2023.12.20

新たなビジネスの潮流として注目の『パッション・エコノミー』とは?

新たなビジネスの潮流として注目の『パッション・エコノミー』とは?

近年、新たなビジネスの潮流として注目されているのが、「パッション・エコノミー」です。アメリカを中心に、個人の働き方を変える新たな経済圏として台頭しています。

国内ではまだ一般化しているとは言えませんが、今後特にtoC領域での拡大が予測されるため、新規事業に関わる人はこの動向を念頭に入れておくと良いでしょう。

本記事では、新規事業担当者が知っておきたい「パッション・エコノミー」について、解説します。

パッション・エコノミーとは

パッション・エコノミーとは一体どんな概念なのでしょうか?

「パッション・エコノミー」とは、個人の想いや価値観、知識・スキルに基づいたサービスを提供し、収益化する経済圏のことです。

パッション(情熱)を持つ人を応援するプラットフォームを形成し、個性を表現したコンテンツの創出・提供を重視していることが特徴です。

個人の活動や情報発信によって形成される「クリエイターエコノミー」や、アウトプット(完成物)ではなく、プロセスを価値とし収益化する「プロセスエコノミー」のトレンド化と併せ、個人の新しい働き方として注目されています。

個性を価値にし収益化する手法はこれまで、出版や販売、講座など、オフラインがベースで特定の個人にしか不可能でした。近年は、様々な領域でのプラットフォーム形成、個人向けのツールの提供が大幅に進み、参加のハードルが下がったことで、誰もが「好きなことを仕事にする」ことが可能になりました。これにより、副業や専属クリエイター、マイクロ起業家等、多様な働き方の選択肢が生まれています。

パッション・エコノミーに該当するサービスの代表例はYouTubeやSHOWROOMで、プラットフォームの多くはデジタル・プロダクトやバーチャル・サービスにフォーカスしています。

ギグ・エコノミーとパッション・エコノミー

近年、AirbnbやUberなどインターネット上で単発の業務を受発注する、ギグ・エコノミーと言われる経済圏が拡大してきました。

Uberなどは専門性不要で、隙間時間を活用して手軽に働けるなど労働者個人にとってのメリットがありますが、個性は「ノイズ」「バグ」として扱われる、サービス自体がコモディティ化しやすいといったデメリットもあります。

このようなギグ・エコノミーとの対比として台頭してきたのが、パッション・エコノミーです。

ギグ・エコノミーとパッションエコノミーには下記のような違いがあります。

ギグ・エコノミーパッション・エコノミー
供給者の収益形態単発(プロジェクト)の収益が基本継続的に収益を得やすい
供給者の報酬額低額千差万別
供給者の個性へのスタンスなるべく個性を出さず、サービスの質を画一化・平準化したい個性を表現し、各サービスの魅力化・差別化を図りたい
消費者の訴求方法プラットフォーム単位での営業・マーケティング供給者の直接営業・情報発信

供給者個人を仕組み(システム)の一部として捉えるギグ・エコノミーに対し、パッション・エコノミーは独自コンテンツを創出・提供する「クリエイター」として捉え、ビジネスモデルの中心に据えています。

昨今は、機能価値だけでなく体験価値が重視され、消費者のニーズが多様化していることから、エンタメやアパレル、教育など、様々な分野でのサービス展開が進むと予想されます。

またニッチ化に伴い、既存のプラットフォームだけでなくSNS上でも、需要者と供給者(クリエイター)のマッチングが行われるのではないでしょうか。

サービス事例

続いて、パッション・エコノミーに該当するサービスを紹介します。

ミラティブ

スマホで簡単にゲームプレイ動画をリアルタイムで配信・視聴できるプラットフォームです。配信者は投げ銭に加え、視聴者やコメントの数も収益につなげることができます。

note

noteは、クリエイターが文章や画像などのコンテンツを投稿し、ユーザーが楽しみ、応援できるプラットフォームです。クリエイターは有料記事や定期購読マガジンなどの形式でマネタイズすることが可能です。

Base

初心者でも簡単にECサイトが作成できるサービスです。低コストで気軽に始めることができます。

Mosh

英会話やフィットネスなど、個人の「無形サービス」を販売するオンラインサービスです。月額サブスクはもちろん、誰でも簡単に予約決済サイトを作成することが可能です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

SNSが活発化し個人がつながりやすくなった時代、機能価値ではなく体験価値が重視される時代において、パッション・エコノミーの応用は他分野で広がっていくと考えられます。

toC領域での新規事業を開発する際には、パッション・エコノミーの労働者(供給者)個人の個性を活かすという視点も検討してはいかがでしょうか。

Facebookページから
最新情報をお届け

記事のアップデート情報や新規情報はFacebookページで随時配信されております。
気になる方は「いいね!」をお願いいたします。

新規事業・イノベーションガイドブック

4,000社、20,000の事業開発で得た新規事業立ち上げのノウハウを一部無料公開。

<本資料の主な解説事項>
なぜ今、新規事業やイノベーションが必要なのか?
新規事業開発は、なぜうまくいかないのか

無料ダウンロード
株式会社Relic 全ポジション積極採用中 | 一緒に事業を創りませんか?
Category archive

その他の記事

資料請求、お問い合わせはフォームからお気軽にご連絡ください。

お問い合わせ