「事業共創カンパニーという肩書にしっくり。」日本酒の世界的価値を高めるハードウェア開発に伴走
概要
国際特許を取得した完全酸化防止技術を持つ國酒プロモーション株式会社は、オリジナル完全酸化防止装置を使用して常にフレッシュな日本酒をグラスで提供する「國酒文化振興酒場」の1号店を東京大井町で運営しています。現在Relicでは、その完全酸化防止装置へソフトウェアを搭載し新たな価値を創造すべく開発および事業開発の伴走パートナーを務めています。
既存のハードウェアへどのようなソフトウェアを搭載し発展させるのか、そしてそのパートナーになぜRelicを迎えたのかお伝えします。
<インタビュイー>
國酒プロモーション株式会社 COO/Founder 吉田 英治 様(写真右)
<インタビュアー>
Relic プロダクトイノベーション事業本部 プロダクトディスカバリー事業部
スプリントディスカバリーグループ マネージャー 志和 敏之(写真左)
お客様の課題
備えたい機能のアイデアはすでにあるが、開発スキルと人材が不足
既存のハードウェアを活用しソフトウェア連携を望んでいるが、なかなか知見に長けている人材に出会えない
解決したこと
ハードウェア×新規事業”の厚い経歴を持つ担当者が伴走しアイデアを具現化
開発支援だけでなくBTC一体となった総合支援
”全く空気に触れない”フレッシュな日本酒を提供
Q.國酒プロモーション株式会社はどのような事業を展開されてますか?
吉田:
私たちは、国内外のもっとたくさんの方に日本の國酒の美味しさを知っていただき、國酒(日本酒)を楽しむ文化を発展させたいと考え、オリジナル完全酸化防止装置の開発提供と、装置を使用した酒場「國酒文化振興酒場」を運営しています。
Q.完全酸化防止装置はどのような装置なのでしょうか?
吉田:
20年ほど前に独自で開発し国際特許を取得したのですが、”全く空気に触れない”すなわち酸化しない、常に抜栓したてのフレッシュな状態でお酒を提供できる技術・装置です。もともとはワイン用に開発したこの装置を日本酒用に改良し提供しています。
酒場「國酒文化振興酒場」の1号店は「佐賀県」とし約200銘柄を抜栓したての状態で楽しむことができます。今後は店舗毎に全47都道府県別に全蔵の日本酒を提供する店舗展開を目指しています。さらに、酸化防止システムを応用した酸化防止リボトリングシステムを開発し、オリジナル小ボトルでの流通サービスをローンチしました。國酒の流通単位である一升瓶・4合瓶の概念を覆し、新しい流通サービスを構築しています。
私たちだけでない、飲食業界の共通課題へチャレンジしたい
Q.どのような背景から開発パートナーを求めることになったのでしょうか?
吉田:
これまで当社の完全酸化防止装置により、お酒本来の美味しさをお客様に提供し喜んでいただいております。それは本当にうれしいことですが、喜ばれたことの証拠である「どのお酒が、どのくらい飲まれたのか」は正確には把握できず、肌感でしかわからない課題がありました。瓶単位での消費量は把握できますが、グラス1杯単位では難しいですよね。
この課題は我々だけでなく、飲料を提供する様々な飲食店に共通する課題だと考えています。わからないが故に店主やアドバイザーの主観的な日本酒の評価だけで販売戦略を練ることもしばしば。
そこで、「どのお酒が、どのくらい飲まれたのか」を既存装置で測ることはできないかと考えたのが始まりです。これが実現できれば、客観的なデータによって販売戦略を立てることができ、お酒の価値が変わり、これまで以上に上がっていくはずです。
このように、やりたいことは明確にあったのですが、当社には開発を担えるような人材がおらず、長年モヤモヤしていました。そこで今回、現行の装置である第二世代機から大きくアップデートする第三世代機の開発パートナーを探すことにしました。
Q.パートナー選定にあたり、どのようなポイントを重視されましたか?
