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2022.2.28

ソニー社が運営するクラウドファンディングサイト「First Flight」について調べてみた

ソニー社が運営するクラウドファンディングサイト「First Flight」について調べてみた

First Flight(ファースト・フライト)は、ソニーが運営するクラウドファンディングとEコマースのサービスを兼ね備えたサイトです。

今回は、ソニー社のクラウドファンディングサイト「First Flight」について調べてみたいと思います。

まずはFirst Flightを紹介する前に、クラウドファンディングについて紹介します。

購入型クラウドファンディングとは

購入型クラウドファンディングの市場規模は増加傾向にあり、新しい資金調達方法や低コストでのテストマーケティング手法として注目を集めています。

※購入型クラウドファンディングの市場規模は2020年に500億円に達しています。

※テストマーケティングとは、新商品・新サービスを本格的に販売を行う前に、市場のニーズを測定する手法です。

購入型クラウドファンディングは、起案者がプロジェクトという形で製品やサービスを掲載し、金銭により「支援」を行う事で、支援者は製品やサービスなどのリターンを受け取ることが可能です。

First Flight とは?

First Flightが立ち上がった背景には、新規事業創出プログラム「Sony Startup Acceleration Program(以下SAP)」があり、世の中の目利き力と、プロジェクトの開発力、販売能力をを強化する目的があります。

スタートアップ企業を中心にソニー以外の企業でもFirst Flightに掲載をすることができ、革新的なアイデアを事業化することで、新規事業市場の拡大や、活性化に繋がっていると言われています。

また、スタートアップなどの初期段階における製品/サービスに対し、「市場で販売した場合の反応」、「ユーザーとの対話を通じた商品/サービスの開発・改善」といった機会をクラウドファンディングを通じて提供しています。

①Seed Acceleration Program(SAP)

SAPは、2014年4月にスタートした新規事業創出プログラムであり、新規事業のアイデアを集め、収集したアイデアを育成する事を目的としています。

SAPは、アイデア創りを支援し、仮説を創出する「Ideation(アイディエーション」、事業化にむけ仮説の検証を支援する「Incubation(インキュベーション)」、クラウドファンディングを通しテストマーケティング及び販売などを支援する「Marketing(マーケティング)」、協業や他社との連携、出資などを実行を支援するAlliance(アライアンス)」 という4つの支援の形式があります。

②応募資格

大手企業やスタートアップ企業以外の個人の方でも、事業主であれば応募する事が可能です。

③掲載手数料

サポート内容や、期間により異なります。

First Flightに問い合わせ後、打ち合わせの際に手数料が決まります。

First Flight の強み

1. 豊富な実績

First Flightに掲載されたプロジェクトの中には、国内で実施されたクラウドファンディングとして初の1億円を超えた「wena wrist(ウェナ リスト)」などがあります。

他のプロジェクトにおいても、4,000万円を超える資金調達に成功しているプロジェクトもあり、アイディア次第で大きな資金調達をすることが期待できます。

2.事業化のサポート

SAPの「加速支援チーム」には、高い技術を持ったエンジニアや、マーケティングなど、各分野のスペシャリストがいます。

そういった各分野のスペシャリストが、スタートアップ企業が直面する課題に対し、量産化や事業化の支援を行っています。

具体的には商品企画、量産の支援だけではなく、戦略の立案から事業計画書の作成サポート、量産を目的とした工場への導入支援、オペレーションにおける体制構築まで、支援体制が整っています。

3. 様々な販売支援

First Flightではプロダクトの販路拡大のため、下記の紹介を行っています。

【オンライン】

提携している、Amazon、Rakuten、Yahoo! で販売できる可能性があります。

【オフライン】

First Flightと提携している100店舗以上の家電量販店、百貨店、セレクトショップなどに販売できる可能性があります。

またクラウドファンディングでは、掲載期間中に集めた資金を確認することができるため、小売店や他の販売チャネルとの交渉に対し、実績としてプロジェクトの結果を活用する事ができます。

First Flight 内の成功事例

wena wrist

①「wena wrist」の特徴

「wena wrist」とは、ソニー社によって発売された、『見た目は腕時計そのままに、ステンレスバンド部に機能を入れ込んだハイブリッドスマートウォッチ』(公式HPより)です。

コンセプトには、「wear electronics naturally(自然に身につけられるテクノロジー)」を掲げています。

2015年8月末にクラウドファンディング上で資金募集を行い、2016年より一般発売されています。

一般的なスマートウォッチはヘッド部分にスマートウォッチ機能が搭載されているものが多いのですが、「wena wrist」はバンド部分にスマートウォッチに求められる機能や電池などを集約したため、ヘッド部分である時計のデザインは従来の腕時計と同様、デザインの制約がない状態での開発が可能でした。

