この記事では、イノベーションを興すことを目的とした組織が、イノベーションを継続的に開発/改善していくためのツールや方法論とはどのようなものか説明していきます。
ツールや方法論の必要性、導入時に考慮すべきポイント等イノベーションマネジメントシステムでもまとめられているような知るべきポイントがありますので、このポイントに合わせて重点的に説明していきます。
なぜツール/方法論が必要か
個人で新しいことするのではなく、組織としてイノベーションマネジメントに取り組んでいく場合には、組織全体としてツールや方法を適切に活用することが必要です。
組織としてイノベーションマネジメントに取り組む場合、知見の属人化や組織全体としての方針との乖離といった事象が発生してしまうことは少なくありません。
ツールや方法論を用いることで、思考面/行動面の両面から組織として一体感のある活動を行うことができ、前述の事象を防止することが出来ます。
一体感のある活動を続けていくことで、組織としてのイノベーションマネジメントシステムを開発/維持/改善していくことができるため、積極的にツールや方法論を取り入れていきたいものです。
考慮すべきポイント
ツールや方法論を取り入れる意義については、前段でご説明いたしましたが、ただ闇雲にツール/方法論を取り入れればいいというわけではありません。
組織に取り入れる上で考慮すべきポイントがありますので、以下3点にまとめ、ご説明いたします。
1.適切な組み合わせ
1つ目に考慮すべきポイントは、ツールや方法論の組み合わせです。
組織の大きさや性質、事業への理解度等を把握し、自分の属する組織に適切なツール及び方法論の組み合わせを選択し、準備していくことが必要となります。
2.アクセス/訓練
2つ目に考慮すべきポイントは、ツール/方法論を適切に利用できるよう、訓練の機会を与えることです。
多くの組織では、ツールや新しい方法論の導入には情報収集や複数観点での検討といった活動に時間をかけますが、導入後の訓練に適切な機会が全ての利用者に与えられているかというと、そうではないケースが比較的に多いように感じられます。
大事なことは導入することではなく、それを各個人が適切に利用し、イノベーションマネジメントをおこなうことができるようになることですので、適切な訓練をおこなう必要があります。
3.共有/協力
3つ目に考慮すべきポイントは、ツールや方法論を導入した際、知識や経験を共有し、協力して磨き上げていくことです。
知見を属人化させない、組織としての風土醸成といった観点からもこの点は重要です。
各個人が得た知見や経験を組織へ還元することができるよう、勉強会や事例報告会といった場や還元しやすい環境を適切に準備する必要があります。
ツール/方法の幅、具体例
導入するツールや方法論には様々な種類/様式が考えられます。
例えば種類としては分析ツールや思考フォーマットといった各個人の内的な力を高めるもの、組織のコミュニケーション向上や組織外から新しい知見を発見するなど、複数の参加者による双方向的な関係性を高めるものなどが考えられます。
導入する理由を組織内で合意し、解決したい課題がどこにあるのかを明確にし、目的にあうものを導入しましょう。
一方これらを具現化するための様式としては、ソフトウェアやハードウェアはもちろん、わかりやすさを求める場合にはゲームや動画を用いたもの、より高い詳しさや幅広い利活用を求める場合にはテンプレートや手引書を作成することも考えられます。
自組織での活用方法やリテラシー、汎用性等複数の観点をもとに、より高い効果を得ることのできる様式を選定したいところです。
具体的活用する事のできるツールや方法論の例としては以下のようなものが挙げられます。
- バックキャスティング
- エスノグラフィ調査
- シナリオプランニング
- ブレインストーミング
- アイデアマネジメント
- インクルーシブデザイン
- ビジネスモデルテンプレート
まとめ
イノベーションマネジメントを組織的に推進するためにはツールや方法論の活用が効果的であるということについてご説明してきました。
以下の内容に着目しながら、組織への導入を検討してみてください。
・ツールを導入することで、得ることができる効用
- 知見の属人化や組織全体としての方針との乖離を防ぐ。
- 思考面/行動面の両面から組織として一体感のある活動を行うことができる。
- 組織としてのイノベーションマネジメントシステムを開発/維持/改善していくことができる。
・導入にあたり考慮すべき3点のポイント
- 適切な組み合わせ
- アクセス/訓練
- 共有/協力
・導入時の種類/様式選定
- ツール/方法論の種類
導入目的を組織内で合意し、解決したい課題がどこにあるのかを明確にし、目的にあうものを導入する。 - ツール/方法論の様式
自組織での活用方法やリテラシー、汎用性等複数観点をもとに、より高い効果を得ることのできる様式を選定する。
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組織的なイノベーションへの取り組み、社内の新規事業への風土醸成に興味をお持ちの方はぜひ一度お試しください。