吉田:
複数社とお話しさせてもらいましたが、Relicさんとの面談を経て「Relicさんのような会社は他にはない」と感じ、お願いすることにしました。
「事業共創カンパニー」と掲げられていますが、その言葉通りの会社だと感じますね。
どこよりも多くの新規事業を支援し、Relic社内で戦略から開発が完結し、若い人も多く発信力も強い会社は他になかったです。事業開発の専門家も、開発の専門家も揃っているRelicさんひとりひとりの「人のチカラ」に惹かれてお願いしました。
既存のハードウェアへソフトウェアを連携
Q.Relicがパートナーとして活動し、課題は解決できましたか?
吉田:
はい!私たちが望んでいたことを上回る形で実現してくれています。まだ第三世代機の情報解禁はできないので詳細にはお伝えできませんが、既存の完全酸化防止技術はそのままに、悲願であったデータ取得に加え、お客様へも嬉しい機能を備えたものへと進化します。
Q.支援のなかで特に満足いただけた点はどこでしょうか?
吉田:
まず最初に私たちが実現したいことを絵に書いてお伝えしたのですが、その絵をもとに要件定義から設計図、ソフトウェアのプログラム設計、そして具現化まで行っていただきました。データ取得に関しても、どのような方法がベストなのか検討を重ねていただきましたね。
担当者の志和さんはハードウェア・ソフトウェアどちらにも知見が深く、且つ日本酒にも詳しい(そして強い)ので、なんてぴったりな方をアサインしてもらったんだろうと感じています。
—参考—
本件担当者の志和は、ソニーでファームエンジニアとして活躍後、主にハードウェアや技術シーズを使った新規サービスの立案や実証実験による検証など新規事業創出支援に長く携わり、“ハードウェア×新規事業”の厚い経歴を持ち、「Hardware SaaS Lab」の責任者を務めています。
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日本酒が国内外で正しく評価されることで、飲食業界に大きな足跡を
Q.今回の開発でどのような世界の実現を目指していますか?
吉田:
日本酒業界は酒蔵さんのたゆまぬ努力により発展を続け、海外での人気も高まってきています。しかし私は、きちんとした飲まれ方がされておらず、正しい評価がまだされていないと感じています。
私たちが実現したいのは、酸化していないフレッシュな状態の日本酒を常に楽しんでもらい日本酒が正しく評価され、行く行くは日本酒が高級ワインと同等に、ホテルやレストランで“高級品”としてふるまわれる世界です。
その裏側では、どのお酒がどれほど飲まれているのかを正しく把握し、適切な販売戦略を安心して築いていけるように。業界全体を大きく発展させていきたいと考えています。
Q.これから工場生産が始まるとお聞きしています、関係者の反応はいかがでしょうか。
吉田:
これまでも第二世代機を体験しに同業者の方々が店舗にいらっしゃることが多々あり好評いただいてます。開発中の第三世代機の話はこれから始めていきますが、共感していただけるのではと考えています。
私たちの取り組みはまずは日本酒を対象に進めていますが、将来的には、他の飲料での展開ができると思っています。そうすると、国内だけでなく海外も含めて飲食業界に変化をもたらせる、大きな意味で飲食業界に足跡を残せれば、と思います。
そのためにはパートナーが欠かせず、参画メンバーそれぞれが経営目線を持っているRelicさんが欠かせません。
開発が始まるにあたり、北嶋代表の書籍を読みましたが、IT企業であり事業開発の専門会社、そしてVCでもないけど投資も行う、ビジネス支援だけでなく開発支援も持つ、本当に絶妙な立ち位置にいらっしゃる会社だなと感じます。まさに「事業共創カンパニー」であるRelicさんと今後も走っていきたいですね。
インタビューにご協力いただいた企業
國酒プロモーション株式会社
コーポレートサイト:https://kkspromotion.com/
サービスサイト:https://www.kokushubar.com/