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新卒1期生から起業家へ――RUFU黒岩大輝が語る“泥臭いリアル”とRelicのスタートアップスタジオ

2020年に株式会社Relicへ新卒1期生として入社した黒岩大輝。事業開発の現場を駆け抜けたのち、Relicのスタートアップスタジオ「ZERO1000 Ventures」の第1号採択案件としてRUFU株式会社を設立しました。そこにあるのは、華やかな成功談だけではありません。MVPの壁、ピボットの連続、比べてしまう苦しさ――それでも挑戦を続けられたのは、Relicが掲げる「挑戦の再現性・多様性・可逆性」を土台に、経営陣が人として伴走してくれたからだといいます。新卒で入社し、いま起業家として走る黒岩の“リアル”をお届けします。

インタビュイープロフィール

黒岩 大輝
黒岩大輝 | RUFU株式会社 代表取締役CEO

2020年にRelicへ新卒1期生として入社し、複数の新規事業開発プロジェクトに携わる。2022年、Relicのスタートアップスタジオ「ZERO1000 Ventures」の第1号案件としてRUFU株式会社を設立。EC×生成AIを活用した事業をを手がけながら、仲間と共に挑戦を重ねている。自身の経験を通じて「自分らしく挑戦できる環境」としてのRelicの魅力を体現している。

scene 1 起点は「やる側に回りたい」――学生時代からの志向と新卒入社

「見る側で終わりたくない。ハマったら、やる側になりたい」
黒岩は、学生時代に長期インターンの経験を通じてSaaSビジネスやスタートアップの世界に触れ、「いつか起業したい」という気持ちを抱いていたと語ります。一方で、当時は明確なテーマや強烈な原体験があったわけではありません。だからこそ、事業開発の総合力が鍛えられるRelicを選んだのです。

「SaaSが好きで、新規事業にも惹かれていました。まずは力をつけたい。その両方を実戦で学べるのがRelicだと思い入社を決めました。」

業界固有の知見よりも、ゼロから学び開拓していく力。新卒期の黒岩は、プロジェクトごとに異なる領域へ飛び込みながら、アウトプットに妥協しないカルチャーのもとで、作り切る執念と水準を身につけていきました。入社直後から妥協を許さない先輩たちに徹底的に鍛えられ、プロジェクトの資料一枚、プレスリリースの文言ひとつにまで細部へのこだわりを求められた経験は、いまの自分の土台をつくる大きな糧になったと振り返ります。また、新卒期には年間MVP(通称「新卒MIP」)も獲得しており、その成果が評価された経験は自身の自信にもつながりました。詳しいインタビュー記事はこちらからご覧いただけます。

scene 2 制度を“自分ごと化”――ZERO1000 Ventures誕生の裏側

ZERO1000 Venturesは、Relicが設計した「再現性・多様性・可逆性」を体現するスタートアップスタジオです。黒岩は利用者であり、制度設計の共同当事者でもありました。制度設計の際には、他社スタジオへのヒアリング、税務・法務の論点整理を重ね、Relicらしい柔軟な座組を形にしていきました。

「自分が使う制度を自分で作る。インセンティブが一致していたから、時間はかかっても納得のいくものにできました。」

そうして生まれたのが、あえて非上場を貫く事業会社であるRelicグループだからこそできる自由な全方位型スタートアップスタジオ「ZERO1000 Ventures」です。プログラム名には、ゼロから1,000の事業を創るという想いと、ゼロから1,000億規模の事業を創るという志の双方を込めています。

制度の核に据えられたのが、最大1,000万円の検証費を原資に挑戦と撤退を許容する「再挑戦の仕組み」です。ピボットや一時撤退すら前提に、何度でも挑戦できる可逆性を担保する仕組みであり、Relicの思想を色濃く反映しています。実際にこの仕組みを利用したことで、事業が壁にぶつかっても立ち戻れる環境が整い、挑戦の連続を可能にしました。

scene 3 MVPの壁と“いいねの罠”――ピボットを決断するまで

最初に立ち上げたプロダクトは、紹介マーケティングを効率化するSaaSでした。MVPを作り、実際に7社に試してもらうところまで進みます。

ただ、導入企業の先にいるユーザーは、思うように動きませんでした。
プロダクトはある。
試してもらっている。
それでも、価値が届いている実感が持てない。

「作ったものが使われない。プロダクトを提供した上で、価値を顧客に提供する難しさに直面しました。」

この違和感を抱えたまま、黒岩は次の事業の仮説検証へと進みます。その中で、何度も同じ光景を目にすることになります。

「コンセプトを話すと、『すごく良いですね』『めっちゃワクワクします』って言ってくれるんです。」

期待が高まる言葉に、こちらのテンションも自然と上がります。「これならいけるかもしれない」そう思って、プロダクトを作る。ところが、完成したものを持っていくと、返ってくる言葉は違いました。

