イノベーションマネジメントに取り組む組織にとって必要な能力

2020/5/7

昨年度、イノベーションマネジメント・システムがISO 56002として国際標準化されました。

それによって、イノベーションマネジメントに取り組む企業が、国内においても急激に増えています。

 

新規事業への取り組みにおいて、求められる能力は複数あります。

組織全体の能力値を底上げするためにも、まずはどのような項目でパラメーターが構成されているのかを正しく理解することが重要です。

 

今回の記事では、イノベーションマネジメントに取り組む組織にって必要な能力について、ISO 56002の内容にも触れながらご紹介します。

組織能力とは

自社の組織能力を正しく理解することはとても重要です。

 

まずは組織能力という概念について説明します。

 

組織能力とは、企業が固有に持っている有形・無形の資源と、それを活用する能力やプロセスを意味する概念です。また、 組織が長年の試行錯誤を繰り返し行うことにより、このような能力は企業内に蓄積されていきます。

いきあたりばったりの行動や無計画な仮説検証では、あまりノウハウが蓄積されません。結果として、能力の向上がしにくくなります。

 

例えば、イノベーションに取り組む上での全体設計をしていない場合、組織にとって重要なポイントが理解できていないことがあります。そうすると、適切にノウハウを蓄積させて、組織能力の底上げに対してアプローチすることが難しくなります。

また、本来必要でない部分についてPDCAサイクルを回しながら仮説検証を行なっていっても、そこで得られるノウハウは組織にとってはあまり重要ではありません。

 

結果、自社の能力を正しく理解することが難しくなります。

そのため、まずは組織能力という概念は押さえておきましょう。

 

次に、新規事業開発で必要になる能力について紹介します。

イノベーションを興す上での能力値

イノベーションマネジメントに取り組む組織が求められる能力について、ISO 56002のドキュメントでは、下記のように記載されています。

 

  • イノベーションをマネジメントする能力
    • リーダーシップ
    • 変革のマネジメント
    • 資源配分
    • 役割分担
    • ファシリテーション
    • 参画や協力
    • 文化醸成
    • 不確実性のマネジメント

 

  • 知見や機会を見分ける能力
    • 市場や技術の分析
    • ボトルネックの分析
    • 仮説検証
    • デザイン思考
    • ストーリー設計

 

  • アイデアを創造する能力
    • 創造的・挑戦的な技術
    • 批判的思考
    • 発見スキル
    • 技術的なノウハウ
    • 市場分析
    • ビジネスケースの執筆
    • 利用者の価値実現のモデリング

 

  • コンセプトを策定・検証する能力
    • 全体設計
    • 仮説検証を繰り返す反復学習
    • 価値実現の計画
    • プロジェクトマネジメント

 

  • 提供するソリューションの開発や導入する能力
    • 開発能力
    • 営業能力

 

このように、イノベーションマネジメント・システムでは、求められる能力はたくさんあります。組織を立ち上げて間もない頃は、イノベーションをマネジメントする能力に着目し、能力向上を狙うのが良いでしょう。

 

自社のフェーズに着目しながら上記の項目と照らし合わせて現在地を分析し、より有効な施策を策定・実施してみましょう。

まとめ

今回の記事では組織能力という概念と、イノベーションマネジメントで重要な組織の能力についてご紹介しました。

 

今回ご紹介した能力を元に、組織のパラメーターが構成されています。まずは自社の現状を正しく分析し、パラメーターの中から強みと弱みを把握しましょう。

 

その上で、強みはより伸ばし、弱みを補填できるような計画を立てて、仮説検証を行いながら実施することで、組織の能力は大幅に向上することが可能です。

 

みなさんが所属される組織にあったやり方で、組織能力を向上させてみてください。

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