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2018.8.17

リーン・スタートアップとは?企業での導入事例を紹介します

VPアメリカの起業家であるエリック・リース(英: Eric Ries)氏が2008年に提唱した「リーン・スタートアップ」は起業の方法論の一つであり、2011年に出版された『The Lean Startup』は大きな反響を呼びベストセラーとなりました[1]。今回はそんなリーン・スタートアップについて詳しく解説していきます。

リーン・スタートアップとは?

そもそもリーン・スタートアップは、「無駄がない」という意味の「リーン(lean)」と、「起業」を意味する「スタートアップ(startup)」を組み合わせた言葉です。今やWebサービスや製品などが目まぐるしい速さで開発されており、顧客のニーズも絶えず変化し続けている時代。そんな現代において注目を集めているのがリーン・スタートアップとなります。

リーン・スタートアップとは、必要最低限の機能だけを含んだMVP(Minumum Viable Product: 実用最小限の製品)を短期間で作り、市場にて顧客から評価をもらい、その結果から再構築もしくは撤退を行うという考え方です。

新しく事業を始める際、最初は小さくスタートして早期段階で成功しそうか否かを見極め、芽が出ないと判断したらすぐに製品やサービスの改良に取り組み、事業内容を一新したり軌道修正を繰り返したりします。

メリットとして、仮に成功しなさそうだとしても早いうちに撤退できるため、時間とコストの削減が見込めます。

リーン・スタートアップの手法

リーン・スタートアップは以下の「構築」「計測」「学習」の3つを短期間で繰り返します。

構築

想定された顧客がある新製品ないし新サービスを必要としていると仮説を立て、それを具現化するためのアイデアを練ります。そのアイデアをもとにした製品/サービスを、なるべくコストおよび時間をかけることなく開発していきます。この時に開発される製品やサービスのことを、MVPと呼びます。

計測

上記の仮説を通じて開発されたMVPを、アーリーアダプター(Early Adopters: 初期採用者)という流行に敏感かつ情報収集を自ら行って判断している人々に提供し、実際に製品やサービスを活用してもらってその反応を見ます。

学習

アーリーアダプターの反応をもとにMVPの改良を行い、一般顧客に受け入れてもらえそうなものを再構築していきます。また、アーリーアダプターの反応から、最初に立てた仮説自体に誤りがあるという判断も下すことができ、そうした場合には仮説そのものを見直して、方向性を大きく変える必要があります。

 

リーン・スタートアップの効果

ここでは、リーン・スタートアップの効果について、下記の図をもとに説明していきます。

A社とB社はともにWebサービスの運営を行っている会社であり、このたび新たなサービスを導入することが決まっています。A社は機能満載のWebサービスを6ヶ月間で800万円かけて開発し、B社は必要最低限の機能だけを含めたWebサービスを3ヶ月間で400万円費やして開発。

B社は3ヶ月後に一度市場で顧客の反応を見ることができ、次のもう3ヶ月で軌道修正したものを提供することができます。すなわち、最初から完成形を提供するのではなく、短期間かつ低コストで必要最低限のものだけを提示し、顧客のニーズが明確化された後に改良を加え完成形を目指します。

その結果、最初から6ヶ月・800万円を費やしたA社は顧客のニーズが正確に把握できていないため、売れ行きが伸びない可能性がありますが、B社は3ヶ月の時点で一度ニーズをキャッチし、残りの3ヶ月で改良を加えているため、売れ行きが伸びる確率は高いです。

逆に、どちらのサービスもヒットしなかった場合でも、B社は3ヶ月(400万円)の時点で撤退することができますが、A社は6ヶ月(800万円)経った頃にようやく撤退するため、損失の大小は歴然としています。

リーン・スタートアップの活用事例

では、実際にリーン・スタートアップの活用事例について見てみましょう。

Instagram(インスタグラム)

画像出典:http://www.baaz.nl/content/

リーン・スタートアップ事例の中で最も有名なのが、『Instagram』(以下、インスタ)です。

2010年10月6日にアップルのApp Storeに登場して以来、凄まじいスピードで多くのユーザーを虜にし、2018年6月現在、世界のインスタユーザーは10億人に達しています[3]。国内でも2014年2月に日本語アカウントが開設され、月間アクティブユーザー数は、2015年6月に810万人、2016年3月に1200万人、同年12月に1600万人、2017年10月に2000万人を記録[4]。近年は「インスタ映え」という言葉が流行語になるほど、その人気ぶりは凄まじいものです[5]。

そんなインスタですが、もともとは「Burbn」という位置情報アプリとしてスタートしました。しかし、一度リリースしたものの、思った以上に人気が出なかったことから、アイデアの構築・計測・学習を繰り返し、「写真の共有機能が最も人気」ということを発見。

その結果、Burbnは写真投稿をメインにしたSNSに方向転換し、写真投稿・コメント・いいねの3機能を含んだ「Instagram」を完成させました。

その後もアイデアの構築・計測・学習を進めていき、写真のエフェクトやストーリー、ショッピングなど、さまざまな機能の追加を行い、現在のインスタに変化を遂げています。

食べログ

画像出典:http://foodbusiness.hatenablog.jp/

カカクコムグループが運営するグルメサイト『食べログ』は、日本企業におけるリーン・スタートアップの代表的事例と言われています。2005年3月からサービスを開始し、レストランのユーザーによる5段階評価が掲載されるサイトです。

当初はグルメ本の情報をもとにした手打ちのデータベースで、担当者の村上敦浩さん曰く、考えているものの30%しか実現に至らなかったようです[6]。はじめはユーザー数が100人にも満たなかった食べログですが、改善要望の掲示板にあったフィードバックを頼りに、可能な限り対応し、今日のような形へとサイトを改善していきました。

その結果、現在は月間PV数が19億7,158万、月間利用者数は約1億4,291万人となっています[7]。リーン・スタートアップの実践をきっかけに、常に右肩上がりの売上を誇るサービスに成長しています。

まとめ

さて、今回はリーン・スタートアップについて解説しました。

リーン・スタートアップでは、製品やサービスを一度リリースしたあとでも、小さな改良点をいくつも見つけることができ、より多くの人々に受け入れてもらえるような形へと進化を遂げます。作り手側の一方的な思い込みだけでなく、顧客や世間の声を加味して作り上げるため、事業開発手法としてはとても最適なものだと思います。

今後製品やサービスを開発する機会のある方は、ぜひリーン・スタートアップを実践してみてはいかがでしょうか?

引用

  1. 「リーンスタートアップ」─小さな失敗を重ねて育てる
  2. MVP(Minimum Viable Product)とは?実践するメリットと検証方法
  3. Welcome to IGTV – Instagram
  4. SNS:インスタグラムの国内MAU 2000万人突破
  5. 第34回 2017年 受賞語
  6. 食べログ、圧倒的強さの秘密?やらせ騒動を、管理体制徹底やレビュアーとのオフ会で克服
  7. 広告(メーカー・団体様等向け)について [食べログ] – 食べログ ユーザー

 

参考資料

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