組織がイノベーションを効率的に生み出すためには、イノベーション・マネジメントシステムの存在が重要になります。しかし、イノベーション・マネジメントシステムを有効に機能させるためには、組織を常に改善をしていなければなりません。
そこで、イノベーション・マネジメントの国際規格であるISO56002を元に、イノベーションを生む組織にとって必要な改善の手法としてどういったことが求められるのかを徹底的に解説します。
「新規事業を生み出せなくて困っている」「組織内のイノベーション・マネジメントが難しい」このようにお考えの方はぜひ参考にしてください。
組織がすべき改善の手法3つ
組織は、イノベーションに取り組む中で、常に改善をしていかなければなりません。なぜなら、昨今のイノベーションを取り巻く環境は、刻々と変化しており、その変化に組織を対応させなければならないからです。
そこで、組織は以下3つのような取り組みを行う必要があります。
①強みを維持または向上させる
②弱み及び(理想との)ギャップに対処する
③逸脱・不適合を修正、防止または削減する
①〜②においては、まず自社/他社/市場の状況を鑑みてください。そして自社の強みや弱みを把握し、前者をより大きく、後者をできるだけ小さくする必要があります。
③の「逸脱」と「不適合」に関しては、それらに対する是正処置について、ISOでさまざま述べられています。以下の章でしっかりみていきましょう。
「逸脱」「不適合」に対する是正処置
まず、逸脱と不適合という言葉の定義をしておきます。
逸脱とは、3つの種類にわかれます。
- 特定された(理想との)ギャップ
- 望ましくない影響
- 予想されたパフォーマンスとの差異
一方で、不適合とは、「要求事項を満たしていない」状態を差すものです。
イノベーション・マネジメントシステムを運営する上で、これらの障害が発生した場合、以下の事項を実行する必要があります。
①逸脱・不適合に対処する際には、必ず次の事項を行う
1) 逸脱・不適合を管理し、修正する
2) 逸脱・不適合によって起こった結果に対処する
②逸脱・不適合が再発しないように、 次の事項により原因を除去する
1) 逸脱・不適合をレビューし、 分析する
2) 逸脱・不適合の根本原因を明確にする
3) 類似の逸脱・不適合の有無、 又はそれらが発生する可能性を明確にする
③必要な処置を実施する
④とった全ての是正処置の有効性をレビューする
⑤必要な場合には、 計画の策定段階で明確にした機会及びリスクを更新する
⑥必要な場合には、 イノベーション・マネジメントシステムの変更を行う
要するに、逸脱・不適合の障害が発生した際は、そうしたボトルネックをあらゆる手段(解析・原因特定・処置)を講じて対応し、同じような障害が起こらないように対応すべきということです。
また、これらの是正処置が、検出された逸脱・不適合のもつ影響に応じたものであることが望ましいことも述べられています。
まとめ
ここまで、イノベーションを生む組織にとって必要な改善の手法としてどのようなものがあるのかを解説してきました。
まとめると、組織が改善すべきことは強みの伸長・弱みの解消・逸脱/不適合の解消です。そして、特に逸脱と不適合の障害は、細かい是正処置があることを上記で述べました。
この記事を参考に、自社の組織にとってどんな改善が有効かをぜひ検討してみてください。