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2020.1.22

新規事業立案にあたって参考になるフレームワーク5選

新規事業立案にあたって参考になるフレームワーク5選

事業戦略を円滑にするためのビジネスモデルがいくつか存在しています。今回は、新規事業立案にあたって参考になるフレームワークを5つほど紹介していきます。

SWOT分析

SWOT分析は、1960年代から1970年代にスタンフォード大学で研究プロジェクトを導いたアルバート・ハンフリー博士によって構築された分析方法です。

自社を取り巻く環境分析を行えるフレームワークであり、自社の強み・弱みにあたる内部環境に加え、市場変化における機会・脅威にあたる外部環境の観点から、経営環境を整理する手法となっています。

分析する上でのポイント

強み(Strength)を活かす

SWOT分析は、「強み」「弱み」「機会」「脅威」をリスト化して有効な戦略を練る手法ですが、基本的には「強み」を活かすことを第一優先に考えます。弱い部分を改善することもたしかに重要ではありますが、顧客のニーズを探って、強みをどのように活かしていけばいいか、ゴールに近づくためには何が求められているのかをまず考えなければ、適切な戦略は出てきません。

最適なタイミングで実施する

SWOT分析は、「分析→戦略」ではなく「戦略→分析」というタイミングで使うと効果が最大限に発揮されます。戦略を考えた後で戦略を評価し、最適化していくために使うようにすれば、最も強みを発揮することができるでしょう。

クロス分析を行う

精度の高いSWOT分析を行うためには、4つの項目をただ書き出すのではなく、「クロス分析」が必要になります。クロス分析とは、「強み」「弱み」「機会」「脅威」を互いにクロスさせ、対応すべき課題を抽出する方法です。「強み」と「機会」を掛け合わせた対処法や、「弱み」と「脅威」を掛け合わせた対処法など、そこから生まれる戦略はさまざまなものがあります。

SWOT分析の活用事例

では、とある飲食店を想定して、実際にSWOT分析を活用する際の仕組みを見てみましょう。

まず、この店の強みを活かすためには、人気のピザメニューのラインナップを増やし、スープとセットにした日替わりランチをリーズナブルな価格で提供するのが得策です。

また、ポジティブな「強み」×「機会」を軸に、スペシャルにサービスで付いているスープをグラスワインに変えられるようにし、一方、ネガティブな「弱み」×「脅威」を軸に、ドリンクはスタンプ制度を導入し5杯ごとに1杯サービスするようにする、また、コーヒーにこだわる顧客向けに、自家焙煎しているコーヒー豆販売店と契約し毎日仕入れるなどの案が考えられます。

3C分析

3C分析とは、Customer(顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)という3つのCを軸に、外部環境や競合の状況から事業のKSF(Key Success Factors:成功要因)を導き、自社の強みと弱みを特定していくフレームワークです。

3Cのコンセプトを考案したのは、BBT(ビジネス・ブレイクスルー)大学学長の大前研一氏であり、1982年に発行した「The Mind of the Strategist」によって一般化されました。

同書では「戦略的三角形」と紹介されており、『およそいかなるときも、経営戦略の立案に当たっても、三者の主たるプレイヤーを考慮に入れなければならない。すなわち、当の企業=自社(Corporation)、顧客(Customer)、競合相手(Competitor)の三者である。』と記されています。

3C分析の必要性とは?

事業の方向性を掴むためには、内部要因である自社と、外部要因である市場・顧客を照らし合わせ、自社の強みと弱みを分析する必要があります。3C分析を行うに当たり、それぞれのCにおいて以下のことを明確化しなければなりません。

  • Customer(顧客):顧客のニーズの変化
  • Company(自社):自社のKSF
  • Competitor(競合):競合が顧客の変化にどのように対応しているか

このように、それぞれの目的を明確化させておくと、分析を行う範囲が広すぎて方向性がブレるといったことが生じにくくなり、考えや情報がスッキリ整理されます。

3C分析の活用事例

では、実際に3C分析はどのように活用されるのでしょうか。ここでは”駅前にできる新たなコーヒーショップ”というビジネスモデルを例に考えていきます。

まず、日本のコーヒーショップの市場環境の状況や顧客のニーズなどについてキャッチしていきます。「自宅やオフィス以外でコーヒーを飲みたい」「テイクアウトのコーヒーは味が美味しくない」という仮説を立て、それが正しいのか検証を行います。実際にその仮説が正しいと分かったあとは、それに対応した施策を実行する流れになります。

