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2021.8.2

【PSF】新規事業におけるソリューション検証の方法を解説

【PSF】新規事業におけるソリューション検証の方法を解説

新規事業開発において、解決したい顧客の課題に対し、今考えているソリューションが適切なのかを見極めることは非常に重要です。もし課題を抱えた顧客にとってソリューションが適切ではない場合、仮にプロダクト/サービスを売り出したとしても、誰にも使われない結果になってしまうかも知れません。「どうしたら顧客の課題に対してソリューションが適切か検証できるだろうか」このようなお悩みをお持ちの方々に検証方法をお伝えします。

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ソリューション検証が必要となるシーン

ソリューションの検証方法についてお伝えする前に、そもそもソリューション検証が必要となるシーンを整理します。

課題に対してソリューションが適切か確認する

PSFフェーズの前工程であるCPFフェーズにおいては、本当に解決すべき顧客の課題を特定します。しかし、その段階では具体的なソリューションが用意されてないことが多く、想定しているソリューションが課題解決に繋がらない可能性も考えられます。そこで、PSFフェーズではソリューションのプロトタイプ(いわゆる試作品)を制作し、検証を行うことで、課題に対するソリューションとして適切かどうかを確かめることができます。

ソリューションの磨き込みをする

プロトタイプを使って顧客にソリューションの受容性(*1)・有効性についてのヒアリングを行うことで、初期仮説を基にして構築したプロトタイプにとって、課題解決をする上で不足している部分・不要な部分が明確になります。顧客からのフィードバックを参考に改善を続けることで、解決すべき顧客の課題に対してより適切なソリューションへと磨き込みを行うことができます。

*1:ソリューションの受容性とは、顧客がそのサービス/プロダクトの価値を受けいれること

PMFへの移行判断/撤退判断をする

PSFフェーズの後工程として、「プロダクト/サービスが市場に受け入れられるか/定着するか」を検証するためのPMFフェーズがあります。CPFフェーズで解決すべき顧客の課題が特定され、PSFフェーズでその課題に対して適切なソリューションを定義できれば、確信を持ってPMFフェーズに移行することができます。逆に言うと、CPFフェーズで解決すべき顧客の課題が見つかったとしても、PSFフェーズで適切なソリューションの定義ができなければ、そのプロダクト/サービスには顧客がつかない可能性が高く、ビジネスとしてうまくいく可能性も低いでしょう。

ソリューション検証の手順

次に、ソリューションの受容性・有効性を検証するための具体的な手順をお伝えします。大きく5つの手順に沿って検証を行うことで、上記目的を達成しうる検証を行うことができます。

①PSF達成の基準設定

前提として、PSF達成のための絶対的な基準はなく、プロダクト/サービスの特性などに応じて個別具体的に基準を設定する必要があります。しかし、思い込みによる検討/検証/判断を防ぐために、ある程度は客観的に把握可能な基準を設定するのが望ましいと言えます。そこで、ここでは「PSFを達成した」と言える指標の具体例を紹介します。

【具体例】
1.対象とする課題に対するソリューションとして、「お金を支払ってでも使いたい」と言ってくれている顧客が、ヒアリングした中で70%を超える。

2.顧客が現在、お金を支払って使っているソリューションと比べた時に、よりソリューションとしての魅力があると回答してくれた顧客が60%を超える。

②検証方法設計

次に、①で設定した基準を満たすことができるかを検証する方法を設計します。以下検討の手順をお伝えします。

1.プロトタイプの検討
ソリューション検証のためには、顧客へのヒアリング時に使用するためのプロトタイプが必要です。プロトタイプにはさまざまな種類がありますが、特に「得られるフィードバックの具体性」と「現時点での解決策の確からしさ」を軸を考慮し、どのプロトタイプが適切かを検討しましょう。その検討にあたり参考になる図を紹介します。後ほど、制約を検討して絞り込みを行うため、想定しうるヒアリング方法を一旦洗い出しておきましょう。

2.ヒアリング方法の検討
プロトタイプを使って顧客の生の声を聞くためのヒアリング方法を設計します。制約を検討して絞り込みを行うため、前述のプロトタイプの検討同様、想定しうるヒアリング方法を一旦洗い出しておきます。以下、新規事業開発にて実施されることの多いヒアリング方法を紹介します。

