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2019.9.5

ブロックチェーンでアップデートされる産業

ブロックチェーンでアップデートされる産業

ブロックチェーンは、よく「インターネット以来の発明」などといわれており、将来的にあらゆる産業における次世代プラットフォームとなる可能性を秘めています。

過去記事
■ブロックチェーンとは何か? その起源や仕組みを解説します

https://relic.co.jp/battery/articles/9919
■ブロックチェーンとは?仕組みやメリット・デメリットを解説します
https://relic.co.jp/battery/articles/10914

国内ブロックチェーン市場規模

経済産業省は「平成27年度 我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備 (ブロックチェーン技術を利用したサービスに関する国内外動向調査)」にて、ブロックチェーン技術が影響を及ぼす領域の国内市場規模をおよそ67兆円と予想しています。
また、矢野経済研究所によれば、2019年度の国内ブロックチェーン活用サービス市場規模(事業者売上高ベース)は、171億5,000万円となる見込みです。


出典:https://www.meti.go.jp/main/infographic/pdf/block_c.pdf
出典:https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2140

ブロックチェーンによりアップデートが想定される領域

ブロックチェーン技術が影響を及ぼす領域を大別したものが以下の5つです。

①価値の流通・ポイント化・プラットフォームのインフラ化:1兆円
②権利証明行為の非中央集権化の実現:1兆円
③有給資産ゼロ・高効率シェアリングの実現:13兆円
④オープン・高効率・高信頼なサプライチェーンの実現:32兆円
⑤プロセス・取引の全自動化・効率化の実現:20兆円

それぞれの領域について、想定される活用事例を紹介していきます。

①価値の流通/ポイント化/プラットフォームのインフラ化:1兆円

・地域通貨
自治体等が発行する地域通貨を、ブロックチェーン上で流通・管理できるようになります。一定の手続きを経て住民に地域通貨が付与され、それを地域内の商店や公共サービス
等での支払に利用する。住民から住民へ譲渡をしたり、店舗が支払いで受け取った地域通
貨を利用(地域内での原材料の調達に利用したり、地域内に在住する従業員への給与とし
て支払ったりするなど)したり、当該通貨で納税した場合には、税の優遇も認めるといっ
た使い方も考えられます。また、利用期限を設けたり、徐々に価値が減衰していく設定にし
たりすることも技術的には可能であり、これらを総合的に組み合わせることで、地域通貨
の流通量を上げることも可能と考えられます。
 
・電子クーポン
飲食店、小売店等が発行する電子クーポンについても、ほぼ同様の仕組みで発行と利用
の管理が可能であると考えられます。特に、クーポンの転々流通を認める場合に、中
央集権型のシステムではなく、ブロックチェーンを利用するメリットが見込めます。

・ポイントサービス
企業等が発行するポイントサービスを、ブロックチェーン上で提供することが可能です。特に、異なる種類のポイントを利用者間で交換することが可能となれば、ブロックチ
ェーンを利用するメリットをより享受できると考えられます。

・送金
送金サービスは、法定通貨の送金にとどまらず、地域通貨や、様々な仮想通貨など、あ
らゆる価値情報の授受に利用可能となります。パブリック型のブロックチェーンを採用すれば、送金の対象は自ずと全世界となります。

・証券取引
電子化された証券は、ブロックチェーンを活用して取引を行いやすい。取引頻度の比較
的低い社債などから、ブロックチェーンへの対応が進むと見込まれます。

②権利証明行為の非中央集権化の実現:1兆円

・土地登記
土地の物理的現況や権利関係の情報を、ブロックチェーン上で登録・公示・管理するこ
とが可能です。土地や建物、所有者に関する情報のほか、それらの移転や抵当権の設定
なども記録、管理することも考えられ、関連する業務の効率化が図れると想定されます。

・電子カルテ
個人の医療情報をブロックチェーンで管理することも可能であると考えられます。カルテ
の詳細な内容は個別の病院で管理し、ブロックチェーン上で管理する情報は通院履歴などに
制限することで、個人のプライバシーに配慮しながら、複数医療機関での一貫した治療に
役立てることができる可能性があります。

・特許情報
特許に関する情報についても、ブロックチェーンで管理することが可能であると考えら
れます。特許の内容だけでなく、所有権についても管理すれば、権利の売買もブロックチェ
ーンで管理可能となることが想定されます。

・文書管理(証憑などの真正性担保)
様々な文書について、作成、更新の履歴をブロックチェーンで管理することが考えられ
ます。一方で、データそのものはブロックチェーンとは別の管理方法を用いる(分散DB など)ことで、ブロックサイズの肥大化を防ぐことも検討すべきであると思われます。

