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新規事業のプロセスとは? 0→1から10→100まで、フェーズ別に進め方・手順・判断軸を徹底解説

2026/3/6

新規事業開発を任されたとき、多くの責任者がまず直面するのは「何を、どの順番で進めればよいのか」というプロセス設計の問題です。市場構造が成熟化し、人口減少や可処分所得の伸び悩みが見られる中、既存事業の成長に停滞感を抱く企業が新たな柱となる事業を模索しています。しかし、8割の企業が新規事業の「成功」に至っていないという調査結果が示すとおり、やみくもに進めては成果にたどり着けません。

新規事業開発のプロセスを正しく設計し、各フェーズで何を検証すべきかを明確にすることが、成功確率を高める第一歩です。本記事では、新規事業の立ち上げから成長・拡大までの全体像を「0→1」「1→10」「10→100」の3フェーズに分解し、各ステップの進め方・判断軸・よくある失敗パターンと回避策を体系的に解説します。

【本記事の要点】

  • 新規事業開発のプロセスは「Concept(事業構想:0→1)」「Creation(事業化:1→10)」「Complete(成長・拡大:10→100)」の3フェーズで捉える
  • 各フェーズには固有の検証項目があり、段階に応じて不確実性をコントロールする設計が不可欠
  • 「誰の、どんな課題を解決するか」の定義が、全プロセスの起点であり最重要論点
  • プロセスの進捗に応じた撤退基準の設計が、無駄な投資を防ぎ、挑戦の総量を最大化する
  • 大企業特有の障壁(社内調整・リスク許容度・実行人材の不足)を前提とした推進設計が必要

なぜ新規事業開発にプロセス設計が必要なのか

新規事業の成功率が示す「再現性」の課題

新規事業開発は、既存事業の延長線上にはない不確実性の高い挑戦です。アビームコンサルティングが2018年に実施した調査(年商200億円以上の780社を対象)によれば、取り組んだ新規事業のうち累損解消に至った割合は7%とされています。また、2023年の調査においても、様々な苦労を乗り越えてローンチした案件においても半数以上は黒字化を達成できていないという結果が示されました。

こうした厳しい現実のなかで、新規事業にまつわる体系的な思考法や取り組み方について一定のリテラシーが醸成された一方で、再現性まで含め成功率を高められていないのが実態です。

プロセスがないと何が起きるか

プロセスが定義されていない新規事業開発は、以下の問題を引き起こしがちです。

よくある問題 根本原因
アイデアは出るが事業化に至らない 検証すべき項目と順序が不明確
PoCを繰り返すだけで前に進まない 移行判定の基準が設計されていない
経営層への報告で「まだ見えない」と言われ続ける フェーズごとのKPI・進捗指標が未設定
撤退判断ができず投資が膨らむ 撤退基準の事前合意がない
担当者が異動するたびに振り出しに戻る 暗黙知が形式知化されていない

新規事業開発のプロセスを設計する目的は、成功を保証することではありません。不確実性が高い領域で「しなくてもよい失敗を回避し、必要な失敗からの学びを最大化する」ための仕組みを整えることです。

大企業がプロセス設計で特に意識すべき3つの前提

大企業の新規事業開発責任者にとっては、スタートアップとは異なる固有の制約条件を織り込んだプロセス設計が不可欠です。

  1. 意思決定の多層構造:複数の決裁レイヤーを前提とした合意形成プロセスの設計
  2. 既存事業との棲み分け:カニバリゼーションの懸念に対する戦略的整理
  3. リスク許容度の明示化:投資規模・期間・撤退基準を事前に経営層と合意する

売上高10億円から1兆円以上の国内企業は、3年で新規事業の成否を判断する傾向にあることがPwCの調査で明らかになっています。限られた時間のなかで成果を示すためにも、各フェーズの論点と移行基準を事前に定めておくことが重要です。


新規事業開発プロセスの全体像 ── 3フェーズ・7検証項目・10ステップ

フェーズ全体を俯瞰する「フェーズの3C」

新規事業開発のプロセスは、不確実性の度合いに応じて大きく3つのフェーズに分かれます。書籍『イノベーションの再現性を高める 新規事業開発マネジメント』(北嶋貴朗著、日経BP)では、この3フェーズを「フェーズの3C」として体系化しています。

