“CCO”って、どんなポジション?Relicが「クリエイティブ」を重視する理由。

黒木 裕貴
執行役員CCO l サービスデザイン事業部長
#エンジニア #デザイナー

今回、話を聞いたのは、プロダクトイノベーション事業本部の中でユーザーに接する部分、いわゆる「フロント」に責任を持つCCO(Chief Creative Officer)である、黒木 裕貴(くろき・ゆうき)。耳慣れない肩書ですが、そのポジションにはRelic(レリック)のクリエイティブに対する理念が込められています。


耳慣れない肩書”CCO”に込められたRelicの想い


まず、黒木さんがRelicでどんな役割を担っているのか教えてください。CCOという肩書は、始めて聞きました。

Relicでいうクリエイティブ部門とは、新規サービスの”見た目”に関わる部分を作り、磨き上げてゆく部門です。私はそこの責任者であるCCO(Chief Creative Officer)という役割を任されています。

私たちサービスデザイン事業部は、単にWEBページのデザインや開発をしているだけではありません。新規事業検討フェーズで、ビジネス部門と一緒になってペルソナ(サービスを利用してくれる人物モデル)を作ったり、カスタマージャーニー(ユーザーの動き”行動・思考・感情”を時系列で見える化したもの)を作り、ユーザー体験を設計することも私たちの役割です。

最近ではUI/UXという言葉も一般的になりつつありますが、サービスの「ユーザーに直接触れる部分/一連の体験」のデザインや改善を担当しています。

社員数が150名ほどのRelic。事業部にデザイナーやフロントエンドエンジニアを所属させる会社が多い中、クリエイティブ部門を部署として独立させているのはなぜでしょうか。

Relicの事業ドメインが「新規事業」であることが深く関係しています。

新規事業には、正解や正攻法がない。事業立ち上げのフェーズでは、試作品として最小工数でプロトタイプ(試作品)を作り、ユーザーからのフィードバックを得ながら仮説検証をすることが多くあります。プロトタイプをせっかく作っても、そのページの動きが重いとか、使いづらいということがあっては本来検証したいポイントをテストできませんから、スピードと品質の両立が求められます。

ですから、他の企業よりもサービスをデザインする機会は多いですし、たとえクリエイティブを担当する部門とはいえ、事業の本質に寄り沿って思考することが大切になってきます。

現在、「フロントエンド担当」の役割は広がってきています。例えばデザイナーでいえば、Photoshopを使ってグラフィックデザインができるだけでなく、より上流工程に入ってコンセプト設計ができるとか。またはマークアップやアニメーションの作成といった、より開発の領域まで踏み込んだ役割であったり……。それぞれの役割に縛られることなく、複数領域を受け持つ機会が増えてきています。

Relicではデザイナーやエンジニア等、それぞれの領域をオーバーラップすることで1人だけでは思いつかなかったサービスのアイデアを作ることを大事にしています。

近年では「デザイン思考」といったワードも広まってきているように、よりユーザー目線に立ったモノづくりの姿勢が重要になってきています。今後はクリエイティブと技術の橋渡しをする役割を担える人材が必要になってくると考えています。


社会の中での「クリエイター」の存在意義とは。

日本ではまだクリエイターや挑戦者に対して社会の評価が厳しい場面もありますが、少なくともRelicの中では「クリエイター=挑戦者が称賛される文化」を大切にしていきたいと考えています。

Relicの会社ビジョンは、「大志ある挑戦を創造し、日本から世界へ 想いをもった挑戦者と共に走り、共に創る」。

もちろん事業のアイデアを思いついた人もクリエイターであり挑戦者ですが、Relicのサービスデザイン事業部に所属するメンバーも、全員が“クリエイター”です。
サービスデザインを担当する部署として、まだ言葉にもなっていない挑戦者のアイデアや想いを丁寧に具現化し、それを目に見える形に落とし込んでいく。それはクリエイターである我々にしかできないことなので、誇りをもって取り組んでいこうと、部署全体に発信しています。


スキルはもちろん、マインド重視の採用方針


Relicでは、事業内容上、クリエイティブ部門が担う責任が大きいのですね。現在はどのようなスキルセットの人を募集していますか?先程のお話のように、複数のスキルを持っていないと入社は厳しいのでしょうか。

【フロントエンドエンジニア】

・webアプリケーションのフロントエンドやマークアップの実装経験がある
・html/javascript/css の実装経験
・ES6、SCSS等の経験(※あればなお可)
・vue.jsなどのSPA実装経験(※あればなお可)

現時点のスキルセットというよりは、自分で勉強やチャンスを作り出して、これらを実際に触る機会を作る挑戦をしてきた方に参画してほしいと思っています。

特に新しい技術に興味があり、JSのフレームワークやスタイル設計等の新しい分野にも積極的に勉強している方だと、Relicのメンバーに共通する「知識欲」という会社カルチャーにフィットするのではないでしょうか。

【デザイナー】

・商用webデザインの経験
・一定規模のチームでワイヤーフレームや画面遷移を作成した経験
・コンセプトからプロトタイプへの落とし込み・情報設計経験(※あればなお可)
または
・グラフィックデザインの分野で高い技術力がある
・web/紙、双方のデザインができる

デザイナーに関しては、先述のように複数分野にまたがるスキルを持っている方はもちろん、グラフィックデザインやアートを突き詰めている方にもぜひお会いしたいですね。

スキル以外の面ではどうでしょうか?マインドセットや人物などは重視しますか?


Relic全社で共通するマインドと言えば、他の記事で紹介しているエンジニアやビジネスサイドと同様、「知的好奇心が強い人」であることが重要です。

この職種特有といえるところは、よりよいものを生み出すための「小さな失敗と改善」を楽しめる人。

新しいプロダクトをリリースするときは、公開される直前までプロダクトを磨き上げます。デザイン〜開発など、フロントエンド領域が担う分野は広いですが、磨きあげたサービスを世の中に公開することは、そこまでの苦労を吹き飛ばすくらいの達成感があります。

ただ、プロダクトはリリースしてからが本番です。プロダクトをさらに魅力的にする為にはどうすればよいのか?自分の主張をしっかりと持った上で関係者やユーザーと議論すること、それによって決まった作り直しのプロセスすら楽しみながら進める姿勢が重要だと思います。

黒木 裕貴
執行役員CCO l サービスデザイン事業部長
横浜国立大学を卒業後、大手ITコンサルティングファームにて法人向けシステム開発を多数経験した後、サイバーエージェントグループにてソーシャルゲームやSNSのフロントエンドやiOSアプリの開発に従事。その後、DeNAで主にECやSNS系サービスの開発やUI設計、iOSアプリをリードエンジニアとして牽引2015年にフリーランスとして独立し、スタートアップや大手IT企業のUIデザイン、フロントエンド、ネイティブアプリなど幅広い領域の開発支援を行う傍ら、自らサービスやiOSアプリを開発・運営。2016年、株式会社Relicに参画し、CCOに就任。主に自社サービスや新規サービスのUI設計/開発を担当。