「ちょっと今は忙しくて……」
「正直、そこにあまり時間を使えなくて……」

黒岩:
「それが、本当にしんどかったです。」

インタビューでは確かに“いいね”と言われていた。でも、実際の行動にはまったく結びつかない。期待していただけに、落差も大きかったといいます。

「そのときに学んだのは、“いいね”の反応に酔ってはいけないということです。本当に大事なのは契約してくれるか、実際に使ってくれるか。だから途中からは、ヒアリングではなく“売りに行く”ことに変えました。モックでもいいから見せて、“いくらなら買えますか?”と聞く。そこまで踏み込んで初めて現実が見えてくるんです。」

「言葉の“いいね”ではなく、行動の“はい”を指標にする。ヒアリングではなく“仮売り”する姿勢に切り替えました。」

その後も複数のプロダクト仮説を高速で検証し、撤退と再挑戦を繰り返しました。意思決定の押し戻しに陥りがちな局面では、一緒に走る仲間の冷静な視点 が背中を押しました。黒岩は「自分一人なら諦めきれずに続けてしまっただろうが、チームが冷静に『これは難しい』と判断してくれたことが大きかった」と振り返ります。

scene 4 孤独を越える伴走――価値観を手放せた一言

起業してしばらく経ったある時期、黒岩は事業面でもプライベートでも行き詰まりを感じていました。プロダクトは思うように進まず、心身ともに疲弊していたといいます。当時は本気で「会社を畳んで、Relicに戻らせてもらえないか」と考え、北嶋に相談していました。

このとき黒岩が抱えていた苦しさは、単なる業績不振だけではありませんでした。背景にあったのは、「起業家とはこうあるべき」という価値観を、自分自身に強く課してしまっていたことです。

例えば、遊びにも行かず、飲みにも行かず、ただ仕事だけに没頭する。最初はどん底でも、そこから事業が当たり、一気に成長していく――。メディアや書籍で語られるそうした成功物語を、自分もなぞらなければいけないと、無意識のうちに思い込んでいました。

しかしその働き方は、黒岩の性格には合っていなかったといいます。無理に自分を追い込み続けることで、かえって前に進めなくなっていました。

そんな状況で北嶋と話す中で、かけられたのが次の言葉でした。

「誰かの成功体験を、自分に当てはめようとするな。」

いわゆる「他人と比べるな」という一般論ではなく、黒岩が抱えていた価値観のズレを、はっきりと言語化してくれた一言だったと振り返ります。

「その言葉で、自分に合わない起業家像を無理に背負っていたことに気づきました。」

そこから黒岩は、「一番長く走れるやり方」「精神的に健全でいられるやり方」で、もう一度だけ挑戦してみようと考えるようになります。仕事に全力で向き合いながらも、人と会うことや息抜きの時間を大切にする。自分の性格に合ったスタイルへと切り替えていきました。

こうした判断を現実的に支えたのが、Relicの「再挑戦の仕組み」 でした。挑戦と撤退を前提に設計された座組や、結果だけでなくプロセスを評価する姿勢があったからこそ、黒岩は孤独を感じすぎることなく、挑戦を続けることができたといいます。

scene 5 現在地――“自分に合うやり方”で立ち上がったSaaS「emma」

複数のピボットを経て、RUFUが現在注力しているのが、EC事業者向けのAIモール運用サービス「emma(エマ)」です。Amazonを中心に、競合分析から施策立案までを支援するSaaSと、伴走支援を組み合わせた形で提供しています。

この事業は、綿密な市場調査や事業計画から始まったものではありません。きっかけは、大学時代からの友人との何気ない会話でした。EC運用の現場に詳しい知人と話す中で、「Amazon運用を支援する事業は成立するのではないか」という仮説がふと浮かんだといいます。

「正直、ECの知識はほとんどありませんでした。でも今回は、あまり考えすぎずに、とりあえず動いてみようと思いました。」

それまでの挑戦を通じて、「準備を完璧にしてから始める」よりも、走りながら検証するほうが自分には合っているのではないか、そう感じたそうです。立ち上げ当初、emmaは完成されたプロダクトとしての形があったわけではありません。