つぎに、自社の強みや弱みを分析し、競合他社を上回るマーケティングを行っていきます。他の店舗とは違った最高級コーヒー豆を使用していたり、ブレンドコーヒー以外にもメニューが豊富だったりという強みの部分をセールスポイントとし、また、市場の変化と競合企業の変化への対応と自社を比較することが求められます。

最後に、他社の強みと弱みを徹底的に調べ上げます。特に弱みは自社の強みに変えられるチャンスがあるので、徹底的に調べておく必要があります。一般的なコーヒーショップでは、1杯=200円であり、ブレンドコーヒーを中心に人気を博しているという強み、フランチャイズ形式で店舗ごとに品質(味・接客対応)が異なるという弱みがそれぞれにあります。自社ではそうした弱みの部分を改善した提供を行うように、競合他社との差別化を図ることが、経営を行う上で重要となってきます。

PDCAサイクル

PDCAサイクルとは、PLAN(計画を立てる)、DO(計画を実行する)、CHECK(評価する)、ACT(改善する)のそれぞれの頭文字を取ったもので、仕事の進め方のポイントとして提案されるものです。

第二次世界大戦後、品質管理を構築したウォルター・シューハート、エドワーズ・デミングらが提唱したものであり、事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める際にしばしば使われます。

PDCAサイクルを回すための注意点

PDCAサイクルを上手く回すためには、以下のようなことを念頭に置いておかなければなりません。

「見えない」をなくす

目標設定が曖昧で、最終的に何を目指すのかというゴールが見えなかったり、ゴールまでのプロセスをどのように踏んでいるのかという道が見えなかったり、また、実現手段/方法が本当に効果的なのかと不安や疑問を抱いたりなど、事業立案にまつわることで「見えない」ということは極力なくしましょう。目標設定を明確化するだけで、プロセスや手法なども確かなものへと変わっていきます。

PLANが全てを決める

PDCAサイクルの活用にあたって重要となってくるのはPLANです。どんな事業内容にせよ、PLAN部分が疎かだと全てが順調に行きません。DOの部分で何をするべきかタスク単位で明確化させることが必要となってきます。

5W2Hを考える

先に述べたタスク単位での明確化にもつながる話ですが、事業にまつわる5W2H(When=いつ、Where=どこで、Who=誰が、What=何を、How=どうする、Why=なぜ、How much/How many=いくら/いくつ)を確立させてから計画を練ることが大事です。コミュニケーション伝達を効率的に実践するためにも重要とされています。

PDCAサイクルの活用事例

PDCAサイクルは一般企業の事業立案にも使えますが、個人レベルの目標を達成させる際にも活用しやすいものとなっています。下の図は、直近一年間で10kg増えてしまった女性がダイエットに挑戦するという設定で、PDCAサイクルを活用して取り組む過程について紹介していきます。

まず、PLAN(計画)の部分では、「一ヶ月間で体重を5kg落とす」「体脂肪を30%から20%に下げる」といったダイエットにまつわる目標を設定します。体重や体脂肪を落とすために間食を控えるなど、目標達成に向けた具体的な内容を掲げることが大切です。

つぎに、DO(実行)の部分において、ダイエットのために行ったことを挙げていきます。食事は腹八分目に抑え、間食も控えることができたが、ジョギングはしんどくてなかなか続けられなかったということを検証します。

そして、CHECK(評価)の部分では、PLANをDOしたことにより、どのような変化が起こったのかを結果で出します。減量できたのは3kgで目標達成に届かなかった、食事制限を2回ほど破ってしまったなど、反省点とも言える結果を洗い出していく部分です。

最後に、全体を通して見えた結果から、今後はどのように活かしていくのかをACT(改善)の部分で決めます。食事制限は重要だが、あまり規制しすぎるとかえってストレスになることが分かったため、週に1回は自由な食事をしたり、ジョギングが向いていないことが分かったため、せめて毎日4km歩くことに変更したり、自分に沿った内容に改善することができます。

4P理論

4P理論とは、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)という4つのPの視点から、ターゲットを分析して課題や強みを発見し、戦略的に具体的施策を考えていくフレームワークです。

1960年代、ハーバードビジネス・スクールで教授を務めていたE・ジェローム・マッカーシーが、マーケティング・ミックスの4P概念を提唱したことで体系化されました。

4Pと4Cの違いとは?