・各種届出(出生、転居、結婚など)
主に行政における各種の届出を、ブロックチェーン上で管理することが考えられます。た
とえば住民票をブロックチェーン化すれば、本人と転居前後の自治体の電子署名により、
移転の手続きを完了させる、というようなことができる可能性があります。

・投票
選挙における投票権をブロックチェーンで管理することも考えられます。(電子署名が安全
に管理されている限り)なりすましによる二重投票を防ぐことが可能になるが、一方で、現
在はできない「投票の委任」なども実現可能になると思われます。

③オープン/高効率/高信頼なサプライチェーンの実現:32兆円

・サプライチェーン
小売などにおいて、製品の原材料からの製造過程と流通・販売までを、ブロックチェーン上で追跡可能であると考えられます。

・貿易取引
船荷証券(B/L)や信用状(L/C)をブロックチェーンで管理し、取引をスクリプトで管
理することにより、従来では依然としてマニュアル的で非効率であった手続きの円滑化が
可能になると考えられます。

・貴金属/宝石類の管理
金やダイヤモンドなどの貴金属・宝石について、加工工程から単品管理していくために
ブロックチェーンを活用することで、購入者が加工の履歴まで確認することができるよう
になり、商品としての信頼性が増す可能性があります。

・美術品など真贋認証
美術品や工芸品に作成者の署名を付してブロックチェーンで管理することにより、その
美術品が転々流通していった先においても、真正性を確認できるようになり、著作権管理
の効率化が実現され、美術品等に関連した贋作事件等も減少すると考えられます。

④有給資産ゼロ/高効率シェアリングの実現:13兆円

・シェアリングエコノミー
資産等の利用権移転情報、提供者や利用者の評価情報をブロックチェーン上に記録する
ことが可能であると考えられます。現在はUber やAirBnB のような特定の企業が運営するプラットフォームにより提供されている、いわゆるシェアリングエコノミー型のサービスに
おいて、利用権の管理および取引を、ブロックチェーン上で行うことを想定しています。
 
・チケットサービス
転々流通可能なチケットをブロックチェーン上で正式に発行、管理することで、違法な
ダフ屋などの介在なしに、チケットの効率的な流通販売管理が可能になる可能性があります。

・C2Cオークション
オークションにおいて、出品された商品をブロックチェーンで管理することにより、そ
の商品の利用履歴などを残していくことが可能になると考えられます。

・電子図書館
電子書籍の閲覧権をブロックチェーンで管理することで、電子図書館を実現可能になる
可能性があります。

・デジタルコンテンツ
上記の電子図書館と同様、コンテンツの利用権をブロックチェーンで管理することで、
著作権者を保護しながら、利用の促進を図れる可能性が考えられます。

・スマートロック、コンセント
鍵を解除できる権限やコンセントから電気を利用する権限など、家庭に関するシーンで
も様々な利用シーンが想定されると同時に、これらをシェアリングサービスとして応用す
るビジネス形態が出てくる可能性があります。

 

⑤プロセス/取引の全自動化/効率化の実現:20兆円

・スマートコントラクト
契約条件、履行内容、将来発生するプロセス等をブロックチェーン上に記録することが
可能であると考えられます。スマートコントラクトという発想は1990 年代にはすでに提唱されていましたが、ブロックチェーンにより、第三者を介在させずに実現させることが可能になりました。

・デリバティブ(金融派生商品)
デリバティブ取引では、様々な条件で資金のやりとりが行われます。それらの条件をスマ
ートコントラクトによって定めておけば、すべて自動的に条件判断と決済処理が行うこと
が可能になると考えられます。

・エスクローサービス
取引の仲介に、第三者をたてなくても、ブロックチェーン上のスマートコントラクトに
より、エスクローを実現できると考えられます。

・遺言
遺言をあらかじめスマートコントラクトとして定めておくことにより、当人が死亡した
ことをきっかけとして、遺言が自動的に執行されるようにすることが可能になると考えら
れます。

・エネルギー管理(電力など)
ブロックチェーンに接続された電気機器(家電や電気自動車など)がスマートコントラクトによって、利用状況などに応じて自動的に充電を行い、あらかじめ決められた方法で
決済を行ったりすることが具現化される可能性があります。

・会社清算
会社精算時の資産や各種の権利の配分を、スマートコントラクトによって自動的に処理
することができるようになると考えられます。

まとめ

このように、ブロックチェーンが影響を及ぼす領域は多岐にわたりますが、これもあくまで一例にしか過ぎません。かつてのインターネット黎明期である1990年代に、現在のようにインターネットがあらゆる産業構造に変化を及ぼし、人々の生活にとって無くてはならないものになっているように、ブロックチェーンも近い将来、無くてはならないものになるのではないでしょうか。

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