イノベーションを起こしていく上で仮説や企画案を文章化すること、情報を利用に適した状態で管理することで企画の伝わりやすさや成功する確率が大きくなります。なぜならば、情報が明確になっていることで組織内・関係者との情報共有の後、円滑にイノベーションを進められるからです。
そこで本稿はイノベーションマネジメントシステムの国際規格であるISO56002に基づき、文章化した情報を作成及び更新の組織の注意点と文章化した情報の管理の注意点をお伝えします。
文書化する意味
文書化する利点として、第三者に業務内容を共有する際や業務を評価して貰うときに正しい情報を正しく伝えることができます。
簡単に例えると、「伝言ゲーム」で正しい答えの書いてある紙を参加者全員が持っている状態に似ています。文書化していれば答えを間違えるリスクを軽減できます。
文書化していない場合、情報が人を介するたびに少しずつ変わってしまい正しい情報を伝えられ無くなってしまいます。情報を介する人数が少なければ情報のズレは小さいかもしれませんが組織内の人数が多く、情報を介する機会が多いほどズレは大きな物となるため情報の文書化は必須といえるでしょう。
作成と更新及び情報の管理
いざ、文書化しようと思い立っても何に注意して作成していけば良いのか分らないと思います。国際規格であるISO56002では文書化した情報を作成及び更新する際、組織は、次の事項を確実にすることが望ましい。と記載されています。
- 適切な識別及び記述(例えば、タイトル、日付、版、作成者、参照番号)
- 適切な形式(例えば、言語、ソフトウェアの版、図表)および媒体(例えば、紙又は電子媒体)
- 適切性及び妥当性に関する、適切なレビュー及び承諾
記載されているとおり、文書化する際にはタイトルや日付を付けた上で、どのような情報を記載するれば良いかなどを事前に組織内にて決定しておくことにより、組織内にて適切なレビューや意思決定を行うことが可能となります。
次に情報の管理ですが、この事柄についても国際規格であるISO56002で文書化した情報は次の事項を確実にするために、管理することが望ましい。と記述されています。
- 文書化した情報が、必要なときに、必要なところで、入手可能かつ利用に適した状態である。
- 文書化した情報が十分に保護されている(例えば、機密性に喪失、不適切な仕様及び完全性の喪失からの保護)。
文書化した情報の管理に当たって、組織は、該当する場合には、必ず、次の行動に取り組むことが望ましい。
- 配布、アクセス、機密性の階層、検索及び利用
- 読みやすさが保たれることを含む、保管及び保存
- 変更の管理(例えば、版の管理)
- 保持及び廃棄
情報の管理についても、上記の1~4の行動を徹底しないことにより、必要な情報の検索に時間を要したり、見つけることが出来ても読みづらい状態になって居たり、情報を紛失してしまったりと文書化した情報を安心して使えなくなってしまいます。
是非ともイノベーションを円滑に進めると共に、上記の1~4の行動を徹底してリスクを回避していただきたいと思います。
まとめ
今回の記事ではISO 56002に記されている、作成と更新及び情報の管理を簡単にまとめさせていただきましたが、情報の作成や管理は当たり前だけど難しい事柄だと思います。
ですが、組織内での情報の重要度はとても高いので、文書化をし、是非イノベーションを起こしてみてください。