
ディープテック×新規事業開発で最前線へ。ディープテックイノベーションセンター所長 金子佳市のキャリア
事業共創カンパニーのRelicでは、2025年1月、ディープテックを活用した新規事業開発支援を専門的に実行する組織「ディープテックイノベーションセンター(以下、DTIC)」を新設しました。所長を務めるのは、技術職から経営企画、VC、起業と一貫して「ディープテック×事業開発」のキャリアを歩んできた金子佳市。
本記事では金子のこれまでのキャリアと、なぜディープテック分野において事業開発が必要なのかを聞いていきます。DTICでは中途採用を積極的に募集しています。ご興味をお持ちの方はぜひ最後までご覧いただけると幸いです。
研究者から事業開発へ──「異色のキャリア」はこうして始まった
経営学修士(専門職)と修士(工学)の二つの学位を持ち、台湾・國立台北科技大学や中国・浙江大学での研究留学経験を持つ金子。大阪工業大学大学院を修了後、新卒でパナソニック株式会社に入社し、パワーエレクトロニクス分野の回路設計や家電のIoT化などの新機能開発に取り組みました。
金子:
「就活では幅広い業種・企業を検討しましたが、研究開発職に就くことは、将来的に得難い経験だと感じました。大学時代の研究テーマを活かしつつ、まずは最先端の現場で技術を極めたい。そんな思いがパナソニック入社の大きな決め手になりました。」
社内コンテストが転機に──『ビジネスサイドの視点』を知る
「入社2年目にパナソニック社内の新規事業開発コンテスト『Game Changer Catapult(GCC)』に参加したことが大きな転機でした。技術開発に注力しているなかで、どうしても事業成果や待遇面で釣り合わないと感じる場面があったんです。そこで、『ビジネスサイドの視点』を理解してこそ、技術者の努力が正しく評価される仕組みが作れるのではないか、と強く思うようになりました
GCCへの参加後は経営企画部門に異動することになり、技術開発だけでなく、いかに事業を作っていくかを学ぶ機会が増えました。」
「経営者の感覚」を求めて、VCへ──事業を立ち上げるスピード感
「パナソニックの経営企画部門は、新規事業に取り組む土壌が整っていました。しかし、巨大組織ゆえに時間軸はどうしても長期的。そこで、もっと目の届く範囲で資金を動かし、事業をスピーディに立ち上げる経験を積みたいと思いました。
また、松下幸之助の『衆知を集めた全員経営』という思想に触れるうちに、『経営者の感覚』とは何かを突き詰めたいと考えるようになったんです。そこで、シード期スタートアップを中心に投資・支援を行う独立系VCであるサムライインキュベートに転職しました。」
「シード期のスタートアップへの投資と事業開発支援を通じて、より直接的に事業を立ち上げ、成長させる経験を積みました。また、中小企業を複数手伝うことで、規模の異なる企業の実態を肌身に感じ、大手企業とは異なる経営のリアルを学ぶことができたのは大きな収穫でした。」
Relicで実現したい「ディープテック事業の革新」
2024年、金子はRelicに参画しました。滋賀拠点を立ち上げ拠点長に就任し、同時にディープテック分野の支援組織を立ち上げました。
「Relicには、新規事業開発の実行力とスピード感があります。意思決定が早く、ミッションドリブンで動く文化が魅力です。これは、事業を生み出す打席数を増やすことでヒットやホームランの確率を高める、まさに事業開発において重要な考え方です。私のこれまでの経験とRelicの組織力を組み合わせることで、ディープテックの事業開発をより実践的なものにできると考えました。」
金子が立ち上げたディープテック専門の支援組織「DTIC」は、大学、研究機関、企業のR&D部門に対し、研究技術を市場価値のある事業へ繋げていく支援を行います。日本企業が研究開発した技術のうち、事業化されずに消滅してしまったものは約6割にも上ると言われる(※)大きな社会課題に対するチャレンジです。DTICは技術シーズの探索、特許戦略の設計、プロダクト開発、マーケティング、資金調達支援など、多岐にわたるサービスを提供し、「技術の塊」を「事業の魂」へと昇華させることを使命とします。
「技術は可能性の原石ですが、それを事業という生きた価値に変えるには、深い洞察と多面的な支援が必要です。これまで、大手企業の堅牢な枠組み、スタートアップのスピード感、ベンチャーキャピタルやアクセラレーターでの成長支援、そして独立の試行錯誤を通じて、そこに大きなギャップを痛感してきました。DTICは、その不足を埋めるべく設立しました。技術の持つ力を最大化し、未来を創る事業へと変える支援を全力で提供します。」
ディープテック領域における新規事業開発の重要性と課題はまた別の記事でご紹介します。
※内閣府,「平成30年度 年次経済財政報告(経済財政政策担当大臣報告)」, P253 第3章 第2節 2 イノベーションの基礎力:人的資本、知識、技術力、研究開発の課題, https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je18/index_pdf.html
目指す未来は「ディープテックといえばRelic」
社会的にも大きな課題と可能性を抱える「ディープテック」を舞台に、DTICはどのようなアプローチをしていくのでしょうか。
「ディープテック領域においても、これまでRelicが培ってきた『ヒト・モノ・カネ』を活用した支援を展開していきます。そして、最終的には『ディープテック事業開発といえばRelic一強』というポジションを確立したいと考えています。部分的な支援ではなく一貫した支援をたのみたいのに適したところが無い‥最後にはRelicに相談する、そんな認知を作りたいですね。」
技術とビジネスの架け橋となるRelicのディープテック支援。その最前線で、金子は挑戦を続けています。

技術を社会実装する最前線で、あなたの力を活かしませんか?
金子:
「戦略設計だけでなく、実際の立ち上げや実装までワンストップでやり切れる組織は、なかなかありません。技術の可能性を信じて、社会実装に情熱を注げる方と一緒に、未来を切り拓きたいです。ぜひ、熱い想いを持つ方はお気軽にお声がけください。」
DTICでは技術革新を事業化し、社会にインパクトを生み出すプロフェッショナルを求めています。詳しくは下記募集要項をご覧ください。

社員の声

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