Relicでは新卒採用を積極的に行っています。2021年に入社し、入社わずか4ヶ月ながら活躍しているエンジニアの岡島喜希(おかじま・よしき)に、就職活動のエピソードやRelicに就職を決めた理由を聞きました。
東邦大学、及び東京大学大学院で化学を専攻していました。専門でない方にも解りやすいように平易に表現すれば、「肉眼では絶対に見ることができない『分子』を観測し、その姿を写真に撮る」といった研究をしていました。
化学が好きになったのは小学生の頃。劇物である塩酸と水酸化ナトリウムを混ぜると中和され、食塩水になる実験がきっかけでした。誰しも理科の授業で習う化学反応だと思うのですが、小学生の自分にとっては「危険!さわるな!」と言われたもの同士を混ぜたら無害になる…その現象の不思議さに魅了され、それから大学院までの約10年以上、化学を学ぶことになりました。
化学というものは、勉強すればするほど面白く、研究を深めれば深めるほど未知の事象が次々に出現するという面でも私をワクワクさせてくれました。偶然にも常識を覆すような発見に出会えた瞬間は本当に興奮し、このセレンディピティが科学者の醍醐味だ!とも思っていました。当然、大学や企業の研究所に勤める研究者という将来像は、選択肢のひとつとして常に頭の中にありました。
一方で、先生や先輩方の話を伺ったりするなかで、社会人として研究に取り組むということは、自分が好きなこと、興味があることだけを突き詰められる学生時代とは環境が異なるということもわかっていました。また、化学の分野においては、今日着手して数十年後に結果が出るようなロングスパンで研究が進むため、自分が現役の研究者であるうちに目に見える成果を残せるかについても、不透明な部分を感じていたのです。
そこで、高校生から続けていたプログラミング関連での就職も視野にいれるようになりました。プログラミングでなにかを作ることも、化学と同様に「ワクワク」を感じていたことに加え、比較的短期間で目に見える成果に結びつきやすい分野だと考えたのです。
せっかく働くのであれば会社のミッションやビジョンへの共感を大切にしたいと思い、心から共感できたところだけにエントリーするなど、自分の就職活動の軸のひとつとして企業のミッション・ビジョン・バリューへの共感は特に重視しました。
そんな中で、実はRelicは自ら見つけてエントリーしたのではなく、Wantedlyのプロフィールに掲載していたVue.jsに関するポートフォリオをきっかけに、スカウト経由で出会いました。メッセージをもらってからRelicの企業ビジョンを読み、「自分の仕事によって、志のある挑戦者、エネルギーのある人を支えられたら」と思えたため、エントリーを決めたのを覚えています。
まずは入社後3週間は新卒研修を受け、翌5月からフロントエンドエンジニアとして現場配属されています。
任された業務の中で、特に興味を抱いたのが「アクセシビリティ」分野。例えば目が見えない方や、パソコンを持たずスマホしか手元にないという方へもサイトに掲載されている情報が正しく届いているか?という視点で、あらゆるバックグラウンドの人へ同じように満足度の高いユーザー体験を提供することを目指す取り組みのことです。
アクセシビリティ向上の対応をしたからといって、売上が上がったり、サイトアクセスが劇的に増えたりするわけではありません。ですから、公的機関や超大手企業ならいざしらず、Relicくらいの小〜中規模の企業がアクセシビリティ対応にリソースを割く、という意思決定をするのが難しいのは、学生の皆さんも想像していただけると思います。にもかかわらず、Relicがアクセシビリティについて対応しようとしているのは、私たちがミッションに基づいて全ての行動を決めているからです。自分が所属するサービスデザイン事業部が大事にしている価値観のひとつに“「見えている」以上を創る”というものがあるのですが、アクセシビリティも「一見わからないが、当然の配慮/前提として必要な価値」として大切にされるべき事項と捉え、必須事項として対応する決定をしています。
上記と同時に、コーポレートサイトの新規ページにおいて新たな制作基盤を用いる取り組みも任せていただくなど、新卒1年目の業務としてはとても高いレベルの挑戦・先進的な取り組みができていると感じています。初めて用いる技術ですので勉強しながら、短期間で仕上げなければならなかったのでとてもハードな日々でしたが、その仕事が終わったいま振り返ると、その仕事は確実に自分の血肉になっていることが実感できます。
