、オープンイノベーションの活用が必ずしも良いというわけではなく、それを正しく活用する企業のみが成長できます。では、実際の活用時に気を付けるべき部分はどこなのか、メリット・デメリットを整理していきたいと思います。

メリット・デメリットを知る

オープンイノベーションのメリット

メリットは大きく3つあります。

  1. 事業推進スピードが大幅に向上できる可能性
  2. 開発や実現に向けてのコストが大幅に削減できる可能性
  3. 自社内の経営資源と強みとなる部分の整理が可能

1.事業推進スピードが大幅に向上できる可能性

通常、何らかの技術や製品を開発する際に、自社内の経営資源のみでそれを成し遂げようとすると、調査、研究、企画、設計、開発、またその後のマーケティングや営業を通じた収益化まで、多くの時間を要します。

ところが、有効な外部資源を上手く活用することで、その技術や製品の開発を進めることができた場合、実現までのスピードを大幅に向上させることができる可能性があります。昨今の不確実で変化の激しい経済環境において、スピーディに開発して立ち上げることの価値や意義は言うまでもありません。

単にスピードを早めるだけでなく、いち早く開発し、新しい市場に投入することで、競合や代替品との差別化、優位性の構築を図り、先行者利益を得ることも期待できます。

2.開発や実現に向けてのコストが大幅に削減できる可能性

既存の外部資源を活用して、技術・事業を開発していくアプローチにおいては、自社内ですべて内製化して事業推進を行うケースと比べて、内部の管理コストも含めて大幅に削減可能であることは想像できると思います。

これまでオープンイノベーションへの取り組みを行ってこなかった企業が実施する場合、初期にノウハウや経験を蓄積するフェーズにおいては、一部コストが先行する部分もあり得ますが、内部の管理コスト等の削減が可能されるので、中長期的に見るとコスト削減に繋がります。

3.自社内の経営資源と強みとなる部分の整理が可能

企業はオープンイノベーションへの取り組みを通じて、自社内の経営資源や競争力となる技術や特許・知財などを改めて整理することで、今後の企業の経営戦略・成長戦略の構築にもポジティブなフィードバックが得られる点です。とはいえ、自社の経営資源のすべてをオープンにすればいいというものではありません。後述するデメリット部分と関連しますが、オープンにすべき部分とクローズドにすべき部分、それぞれの性質や特徴を把握した上で経営に臨むことが重要です。そのプロセスを経ることで、今後の企業の経営戦略や成長戦略を検討する上でも参考になる非常に有用な気付きや情報を得られることもあります。

オープンイノベーションのデメリット

一方、デメリットとして次の3つが重要な観点として意識していく必要があります。

  1. 今まで経験していない種類の考え方や交渉が必要
  2. アイデアや技術情報などを模倣・盗用されるリスク
  3. 技術や研究開発を、より強化していく志向性が弱まるリスク

1.今まで経験していない種類の考え方や交渉が必要

オープンイノベーションに取り組む上で、これまでとは違う考え方やノウハウ、人材や体制が必要となる点です。自社の内部だけで閉じてきた企業が、いきなり外部企業と積極的に連携して双方の経営資源を有効活用していこうとした場合、そこには経験にない類の知識や交渉、コミュニケーションが大量に発生します。

実際に支援してきた会社でも、初めてオープンイノベーションに取り組む際に、体制構築も含め多くの時間や人手を要し、オペレーションや業務フローもすべてゼロから構築したため、一定の労力やコストがかかりました。

仮に外部の専門家をプロジェクト体制に招き入れたとしても、継続して自社で取り組みを行っていくためには自社内の体制構築や人材育成は欠かせません。相応の覚悟が求められます。

2.アイデアや技術情報などを模倣・盗用されるリスク

自社のアイデアや技術情報などが流出し、模倣・盗用されるリスクがある点です。外部の企業との連携を図るには、自社のアイデアや技術といった経営資源に関する情報を公開する必要性が出てきます。

しかし、その公開情報によっては、自社の機密性の高い研究開発の状況や特許・知財に関する情報や技術・製品のアイデアが競合を含めた社外に流出してしまう可能性があることは否定できません。対策としては「何をオープンにして何をクローズドにするか」を事前の戦略や設計で明文化することです。

3.技術や研究開発を、より強化していく志向性が弱まるリスク

自社のコアコンピタンスや中長期的に優位性を維持できるような技術や研究開発を、より強化していこうとする志向性が弱まってしまうリスクがあります。

前述の通り、オープン&クローズドの戦略を明確に持っておかない場合、外部企業との連携を強めることで、本来であれば自社内で優位性を創り上げるべき領域に対する投資や事業推進が疎かになってしまうケースも起こり得るので注意が必要です。

 

近年、注目されているオープンイノベーション。オープンイノベーションの推進を担うことになり、この記事を読んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。オープンイノベーションのメリット・デメリットを理解した上での活用が、よりよいイノベーションにつながるでしょう。最適なイノベーションの方法を活用し、社会をより良くするイノベーションが1つでも多く生まれることを願っています。

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