イノベーション・マネジメントを行うべき組織タイプ5選

2020/5/14

最近はイノベーション・マネジメントという言葉がよく聞かれるようになってきていますが、まだ実行まで移せていない組織も多いのではないでしょうか?

また、そもそもあなたの組織では、イノベーション・マネジメントが必要でしょうか?

イノベーション・マネジメントが必要かどうかを判断するには、組織の課題やニーズを理解するところから始めなければなりません。

そこで、この記事ではイノベーション・マネジメントを取り入れるべき組織のタイプを5つあげ、イノベーション・マネジメントで解決できる課題を解説していきます。

あなたの組織でも当てはまる部分があれば、ぜひイノベーション・マネジメントを実践してみてください。

それでは見ていきましょう。

 

イノベーション・マネジメントの定義

まずは前提となる、イノベーション・マネジメントとは何かを、簡単に説明していきます。

イノベーション・マネジメントとは、「イノベーションを継続して創出するために必要な、不確実性を前提とした『実験』『学習』のサイクルを基本とする、マネジメント手法」のことです。

イノベーションは従来の取り組みとは異なる新しいチャレンジとなるため、どうしても失敗というリスクが付いてまわります。

そのためメンバーの自主性に任せているだけでは不十分で、組織としてイノベーションが成功しやすい環境や制度を整える必要があります。

これらのあらゆる方法を駆使し、継続的なイノベーション創出と成功に向けてマネジメントをしていく活動が、イノベーション・マネジメントです。

 

イノベーション・マネジメントを実践すべき組織

ISOが56002で定めているイノベーション・マネジメントシステムでは、イノベーション・マネジメントを実践すべき組織は、次の5つのタイプがあるとしています。

  1. 持続的な成功を追求している組織
  2. ステークホルダーから要望のある組織
  3. コミュニケーションに課題を感じている組織
  4. イノベーション・マネジメントに関する助言を行っている組織
  5. あらゆる政策の立案者

それぞれ解説をしていきます。

 

持続的な成功を追求している組織

1つ目のタイプは、持続的な成功を追求している組織です。

バイアウトという出口戦略を予め考えているスタートアップ以外、ほとんどの組織はここに該当するでしょう。

持続的な成功を追求するには、新規事業を継続的に生み出していかなくてはなりません。

なぜならプロダクトにはライフサイクルが存在し、何もしなければいずれ衰退を迎えるからです。

身の回りで何十年も昔から、何も変えずに売れ続けているプロダクトはどれだけあるでしょうか?

ロングセラーの多い食品ですら、その時代に合わせ味を少し変えたり、売り方を変えたり、原材料を変えたりしています。

このように組織として持続的な成功を目指す以上は、変化をしていかなければならず、イノベーション・マネジメントが必要となります。

 

ステークホルダーから要望のある組織

2つ目のタイプは、ステークホルダーから要望のある組織です。

これはイメージし易いと思いますが、従業員や取引先、顧客、株主といったステークホルダーから、イノベーションの要望があるにも関わらず実践しなければ、組織に問題があると思われても仕方ありません。

社員から現場の改善提案があったにも関わらず、組織として何も対応しなければどうなるでしょうか?

きっとその社員はモチベーションが下がり、会社を辞めてしまうでしょう。

取引先から「価格を下げて欲しい」「仕様を変えて欲しい」という要望があるにも関わらず、応じなければどうなるでしょうか?

もちろん、最終的には失注してしまいますね。

このようにステークホルダーから何かしらイノベーションの要望がある組織は、イノベーション・マネジメントを実践すべきです。

 

コミュニケーションに課題のある組織

3つ目のタイプは、コミュニケーションに課題を抱える組織です。

あなたの組織では、コミュニケーションが円滑に行われ、きちんと縦横と連携が取れているでしょうか?

イノベーション・マネジメントシステムを構築するには、誰か一人の力だけで完遂するのは難しく、組織全体を巻き込んで設計する必要があります。

業種や職種にもよるかと思いますが、なかなか組織全体を巻き込むプロジェクトというのは、珍しいのではないでしょうか?

イノベーション・マネジメントという一つの課題に対し、組織全体で取り組むことによって、組織コミュニケーションの活性化という副次的な効果を得ることもできます。

 

イノベーション・マネジメントに関する助言を行っている組織

4つ目はイノベーション・マネジメントに関する助言を行っている組織、即ちコンサルティング会社などが該当します。

意外とあるものですが、「これは良い商品です」と営業しているのに、自社では使っていないというパターンです。

イノベーション・マネジメントに関する助言を行っている組織は、まずは自分のところで試してみることをおすすめします。

 

あらゆる政策の立案者

最後の5つ目は政策の立案者です。

少し毛色が異なりますが、行政で仕事をしている方々も、イノベーションが必要となります。

ここ20年ほどを振り返ってみても、『9.11』『リーマンショック』『東日本大震災』『COVID-19(新型コロナウィルス)』など、不測の事態が度々発生しました。

また『少子高齢化問題』『年金問題』『格差問題』など、課題を上げれば枚挙に暇がありません。

こういった課題や問題を解決するには、いわゆるルーティンワークでは難しく、根本的な仕組みや制度を変える必要が出てくるでしょう。

それら課題解決に向けた政策は、正しくイノベーションと呼べるものです。

政策を立案する組織にも、イノベーション・マネジメントは役立ちます。

 

まとめ

この記事では、イノベーション・マネジメントが必要な組織の特徴を5つ挙げ、それぞれ説明していきました。

途中で気付いた方もいるかと思いますが、結論としてはほぼ全て、あらゆる組織でイノベーション・マネジメントは必要になってきます。

イノベーション・マネジメントを実践するためには、まず組織の課題やニーズを正しく把握するところから始めなければなりません。

あなたの組織ではどのような理由で、イノベーション・マネジメントを考えていますか?

この記事を参考に、組織の課題やニーズがどこにあるのか、考えてみてください。

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