現時点では、まだ極めたいことは見つかっていないので、Relicで働きながら自分の目標を定めていきたいと考えていますし、エンジニアとしてのベーススキルはまだ研鑽が必要だと認識しています。
ただ、仕事を通じて、自分は「ユーザーがサービスを使いながら楽しい気持ちになる」仕掛けに関心があることもわかってきました。たとえば、スマホ画面上でボタンをクリックしたら凹む、Twitterで「いいね!」をタップすると花火が上がったようになるなど…いわゆる「遊び心」の部分です。
自分自身も作業しながら「これを実装したらみんな驚くに違いないぞ!」と心躍らせながら作業していますし、完成してみると想像以上に面白い仕掛けができてテンションが上がることもしょっちゅうです。
その仕掛けがないからといってサービスの大枠に影響があるわけではないんですが、ユーザーは使っていてポジティブな気持ちになりますよね。その瞬間のユーザーの心を明るくできる気遣いができる…そんなエンジニアを目指していきたいです。
自分自身は決して底抜けに明るいタイプではなく、むしろポジティブな人、いわゆる「陽キャ」に対して一歩引いてしまうような引っ込み思案タイプ。しかし一方で、「世の中は明るくあってほしい、人々は幸せにあってほしい」と思う気持ちは人一倍強く、自分が作るサイトやサービスが、ユーザーの1日を明るくする一助になることがとても嬉しく、やりがいに繋がっています。
個人の気質や性格と、仕事に対する向き合い方がこんなに違うというのもひとつの発見でした。
まず、職種に関わらない部分でいえば、Relicは研修やメンター制度、1on1の実施など新卒社員をとても大切にしてくれるので安心して欲しいです。就活するなかで不安な日々だとは思うのですが、自分が挑戦したいことやどういう人間になりたいか、未来をどう捉えているのかを伝えられれば、しっかりと受け止めてくれる会社です。面接の結果がどうあれ、Relicの面接官と1時間話す機会は、学生側にとっても実りのある時間になることでしょう。
また、昨年は新卒が全体で10名ほど採用されており、会社規模に対して新卒の割合は比較的多いと言えるかもしれません。普段は別々の案件にアサインされているため、なかなか同期と一緒に仕事をする機会もないですが、社内イベントの幹事業務などを通して絆も深まっていると感じています。
最後に、特に理系の学生にお伝えしたいのは、仲間がいる環境で仕事をするのはいいものだ、ということ。研究は自分との戦いであり、孤独なことも多いと思うのですが、Relicの仕事はそうではありません。わからないことがあったら助けを求めたり相談したり。自分ひとりではできないことも、チームの力を借りれば実現できることを知りました。そんな環境が日常になると、自分の想像を超えるレベルのアウトプットを出せる未来が確かな感触を持ってイメージできるのです。
エンジニア学生については、現状の技術力が足りないとか、不格好な作品を披露するのが恥ずかしいとか、そんな気持ちがあるかもしれません。私自身もそうでしたのでよくわかります。しかし、プロのエンジニアからしてみれば学生の技術力が不足しているのは当然。どういうものを作りたかったのか、なぜ取り組んだのか、そういった背景がしっかりとあれば、きっとRelicの先輩は受けとめてくれると思います。
ぜひ、安心して選考に臨んでくださいね。
岡島喜希
プロダクトイノベーション事業本部 サービスデザイン事業部 クリエイティブテクノロジーグループ フロントエンドエンジニア
東邦大学、東京大学大学院で化学を専攻。糖鎖合成化学、結晶化学の基礎分野に精通し研究成果が学会や大学院内で高い評価を得る。2021年4月、新卒採用にてRelicにフロントエンドエンジニアとして入社し、幅広いプロジェクトの開発に携わる。インキュベーションテックの「ENjiNE」を基盤とした不動産事業の支援では、第一号の募集から目標金額の3倍以上の出資が集まる大きなインパクトに貢献。自社内では先進的な取り組みである自社コーポレートサイトのアクセシビリティ向上やmicroCMSやgatsbyJSといった技術を使ったJAMStack構成のサイトの構築などを担当し、事例創出や技術進歩に貢献する。その他、新規開発/運用・改善問わず幅広い領域・ステップでのUI開発業務を担当する。