プレスリリース

Relic Publishing新刊『大企業のためのディープテック経営』を本日刊行

2026/10/1

技術成熟度(TRL)を共通言語に。大企業の技術投資に「判断基準」をもたらす実践書

 事業共創カンパニーである株式会社Relic(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:北嶋貴朗、代表取締役CTO:大庭亮)は、自社出版レーベル「Relic Publishing」より2026年10月1日(木)、『大企業のためのディープテック経営 技術成熟度をシグナルとした技術経営戦略』(著:金子佳市)を刊行します。

 本書は、「技術は素晴らしい。でも誰が買うのか分からない」という大企業の現場に繰り返し現れる断絶を、技術成熟度(TRL:Technology Readiness Level)という共通言語で埋めるための実践書です。著者が大学院で行った実証研究は、TRLが1段階上がるごとに資金調達額が大きく増え、技術の成熟度だけで調達額のばらつきのおよそ6割を説明できることを明らかにしました。さらにTRL6を境に、資金需要が「時間制約型」から「資本駆動型」へ構造転換することも観測されています。長期の資本、製造基盤、販路、規制対応の蓄積。死の谷を越える場面でこれらを動員できるのは大企業をおいてほかにありません。本書は全社戦略・事業戦略・機能戦略の三層をTRLで整合させ、全社方針の設計から投資委員会の運営、技術スカウティング、共同研究契約、資本政策、PMIまでを具体的に設計します。前著『深技興国』が支援者の視点から描いた構造設計図を、今回は大企業の経営者・実務者の視点から実行可能なフレームワークへと展開しました。

 Relic Publishingは、Relicが掲げる「1人1冊・1事業」構想のもと、社員一人ひとりの実践知や思想を社会へ発信し、組織の知的資本として蓄積・活用することを目的とした出版レーベルです。今後も実践知の発信を通じ、日本企業の事業創造力と共創力の向上に貢献してまいります。

■書籍の主な内容と特徴

  • ・技術と経営の断絶を埋める「共通言語」を提示:研究所は性能や実験結果で語り、経営会議は売上や利益で語る。この断絶がある限り、有望な技術も中期経営計画の短期圧力の前に沈黙します。本書は、NASAが考案し国際標準(ISO 16290)となった技術成熟度(TRL)を、経営の意思決定に接続する共通言語として位置づけます。
  • ・「いつ、いくら投じるか」を実証データから設計:著者の実証研究により、TRLが1段階上がるごとに資金調達額が大きく増えること、技術の成熟度だけで調達額のばらつきのおよそ6割を説明できることが明らかになりました。さらにTRL6を境に、資金需要が「時間制約型」から「資本駆動型」へ構造転換します。この転換点を見誤ると、投資は空回りします。
  • ・全社・事業・機能の三層を整合させる実行フレームワーク:経営トップが決める全社方針、事業部門が選ぶ技術分野、実行部隊が動かすスカウティングや知財・規制対応。この三層をTRLという一つの軸で貫き、投資委員会の運営、共同研究契約、資本政策、M&A後の統合(PMI)までを具体的に設計します。
  • ・明日から使える診断ツールと100日プラン:自社の現在地を測る5段階の成熟度チェック、技術・市場・規制・供給網・資本・組織の六軸で事業化の準備状況を点検する「Readiness Stack」、そして「まず100日でやる10アクション」を収録。読者が自社で着手できる形まで落とし込みました。

【書籍情報】

タイトル:大企業のためのディープテック経営 ― 技術成熟度をシグナルとした技術経営戦略

著者:金子 佳市(株式会社Relic 執行役員/ディープテックイノベーションセンター長)

発売日:2026年10月1日

価格:2,900円(税抜)
※Kindle価格は、Amazonのキャンペーン等により変動することがあります。

販売:Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング(KDP)ほか


【目次】

  • 第Ⅰ部 戦略アーキテクチャ──TRLシグナルに基づくディープテック経営の基盤
  • 第Ⅱ部 全社戦略レイヤー──経営トップが決めるべきこと
  • 第Ⅲ部 事業戦略レイヤー──事業部門が設計すべきこと
  • 第Ⅳ部 機能戦略レイヤー──実行部隊が動かすべきこと
  • 第Ⅴ部 コーポレートアクションの体系──経営戦略を実行する手段論
  • 第Ⅵ部 投資からM&Aへ──資本戦略の実行
  • 第Ⅶ部 技術分野別のアクション設計
  • 第Ⅷ部 実行ロードマップと将来展望

■著者プロフィール

金子 佳市

株式会社Relic 執行役員/ディープテックイノベーションセンター長

国立大学法人 東京農工大学 理事付
大阪工業大学 客員准教授
立教大学 ビジネスデザイン研究所 特任研究員

1993年、京都府舞鶴市生まれ。3児の父。

新卒で入社したパナソニック株式会社にて調理家電用インバータ開発と社内新規事業創出PJリーダーを務めた後、経営企画部で新規事業に従事。その後、独立系VCおよび複数ブティックにて事業開発支援を開始。上場ベンチャーや複数のスタートアップにて新規事業責任者を経て2023年に独立し、Y2 Incubate合同会社と一般社団法人ディープテック・スタートアップ・サポーターズ協会を創業。2024年に株式会社Relicに参画。

大学・研究機関、大企業、スタートアップ、金融機関などを対象に、これまで300件を超える技術経営・事業開発支援に携わる。専門は技術経営とパワーエレクトロニクスで、IEEE・電気学会・産業技術総合研究所より複数受賞。2026年にはInternational Foundation for Production Research(IFPR)よりBest Paper Awardを受賞。著書に『深技興国 ディープテックによる未来産業論』。

学歴
大阪工業大学大学院 工学研究科 電気電子工学専攻 博士前期課程
グロービス経営大学院大学 経営研究科 経営専攻
立命館大学大学院 テクノロジー・マネジメント研究科 テクノロジー・マネジメント専攻 博士課程後期課程

■出版レーベル「Relic Publishing」について

 Relic Publishingは、イノベーション創出に資する知的資本の価値を社会に届ける出版レーベルです。

新規事業開発に特化して10年の実績を持つRelicの現役事業プロデューサーが伴走し、多忙な事業家の執筆負担を抑えながら、生きたナレッジを一冊に結晶化します。

 社名の由来である内村鑑三『後世への最大遺物』(誰もが後世に遺せる最大のものは、勇ましく高尚なる生涯そのものだと説いた)の思想のもと、不確実な未来に挑む企業の「あくなき挑戦」こそ後世に残すべき遺産(relic)であると考え、「知の流通」を活性化することで日本の新規事業開発の加速を目指します。

■「1人1冊・1事業」構想とは:実践知を資産化する独自の組織開発構想

 Relicは、全社員が自らの実践知を言語化した「書籍」の執筆(1人1冊)と、主体的な「事業」の創出(1人1事業)に挑戦する、独自の組織開発構想を推進しています。本構想は、創業以来の「すべてのメンバーが事業家であり、かつ専門家である」という組織思想を、戦略的に制度化したものです。

 本構想を社会に実装するインフラとして、生成AIやノーコード技術を活用し非エンジニアを含む全社員の事業立ち上げを支援する戦略子会社「株式会社SenQ AI」と、そのプロセスで得られた知見を体系化し発信する出版レーベル「Relic Publishing」を設立しました。

 事業化と出版という両輪を通じて、個人の挑戦を組織の知的資本へと昇華させることで、ナレッジの継承や共創機会の創出を加速させ、Relicの持続的成長を支える基盤として展開しています。