まずはAmazon上のデータをもとに課題を整理し、「どこに手を打てば売上が伸びるのか」という改善プランを作って提案する。アウトバウンドで一社ずつ営業し、最初の顧客を獲得していきました。

「『サービスを紹介させてください』ではなく、『御社のページを拝見して、改善案を持ってきました』という形で話すようにしていました。」

提案が評価され、少しずつ支援するブランドが増えていきます。現在では、立ち上げから半年ほどで20ブランド以上を支援。年商規模の大きい企業とも、継続的な取引が生まれています。

emmaが目指しているのは、EC運用における判断と作業の負荷を、AIと仕組みで減らすことです。現時点では、数値のモニタリングや競合分析などをツールで支援し、施策の実行や改善は人が伴走する形を取っています。

「本当は、アクション提案や実行まで自動化したい。そこはまだ開発途中ですが、目指す方向は明確です。」

現在は、業務委託や学生インターンを含むチーム体制を整え、初の正社員採用にも動き出しています。目標は、3年で売上5億円規模を狙える事業をつくること。いまRUFUは、立ち上げから「育てる」フェーズに入っています。

scene 6 Relicで過ごす意味――“いつか”が“いま”になる場所

emmaの立ち上げを経て、黒岩はあらためて「Relicで過ごした時間」の意味を言葉にします。黒岩は「もしRelicに入社していなければ、起業していない」と断言します。やりたいことを言葉にすれば、真剣に向き合ってくれる人がいる。やりきる水準を上げ続けるカルチャーの中で、遠かった願望が現実味を帯びるのです。

「Relicには“新しいことが好き”な人が集まっています。何か始めると言えば、本当に動いて応援してくれる。制度と人が、可能性を“実現”に変えてくれます。」

Relicでの日々が、黒岩の起業家としての意識を形作り、遠い憧れだった「いつか起業したい」という気持ちを現実に変えていきました。新卒で入社したからこそ得られた経験が、挑戦の舞台に立つ力を与えたのです。

scene 7 これから挑戦する学生へ――使い倒せ、ZERO1000

最後に、これまでの自身の起業経験を振り返り、学生のみなさんに伝えたいことを聞いてみました。

「まず伝えたいのは 『発信すること』です。起業したい、責任範囲を広げたい。どんな小さな思いでも構いません。声に出すことで、機会は必ず寄ってきます。そして、次に大切なのは『行動で検証すること』。ヒアリングでの“いいね”は参考にすぎません。モックでも構わないので仮売りしてみる、導入に踏み込む――そうした行動こそが現実を映し出します。さらに『妥協しない姿勢』も欠かせません。アウトプットの最後の1%までこだわり抜くこと。そのプロセスを重んじるRelicだからこそ、努力の積み重ねがもっとも価値を持つのです。

ZERO1000は“挑戦の土台”です。制度と人を頼って、何度でも挑戦してください。」

黒岩は、自分の経験から「まずは言葉にしてみること」「周囲を頼ること」「妥協しないこと」が新卒にとって重要だと強調します。Relicにはその挑戦を真正面から受け止めてくれる土壌があるのです。

Message 終わりに

黒岩のキャリアは、最初から「起業」を前提に設計されたものではありませんでした。新卒としてRelicに入り、目の前のプロジェクトに向き合い続けた結果、気づけば、事業を立ち上げる立場に立っていました。

挑戦の途中では、迷いも失敗もありました。それでも、挑戦をやめなかったのは、声に出せば向き合ってくれる人がいて、失敗しても立ち戻れる環境があったからです。

「いつか起業したい」

その気持ちが、まだ漠然としていても構いません。Relicには、その“まだ言葉にならない衝動”から一緒に考え、走り出せる仲間と環境があります。

Relicでは現在、新卒採用エントリーを受付中です。起業を志す方も、まだ明確なテーマがない方も、まずは「挑戦の場」に飛び込んでみませんか。あなたの想いを受け止め、伴走する仲間と環境がここにあります。

用語ミニ解説

  • ZERO1000 Ventures:あえて非上場を貫く事業会社であるRelicグループだからこそできる自由な全方位型スタートアップスタジオ。
  • MVP(Minimum Viable Product):顧客の反応を確かめるための最小機能プロトタイプ。
  • ピボット:仮説の転換。需要や真因に合わせて方向性を切り替える意思決定。

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