イノベーションを生み出す組織の知的財産マネジメントに大切な4つの観点

2020/5/15
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この記事では、イノベーションを生み出す組織が大切にすべき知的財産マネジメントについて説明していきます。
イノベーションを生み出す組織にとって、知的財産を適切にマネジメントすることは非常に重要であると言えます。
以下の内容ではその重要性について説明いたしますので、実際に見ていきましょう。

知的財産とは?

まず、前提として知的財産とは、どのようなものでしょうか?
経済産業省が知的財産について以下のように定義しています。

“「知的財産」とは、(1)発明、考案、意匠、著作物、植物の新品種のように人の創造的活動により生み出されるもの、(2)商標のように事業活動において、自己の商品または役務を表示するために用いられるもの、(3)営業秘密その他の事業活動に有用な技術上または営業上の情報などのことを言います。”※出典「経済産業省 – 知的財産制度とは」より(https://www.meti.go.jp/policy/ipr/overview/ipr_system.html)

上記のように定義されており、ごく簡単に言い換えると「知的財産とは事業活動の中で手に入れた有益な知見」ということになります。そのため、知的財産はブランド構築や製品/サービスの差別化およびポジショニング、顧客ロイヤリティの向上、研究/開発、収益の創出等の目標を達成するために利用されます。

このように幅広く利用することができる知的財産は、企業/組織の成長にとって非常に大事な要素となるため、正しくマネジメントする必要があります。

以下ではイノベーションを生み出す組織が知的財産をマネジメントする際に考慮すべきポイントを、4つの観点からご紹介いたします。

考慮すべき4つの観点

1.定義

1つ目に考慮すべき観点 は知的財産の定義を定めることです。
保護すべき知的財産資産とそうでない知的財産資産の区分や、保護される時期/方法/場所を定義します。

現実的に全ての知的財産を保護することは難しいので、保護すべき知的財産を明確にし、守るべきものを様々な手法を用いて保護する必要があります。

保護する方法を例としてあげると、特許/著作権/商標/営業秘密/クリエイティブ・コモンズのライセンス/オープンソースのライセンス等が挙げられます。

2.根拠の明確化

保護すべき知的財産資産とそうでないものの区分を定義する上で 、区分の根拠を明確にする必要があります。例えば以下のように区分することが出来ます。

〈知的財産を保護及び利用する根拠〉

根拠例としては、組織が価値の実現を達成することができる、他組織からの侵害を回避することができる、他組織からの侵害に対する防御が必要である等の要因が挙げられます。
例えば、「ありそうでなかったが、思いついたら誰でもできる」というビジネスモデルを生み出し、このモデルをもとにビジネスを展開する際、他人が思いついて同じビジネスをされてしまうと明らかに価値実現の障壁となります。こういった可能性が生じうる上記ケースは保護すべき知的財産と言えます。

〈知的財産を保護しない根拠〉

根拠例としては、機密性を有する内容ではない、保護をする上で必要以上に多額の費用が発生する、保護をする際に時間がかかってしまう、保護をすることでリスクが発生する等の要因が挙げられます。

例えば、ビジネス上の共通フレームワーク等、自らが生み出したものの機密性があるものではなく、多くの人に使われることで初めて意味をなすもの等は保護しない知的財産の対象となります。

3.運用

知的財産を保護した後、適切に運用することが必要です。
運用の際には、以下5つの観点を考慮します。

〈知的財産資産の一覧表確立/維持〉

イノベーションを生み出す組織の中で保有している知的財産資産の内容をまとめ、その管理状態を維持することが必要です。

〈プロセス/権利関係の整備〉

適切なプロセスの確立し、所有権を明確化させる等、外部のパートナーと協働する際に知的財産をマネジメントする必要性があります。

外部パートナーと協働するというのは、外部企業とのオープンイノベーションや、アイデア創出フェーズでの知的財産の共有等協力的な取り組みが挙げられます。

〈知的財産から価値実現する方法〉

知的財産を用いて、価値を実現する方法をマネジメントする必要があります。

価値のマネジメント方法とは、ライセンス供与、クロスライセンス供与、販売、協力的な提携等が挙げられます。

〈知的財産に関する知識のマネジメント〉

知的財産に関連する所有権、機密性等のアプローチや第三者の知的財産を侵害してしまうことによる影響等について、組織内で認識を確立し、外部講師による講習会や定期的な組織内情報交換会といった適切な教育を提供することが必要です。

ライセンス供与に関する知識や知的財産を侵害してしまった際の訴訟費用など、イノベーションを生み出す上で必要な組織内の知的財産に関する知識をマネジメントすることで不要なリスクを回避することが出来ます。

〈潜在的、あるいは、実際の侵害に関するマネジメント〉

他社から自組織の知的財産を侵害された際、あるいはされようとしている際の対策を事前に講じる必要があります。侵害に対して、スピードをもった対応ができることでリスクを低減することが出来ます。

4.制限/監視

運用をおこなっていく上で、適切な制限や監視を実施する必要があります。
制限/監視をする上では以下のように実施することが出来ます。

〈開示された知的財産の定期的な監視/分析〉

活動の自由度を確保し、潜在的な侵害を回避するために開示された知的財産の中から自組織に関連する内容を定期的に監視し、インプット/分析する必要があります。

〈関連法令の動向、差異の監視〉

イノベーションに関連する国内法令及びその他の国際的に適用される法令要求事項、法令遵守へのコミットメントの動向及び差異を監視することで、リスクの低減と知識の拡充を実現することが出来ます。

まとめ

イノベーションを生み出す組織が知的財産をマネジメントすることの重要性をご説明してきました。
新規事業開発やオープンイノベーションといった事業に取り組み、これまで誰も思いつかなかった領域を切り拓いていくイノベーティブな組織にとって、創造から生み出される知的財産に相当する情報は既存事業に取り組む組織とは比にならない数を有していることが想像されます。
この記事を通して説明した、知的財産をマネジメントする際に有用な内容が以下となります。

1.知的財産の活用方法

知的財産はブランド構築や製品/サービスの差別化およびポジショニング、顧客ロイヤリティの向上、研究/開発、収益の創出等の目標を達成するために利用され得る

2.知的財産マネジメントにあたり、考慮すべき4つのポイント

〈定義〉
保護すべき知的財産資産とそうでない知的財産資産の区分や、保護される時期/方法/場所を定義する

〈根拠の明確化〉
保護すべき知的財産資産とそうでない知的財産資産の区分の定義をする上では、区分の根拠を明確にする

〈運用〉
知的財産を保護した後、適切な運用を実行する

〈制限/監視〉
運用をおこなっていく上で、適切な制限や監視を実施する

イノベーションを生み出す上では、「地位を確立するまで他者に真似されない」「たった一つの価値ある情報を奪われない」ということが重視されます。おさらいとなりますが以上の内容に着目しながら、組織での知的財産マネジメントを推進し、情報という組織の貴重な財産の保護を徹底してみてはいかがでしょうか?

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