イノベーションマネジメントにおいて、コミュニケーションは非常に重要視されております。
昨年度、国際規格「ISO 56002」として標準化されたイノベーションマネジメント・システムのドキュメントにも、実はコミュニケーションについての記載があります。
今回は、なぜイノベーションマネジメントにおいてもコミュニケーションが重要なのか、目的やシーンと合わせてご紹介していきます。
イノベーションマネジメントにおけるコミュニケーション
重要である理由
新規事業において、コミュニケーションのやり取りの中で重要な情報が複数あることが多くございます。そのためコミュニケーションが重要です。
イノベーションマネジメントに取り組む上で、高速でPDCAサイクルを回すことが必要になります。正解や成功法は存在せず、日々PDCAサイクルを高速で回して仮説検証を行いながら事業を推進していきます。
そのため日々のコミュニケーションの中には、重要な情報がたくさん存在しています。
現在誰がどのような仮説を持って、どんなことを検証しようとしているのか。このような情報を共有することで、一人が行なった仮説検証を組織に落とし込むことができます。
10人の組織で、クローズコミュニケーションを取る場合、10人全員とコミュニケーションを取る必要があります。
一方で、オープンコミュニケーションを行なっている組織では一度のコミュニケーションが全体共有されます。
そのため、クローズコミュニケーションを取る場合と比べると、情報共有量と共有スピードは単純に10倍になります。
そのためイノベーションを創出する組織ではコミュニケーションがとても重要になります。
次はコミュニケーションの目的についてご紹介します。
コミュニケーションの目的
冒頭で触れたイノベーションマネジメント・システムの国際規格「ISO 56002」
では、組織はコミュニケーションについての記載があります。
コミュニケーションを行う目的については、下記の6つの項目が挙げられています。
- 共通認識を生み出す
- 組織の人々の積極的参加を強める
- 取り組みに備える
- ソートリーダーシップを確率する
- 影響を与える
- ブランド価値強化
また組織はイノベーションマネジメント・システムに関わる内部/外部のコミュニケーションについて、下記6つの項目を事前に決定することが望ましいと記載があります。
- コミュニケーションの内容
- コミュニケーションの理由
- コミュニケーションの実施時期
- コミュニケーションの対象者
- コミュニケーションの方法
- コミュニケーションを行う人
つまり、行き当たりばったりのコミュニケーションではなく、事前に設計された議題の下でのコミュニケーションを行うことが重要になります。
しかしコミュニケーションの目的はシーンに左右されるものです。
最後に、コミュニケーションの種類についてご説明します。
コミュニケーションの種類
コミュニケーションは組織内部のものと組織外部の2種類があります。
例えば内部のものは、チームのミーティングや組織のイントラネット、メールやその他ツール上の日々のコミュニケーションがあります。
一方外部のものは、取引先との商談やステークホルダーへの報告会、広告やプレスリリースなどがあります。
内部のチームミーティングと、外部のステークホルダーへの報告会では、行う理由や共有する内容は異なります。
シーンごとのコミュニケーションを行う目的を整理し、事前の準備を怠らないことは、イノベーションマネジメントに取り組む上でも重要になります。
まとめ
今回はイノベーションマネジメントに取り組む組織での、コミュニケーションの重要性や目的/シーンについてご紹介しました。
高速でPDCAサイクルを回す必要がある新規事業では、情報共有が最も重要です。組織全体で定常的に情報共有を続けることで、事業推進のスピードは一気に向上するでしょう。
また、シーンごとに合わせた事前の設計/準備も怠ってはいけません。どのような情報を共有するのか、コミュニケーションの着地点はどこなのかなど、目的意識をしっかりと持ってコミュニケーションを行なってみましょう。