構想が固まらないところから始まった新規事業── LDT社が立ち上げた「マッチドライブ」
LDT株式会社は、超高齢化社会における深刻な労働力不足という構造課題に向き合うべく、短期間・低コストで企業ごとに専用のスキマバイト対応人材マッチングシステムを構築できるSaaS「マッチドライブ」を新たに立ち上げました。Relicは本プロダクトの企画・仮説検証・開発を支援しています。
本記事では、LDT社が描く事業思想と、構想段階から成果創出に至るまでを共に走った両社の共創プロセスを紹介します。

<インタビュイー>
LDT株式会社 クラウド事業部 部長 中村 秀和 様
(以下、敬称略)
<インタビュアー>
Relic プロダクトディスカバリー事業部 マネージャー 北川 祐希
Relic プロダクトディスカバリー事業部 大塚 健登
お客様の課題
超高齢化社会を背景とした、介護・看護を中心とする深刻な労働力不足
スキマバイト市場へのニーズは感じているものの、システム開発や運用のハードルが高く参入できない
事業構想初期において「何が足りていないか」自体が明確でない不透明な状態
失敗リスクを抑えながら、スピード感をもって仮説検証を進める必要性
解決したこと
短期間・低コストで検証可能な人材マッチングSaaS「マッチドライブ」の立ち上げ
スコープを固定せず、事業成功を軸に優先順位を組み替える柔軟な開発プロセス
年内1社想定から5〜6社契約へとつながる、事業仮説の早期検証
スポットバイトから正社員、AI活用まで見据えた拡張性あるプロダクト基盤の構築
Q. なぜLDT社は「超高齢化社会の労働力不足」に向き合う事業を構想したのでしょうか。

中村:
私たちLDTが掲げているミッションは、「超高齢化社会に適したサービスインフラの構築」です。日本が直面している構造的な労働力不足、とりわけ介護・看護をはじめとするエッセンシャル領域では、働きたい意思や能力を持つ人がいるにもかかわらず、適切に仕事と結びついていない状況が続いています。そうした“労働力のミスマッチ”に、強い課題意識を持っていました。
フルタイムでは働けない育児中の方や高齢者、ライフステージの変化によって就業時間に制約のある方など、いわゆる潜在労働者は確実に存在しています。こうした人たちの力を最適に活かすことができれば、超高齢化社会における労働力不足の解決につながると考えてきました。
その考えを形にしたのが、短期間・低コストで企業ごとに専用のスキマバイト対応人材マッチングシステムを構築できるSaaS「マッチドライブ」です。単一のプラットフォームで人材を集約するのではなく、人材事業会社や業界特化プレイヤーが、それぞれの強みを活かしたマッチングを実現できる基盤を提供する点に、このプロダクトの特徴があります。
Q.Relicを事業パートナーに選んだ理由を教えてください。
中村:
マッチドライブの構想初期は、正直なところ、明確な要件や完成像が見えていたわけではありませんでした。「何が足りていないのか」「どこから手を付けるべきなのか」さえ分からない、不透明な状態からのスタートだったと思います。
その中でパートナー選定の軸になったのは、単なる開発力ではなく、不確実性を前提に一緒に考え、柔軟に伴走してくれるかどうかでした。Relicさんには、開発だけでなく事業全体を見据えた支援をしてもらえそうだという印象がありました。
最終的な決め手になったのは、会社としての実績以上に、“人”でした。エンジニアの成宮さんや、プロジェクトをリードしてくれた北川さんと話す中で、「この人たちなら一緒に悩みながら前に進めそうだ」と感じられたことが大きかったですね。契約や役割分担に縛られすぎず、事業の成功を最優先に動いてくれる。そのスタンスが、他社との違いでした。

Q.構想が固まらない中で、プロダクト開発はどのように進んだのでしょうか?
中村:
開発を進めるにあたっては、当初描いていた構想やスコープに固執せず、市場の反応や事業状況を見ながら優先順位を柔軟に組み替えていきました。結果的に、その判断がスピードにつながったと感じています。
一般的には、開発スコープの変更は負担が大きく、ネガティブに捉えられがちです。ただ今回に関しては、「スコープを守ること」よりも「事業が成功するかどうか」を常に最上位に置いて意思決定が進みました。今、本当に必要なのはどちらなのか。売れる方に振り切ろう、という判断を何度も重ねてきたと思います。
発注内容をこなす受発注関係というより、事業の成否を一緒に背負ってくれるパートナーとして向き合ってもらえている感覚がありました。その姿勢は、プロジェクト全体を通じて一貫していました。
Q.実際に取り組んでみて、どのような成果が見えてきたのでしょうか。
中村:
マッチドライブでは、当初の目標として年内に1社導入できればと考えていました。しかし実際には、リリース後まもなく複数社との契約が決まり、さらに複数の企業が導入検討を進める状況になりました。想定以上のスピードで、事業仮説の検証が進んだと感じています。
結果として、「スキマバイトには関心があるものの、システム構築や運用コストの壁によって参入できていなかった人材事業会社」が確かに存在することを確認できました。これまで本格的にスキマバイトを検討してこなかった企業が、マッチドライブをきっかけに具体的な事業検討に踏み出すケースも出てきています。
Q.マッチドライブの先に、どのような未来を描いているのでしょうか。

中村:
私たちが見据えているのは、単なるスポットバイトのマッチングにとどまる世界ではありません。スキマバイトは、一人の人生における一つのライフステージにすぎず、本質的には、人生を通じて自分らしい働き方を選択できる環境をつくることが重要だと考えています。
将来的には、スキマバイトを単なる一過性の仕事として終わらせるのではなく、その先の多様な働き方へと自然に繋がっていくようなキャリアの導線を設計したいと考えています。働く上での煩わしいプロセスを極限まで取り除き、誰もが軽やかに新しい一歩を踏み出せる環境を整えることで、MatchDriveを一人ひとりの人生に寄り添い続ける「総合的な人材プラットフォーム」へと進化させていきます。
現在は、AIコールセンター事業といった新たな挑戦についても、Relicさんと協業しながら検討を進めています。マッチドライブで築いた関係性を土台に、次の社会課題解決へと取り組みを広げていくつもりです。
インタビューにご協力いただいた企業

LDT株式会社
サイト:https://le-tech.jp/
マッチドライブ サービスサイト:https://matchdrive.jp/