【定性調査】
グループインタビュー
複数人の対象者とインタビュアーとでインタビューを行います。対象者同士の発言が触発し合うことで、話題が発展し、思いがけない価値の発見につながることがあります。ソリューションの要件があまり固まっていない前提で、比較的自由闊達な議論をしてもらい、その中から参考となるフィードバックをもらいたい時に効果的な方法です。

デプスインタビュー
対象者1人とインタビュアーとでインタビューを行います。表面的な情報だけでなく、対象者の生活/行動実態やその裏にあるインサイトを検知しやすいという特徴があります。ソリューションの要件が既にかなり固まっている中で、プロトタイプをじっくり触ってもらい、その上でフィードバックをもらいたい時に効果的な方法です。

【定量調査】
アンケート
不特定多数の対象者に、Googleフォームなどを使ってヒアリングを行います。定性調査同様、ソリューションに対するフィードバックをもらうことができますが、回答を分析することで顧客のボリュームを把握するのに適しています。例えば、上司に「”このソリューションが1,000円なら買う”と考えている人は全体の70%にもなります。」などと説明したいとき、アンケートによる調査が適しています。

3.制約の検討/選択肢の絞り込み/プロトタイプの制作
1~2では、想定されるプロトタイプの種類やヒアリング方法を洗い出しました。しかし、新規事業開発の現場ではほとんどの場合、何らかの制約があることが自然でしょう。そのため、現状の制約を検討した上で洗い出された選択肢から絞り込みを行なっていきます。検討すべき具体的な項目を以下列挙します。
・検証期間
・稼働工数
・予算
・情報資源 ※(例えば、インタビュー候補の顧客情報など)
・物的資源
・スキル

その上で、プロトタイプの種類/ヒアリング方法の確定をし、プロトタイプに関しては制作も進めます。

4.ヒアリング項目の作成
次に、プロトタイプを使ってインタビューする時に使う質問項目またはアンケート項目を作成します。インタビューに関しては、会話の中で質問項目の順番通りに話が進まないことがほとんどですが、事前に必ず聞きたいことを把握しておけば、聞き漏れを防ぐことができます

5.ヒアリングのアポ獲得
自分や知人の繋がりや調査会社などを通じてヒアリング対象者とのアポを取っていきます。場合によっては、商品券などのインセンティブがないと対象者が協力してくれない場合があるので、事前に確認しておきましょう。

③ヒアリング実施

①〜②の手順の実施後、対象者に対してインタビュー/アンケートを行います。

④ヒアリング結果確認/ソリューション改善

ヒアリングが終了したら、設定した基準を満たしているかどうかを確認します。もし設定した基準を満たせていなかった場合、得られたフィードバックをもとにソリューションの改善をします。改善の手順を以下お伝えします。

1.フィードバックを改善点として採用すべきか検討する
ヒアリングでは、顧客からさまざまなフィードバックを得ることができるでしょう。しかし、全ての要求に応えるために、あらゆる機能をプロダクト/サービスに盛り込んだ結果、コアの価値が曖昧になってしまうことがあり得ます。そこで、対象とする課題を解決するために「フィードバックを本当にソリューションに反映すべきか」を以下の観点で検討してみましょう。

【検討の観点】
[1]現状のソリューションより、改善を実施したほうが課題の解決に繋がるか
[2]他の機能との関係で、提供価値を下げることに繋がらないか
[3]事業の理念に沿っているか

2.フィードバックをプロトタイプに反映する
上記観点で検討した結果、採用すべきとされたフィードバックをプロトタイプに反映しましょう。場合によっては、プロトタイプの種類を変更することも考慮に入れます。

⑤再度検証

フィードバックを反映したプロトタイプを使い、①〜④の手順を再度実施します。具体的には、①における設定基準の見直し・②におけるプロトタイプ/ヒアリング方法/ヒアリングなどの見直しをした上で、再度③にてインタビュー/アンケートを実施します。その後、④にて設定した基準を満たせるか、ソリューションの改善点は何かを検討した上で、今後の事業化判断ができるまで①〜⑤のサイクルを回しましょう。

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