4Pとよく似たワードで4Cというマーケティングミックスの理論が存在します。Consumer(顧客)、Cost(価格)、Convenience(利便性)、Communication(コミュニケーション)という4つのCからなるものです。アメリカのエコノミストであるロバート・ロータボーンが、1993年に提唱したことがきっかけとなっています。

マーケティング戦略における売り手側の4Pとは反対に、4Cは「何を買うか」「いくらで買うか」「どこで買うか」「どこから情報を仕入れるか」といった買い手側の立場になった考え方を指します。

すなわち、4Pはいずれも売る側からの論理で「どんな製品を作るか」「価格はいくらか」「流通チャネルはどれを選択するか」「販売促進をするか」を考えているのに対し、4Cは全てを顧客視点(マーケットイン)で再定義しているという違いがあります。

4P理論の活用事例

上の図は、実際にある某コーヒーショップを例に挙げたものです。自社ビジネスを単なる”コーヒーを売る店”ではなく、顧客同士がゆったりと会話をしたり、何か考え事に費やしたりと、空間を自由に活用できる場所を提供することを目標に、「サード・プレイス」(心地の良い第3の居場所)として提供。

リラックスできる快適感があるからこそ、コーヒー1杯を300円にして、他のコーヒーショップよりも高級感を演出し、また、積極的な広告宣伝を行わずとも、口コミや店頭看板だけで自然と顧客が集まってくる手法を図っています。

AARRRモデル

AARRRモデルとは、投資家であるDave McClure氏が提唱した、経営のデータ分析を行う際に重要なフレームワークです。

CV(コンバージョン)や新規ユーザーの獲得だけを指標にせず、ユーザーの行動を5段階に分類し、各地点でのKPI(Key Performance Indicator)を計測して、ユーザー行動の全体像をみて効果的な施策を実行します。

AARRRモデルのメリット

AARRRモデルは、Acquisition(新規ユーザー獲得)、Activation(利用開始)、Retention(継続利用)、Referral(紹介)、Revenue(収益化)といった2つのAと3つのRを兼ねたビジネスモデルであり、新規ユーザーの獲得からそのユーザーが収益に貢献するに至るまでの成長サイクルを体系化したものです。

AARRRモデルを利用することで、各段階ごとにKPIを設置し分析・モニタリングを行えるため、計画的な製品およびサービスの成長戦略を立てることができます。それにより、どの段階に課題が存在するのかが明確化され、最適な施策を打ち出すことが可能となります。

グロースハックとは?

AARRRモデルは、スタートアップやグロースハックの成功に必須となるデータ分析のためのフレームワークだと言われています。では、そもそもグロースハックとは一体何のことなのでしょうか。

グロースハック(Growth Hack)とは、ユーザーから得た製品やサービスについてのデータを分析し、できるだけ費用をかけることなく改善してマーケティングの課題を解決していく手法です。インターネットサービスの分野においては、グロースハックを専門に行うグロースハッカーの存在が非常に重要だと考えられています。

AARRRモデルの活用事例

Twitterのグロースハッカーがデータを分析した際、初日に4人以下しかフォローしなかったユーザーは、サービスを継続利用しにくい傾向にあり、一方、5人以上フォローしたユーザーは、継続しやすいということが判明しました。そこでAARRRモデルを通じて行った施策として、アカウント登録直後のユーザーにはフォローのレコメンド機能を提供するとともに、5人以上フォローすることをTwitterの利用開始の条件に変更するものでした。その結果、ユーザーの継続率は以前に増して向上しました。

このように、AARRRモデルによってデータを分析するということは、グロースハックを最適化するうえで重要な視点であり、データをもとにユーザーの数と質をグロースすることで、ユーザーの規則性を発見することにつながります。

まとめ

いかがでしたか。今回は新規事業立案におけるフレームワークについて5つほど紹介しました。

新規事業を立ち上げる際、むやみやたらに考え悩んでしまうよりも、フレームワークに沿って施策を練った方が、効率的かつ的確に物事を進めることができます。今回紹介したものをはじめ、フレームワークはいずれもビジネスを実践していく上で必要なものになるので、新規事業立案を志している方は特に覚えておきましょう。

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