そのため、一見するとスマートウォッチに見えないスタイリッシュさや格好良さが消費者の心を掴んでいます。

「wena wrist」のスマートウォッチとしての機能は、

・通知機能

・ログ機能

・電子マネー機能

の3つで、本当に必要と思われる機能を厳選して搭載しています。

【通知機能】

スマートフォンと連動して電話やメール、SNSの更新などをLEDと振動でお知らせしてくれる機能です。アプリケーションごとに7色のカラーを設定できるので、必要な通知を選択して携帯電話を確認することが可能になります。

振動して通知してくれることから、着信や重要なメールの見落としが減ったことを多くの顧客が実感しているようです。

【ログ機能】

歩数・消費カロリー・移動距離を記録する機能で、腕時計で計測・記録までが行えるようになります。日常的に活動量計測機器を活用していた人にとっては、複数のデバイスを持ち運ぶ煩わしさから解放されます。

【電子マネー機能】

バンド部分にFeliCaチップを内蔵しているため、おサイフケータイのように、財布を出すことなくコンビニや自動販売機などで簡単に決済することができます。

また、このようなデバイスで課題となる電池の持続性も従来品より大きく改善しており、通常使用で1週間の電池持ちを可能にしている点も高評価を得ています。さらには、ヘッド部分とバンド部分を簡単に取り外しでき、「wena wrist」シリーズの他のタイプのヘッド部分との交換も可能です。

②クラウドファンディングを行った経緯

「wena wrist」は開発者である、ソニー株式会社 新規事業創出部 wena事業室 統括課長 對馬哲平さんが学生時代から温め続けた構想をもとにSAPに応募し、事業化しました。

クラウドファンディングサイトは、その一環として、ソニー社のクラウドファンディングサイト「First Flight」を活用して実施されました。

2015年の8月末に開始された「wena wrist」のクラウドファンディングでは、当初設定されていた期間は2ヶ月だったものの、一晩で目標金額の1,000万円を突破し、早々にプロジェクトが成立しました。

③「wena wrist」のプロジェクトがクラウドファンディングを活用した目的

資金調達の側面もあるのですが、「wena wrist」に対するマーケットのニーズを見極め、クラウドファンディングを通じて支援してくれた顧客のフィードバックを製品開発に活かすという目的がありました。

実際にクラウドファンディングで大きな成果を上げたことから、マーケットニーズがあることが証明され、社内説得がスムーズに進むようになった他、クラウドファンディングでの成果を元に販路先との交渉を進めることも出来たと對馬さんは語っています。

冷温両対応のウェアラブルデバイス「REON POCKET(レオンポケット)」

①REON POCKETの特徴

「REON POCKET(レオンポケット)」は、ソニーの独自の熱設計技術が搭載されている冷温両対応のウェアラブルデバイスです。専用インナーウェアに端末を装着する事ができ、スマートフォンアプリを使用することで、温度調整が可能です。

また、専用インナーウェアの背面ポケットは、東レインターナショナル株式会社によって提供されており、首元に端末がフィットする仕様になっています。そのため、直接首元を冷やす事や温める事が可能となっています。

生地は吸水速乾性が高いポリエステルを使用しており、極細繊維のため自然な風合いとなっており、快適な着心地が実現されています。

②REON POCKETの注目度

REON POCKETは、クラウドファンディング実施中、新聞やWEBメディア、テレビなどのメディアに掲載されており、6,000万円以上の支援を集める結果となりました。

【「REON POCKET(レオンポケット)」を取り上げたメディア】

▼エンガジェット 日本版

https://japanese.engadget.com/2019/07/21/reon-pocket/

▼PR TIMES

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000152.000015876.html

体感型ロボットトイ「toio™(トイオ)」

①体感型ロボットトイ「toio™」の特徴

2020年度以降、プログラミング教育が必修化され、遊びながら学ぶ事ができる製品のニーズが高まっています。

体感型ロボットトイ「toio™」は、実際に触りながら工作やドライビングゲームを楽しめ、

教育分野ではプログラミングの基礎を学ぶことができる設計になっています。

デザインは、シンプルな四角いキューブですが、音楽、絵本などの遊び方もあり、大変ユニークな製品です。

②「toio™(トイオ)」の注目度

「toio™」は、SAPを通過し、ソニー・インタラクティブエンタテインメントにおけるエンタテインメント×テクノロジーの新規事業の位置付けとなっています。

そのためクラウドファンディングを行った際の注目度も高く、プロジェクト公開後、即日完売といった結果となりました。

まとめ

今回は、購入型クラウドファンディングの特徴やソニーが運営するクラウドファンディングとEコマースのサービスを兼ね備えたFirst Flightの紹介をさせていただきました。

今回First Flightで掲載を検討されている方や、新規事業の一貫としてクラウドファンディングを検討されている方に、少しでも参考になれば幸いです。

▼参考URL

https://first-flight.sony.com/

https://first-flight.sony.com/about-us

https://www.sony.com/ja/SonyInfo/News/Press/201507/15-061/

https://www.japandesign.ne.jp/dsp/23_1.html

https://bizzine.jp/article/detail/3714

https://www.jiji.com/jc/article?k=000000153.000015876&g=prt

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1507/01/news127.html

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