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2020.6.3

イノベーション・マネジメントにおいて求められるリーダーシップとコミットメント

イノベーション・マネジメントにおいて求められるリーダーシップとコミットメント

成果を出すためにはリーダーシップやコミットメントが必要、ということに異論はないでしょう。
ただ、誰も「正解」を知らない、より正確に言うと「正解」のない新規事業という世界では、既存事業などその他の文脈以上にリーダーシップやコミットメントが必要となります。
今回は、ISO56002のイノベーション・マネジメントシステムの内容から、
「新規事業において特に重要なリーダーシップとコミットメント」を検討していきます。

1. ISOによる定義

ISOの定義するイノベーション・マネジメントシステム 5章「リーダーシップ 」では、
イノベーション・マネジメントシステムの有効性・効率性に対するトップマネジメントの責任や、各階層のリーダーによる方針の確立・提示、組織構築や組織文化の醸成といった内容が言及されています。

特にリーダーシップを広範に説明している「5.1 リーダーシップ及びコミットメント」の「5.1.1 概要」を引用します。

  1. a) イノベーション・マネジメントシステムの有効性及び効率性に責任を負う。
  2. b) イノベーションのビジョン、戦略、方針及び目標を確立し、それらが組織の状況及び戦略的な方向性と一貫性があり、両立することを確実にする。 
  3. c) イノベーション活動を支援する組織文化を育成する。 
  4. d) 組織のイノベーション・マネジメントシステム要求事項を既存の組織構造及びビジネスプロセスに、必要に応じて、採用及び統合することを確実にする。
  5. e) 全ての階層のリーダー及びその他の関連する経営陣が、イノベーションに関して、
    その責任の領域においてリーダーシップ、及びリーダーシップの開発へのコミットメントを実証するよう支援する。
  6. f) イノベーション・マネジメントシステムに必要な組織構造、支援(経営資源及びプロセスを含む)が利用可能であることを確実にする。 
  7. g) 効果的なイノベーション・マネジメント、及びイノベーション・マネジメントシステムの手引を採用することの重要性の認識を高め、それを伝達する。
  8. h) イノベーション・マネジメントシステムがその意図した成果を達成することを確実にする。
  9. i) イノベーション・マネジメントシステムの有効性に寄与するよう人々を積極的に参加させ、指揮し、支援する。 
  10. j) 良い実例の実証、積極的な参加の確保、並びに成功及び失敗の両方からの学習の円滑化のために、イノベーターを励まし評価する。 
  11. k) あらかじめ定めた間隔でのパフォーマンス評価、及びイノベーション・マネジメントシステムの継続的改善を促進する。

このように、イノベーション創出活動が有効に機能し、継続されるようにリーダーが働きかけを行うべきタイミングや実行すべき内容がまとめられています。

ただ、イノベーション・マネジメントシステムという「仕組み」の説明として納得感はありますが、「新規事業を推進するリーダー」が実務において「何を」「何のために」「どのようにすべきか」といった点については物足りなさを感じるのではないでしょうか?

2. 新規事業の特徴/前提

「イノベーション」というと、研究・開発における革新を指す場合もありますが、より多くの方々は「新規事業」をイメージされるのではないかと思います。
ここからは新規事業をテーマに、新規事業特有の特徴/前提を確認し、続いてそれを乗り越えるために必要なリーダーシップについて確認します。

新規事業の特徴や前提を、既存事業と対比させて整理しました。

新規事業は概して、
・不確実性が高い
・そのために十分な予算/リソースを投下できない
・そして、新規であるためにデータや情報がない(もしくは少ない)
・そのような環境下でリスクを抑制するために仮説構築・検証のアプローチが必要
・それでも成果が出るまでの時間軸は中長期
ということが特徴・前提として挙げられます。

このような特徴/前提がある中で活動を推進するリーダーは、
・目指す世界/ビジョンを語り続ける
・少ない予算/リソースを、重要なポイントを選択し、集中的に投下する
・データや情報がないことを言い訳にしない
・現時点で確からしいと思える仮説を立て、検証する
・成果が出るまでの間、強い想いでチームを導く
といったことが求められます。

3. リーダーシップとコミットメント

それでは、先述の新規事業の特徴/前提を踏まえて、特にリーダーシップとコミットメントに関する重要なポイントを考察していきましょう。

結論としては、
・ゴール/マイルストーンの設定
・ゴール/マイルストーンの達成基準の明確化
・徹底したPDCA
の3点です。

チームメンバーを巻き込み、経営層などから合意を得るためには、ゴールの設定が不可欠です。「正解」のない新規事業で「誰のどのような課題(不安・不満・不便など)を解決し、どのような世界を創り出すのか」を描くのは、非常に難易度の高いことです。これをリーダー自らの原体験や熱い想いも交えて設定することが必要となります。

また、新規事業の特徴/前提でお伝えした通り、成果を出すまでには中長期に渡る活動が必要となるため、ゴールに至るまでの途中段階をマイルストーンとして設定することも必要です。

このような誰も「正解」を知らない中でゴール/マイルストーンを設定することが1つ目のポイントです。

次に、設定したゴール/マイルストーンの達成基準を明確にすることもリーダーの重要な役割であり、リーダーシップが求められるポイントです。

新規事業は不確実性が高く、成功確率 < 失敗確率 と言われています。そのため、新規事業は成功/失敗を適切に見定められる基準を事前に策定し、その基準を達成できなければ撤退(もしくは条件付きで継続)することが求められます。

誰も「答え」を知らない世界で、さらにゴールやマイルストーンも適切かわからない中で、
その達成基準まで設定するのは、非常に難しく、不安を感じるタスクです。

最後に、設定した達成基準をクリアするために、徹底してPDCAを実行することが求められます。ここで単に「実行」と言わず、「PDCA」と言っているのは、施策を実行してみた結果を踏まえて、施策を見直すことも含んでいるためです。

先述の通り、達成基準を設定し、それを達成できなければ撤退判断を冷静に行う一方、その判断までの間は徹底してPDCAを行う、ということがリーダーに求められるリーダーシップであり、コミットメントです。

今回は、ISO56002のイノベーション・マネジメントシステムにおけるリーダーシップやコミットメントの内容を確認し、新規事業の特徴や前提を確認しながら「新規事業において特に重要なリーダーシップとコミットメント」を検討しました。

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