フェーズ 名称 段階 概要
Concept 事業構想フェーズ 0→1 顧客と課題を発見し、解決策の方向性を定める
Creation 事業創出・事業化フェーズ 1→10 プロダクトを開発し、初期顧客を獲得して収益化する
Complete 成長・拡大~完成フェーズ 10→100 事業を拡大し、持続可能な成長構造を構築する

7つの検証項目と10のプロセス

各フェーズにはそれぞれ検証すべき項目とプロセスが紐づいています。

【検証項目(A~G)】

記号 検証項目 主な検証内容
A Customer & Problem(顧客と課題) 誰の、どんな課題を解決するか
B Value & Solution(価値と解決策) 課題に対してどんな価値を提供するか
C Product & Market(プロダクトと市場) プロダクトは市場に受容されるか
D Feasibility(実現可能性) 事業として成立するか
E Scalability(拡張性) 成長・拡大が可能か
F Sustainability(持続可能性) 中長期的に成長を維持できるか
G Unifiability(戦略との親和性) 全社戦略との整合性はあるか

【10のプロセス】

プロセス名 概要
Insight 深い洞察により顧客の課題を発見する
Define 課題仮説の蓋然性を検証し定義する
Ideation 課題を解決するアイデアを創出する
Prototyping 試作品を活用してアイデアを検証する
Development プロダクトを開発する
Launch プロダクトを提供し初期顧客を獲得する
Monetize 収益化しユニットエコノミクスを成立させる
Growth 投資によって事業を成長・拡大させる
Exit 持続的に成長可能な構造をつくる
Core 中核事業として全社KGI/KPIに貢献する

重要なのは、これらのプロセスは常に一方向に進むわけではないということです。検証結果によっては前のステップに立ち戻り、仮説を修正しながら進めることが、新規事業開発の本質です。


Conceptフェーズ(0→1)── 事業構想の進め方

Insight:顧客の課題を発見する4つの調査手法

新規事業開発の構想の起点は「誰の、どんな課題を解決するか」を発見することです。この段階では以下の4つの調査手法を組み合わせ、多角的な洞察と深掘りによる構造化を行います。

【① デスクリサーチ】

産業の構造や市場の動向、トレンドを素早く把握するための机上調査です。IRや決算情報、SNSのトレンド、Googleトレンドなどを活用し、広く浅く全体観をつかむ手法として有効です。ただし、既知の情報に限られるため、情報の差別化にはつながりにくい点に注意が必要です。

【② エキスパートインタビュー】

特定分野の有識者や専門家から、短時間で全体観や希少性の高い情報を得る手法です。自分の専門外の領域で新規事業を検討する場合に特に有効ですが、実務経験のない専門家からはデスクリサーチと大差ない情報しか得られない可能性がある点に留意します。

【③ 顧客インタビュー】

想定顧客への直接対話を通じて、生の一次情報を得る手法です。不確実性が高い新規事業開発では必須かつ最重要のプロセスです。実施にあたっては以下の3点を意識します。

  • 聞くべき人に聴く:聞きやすい人ではなく、想定顧客像に合致する人を選ぶ
  • 誘導尋問をしない:自分の仮説を押しつけず、顧客の声を傾聴する
  • オープン・クエスチョン中心:YES/NOではなく、自由回答で深い情報を引き出す

【④ 顧客の行動観察】

顧客自身が言語化できない潜在的な課題を発見するための手法です。「人間の行動の95%は無意識に操られている」ともいわれる研究知見を踏まえ、対話では得られない示唆を観察から引き出します。

Define:課題の質を評価する4つの観点

Insightで発見した課題仮説を「蓋然性の高い事実」に昇華させるのがDefineのプロセスです。課題の質は、以下の4つの観点で評価・検証します。

観点 問い 検証方法の例
課題の広さ 同様の課題を抱える人・企業はどの程度存在するか 定量アンケート、SNSでの反応確認
発生頻度 その課題はどの程度の頻度で発生するか 定量調査、行動ログ分析
課題の深さ どの程度深刻に困っているか、対価を払ってでも解決したいか 顧客インタビュー、行動観察
発生構造 課題は一過性でなく構造的に存在・拡大を続けるか マクロ動向分析、社会構造の変化の調査

特に「課題の深さ」の検証では、顧客が現在その課題にどう対処しているかの段階を把握することが重要です。

【課題への向き合い方の段階(深さの目安)】

  1. 特に何もしていない/諦めている
  2. 何らかの労力や時間を費やしている
  3. 別の代替策にコストを支払って暫定対応している
  4. より良い解決策を積極的に探している
  5. 「○円までなら払ってもよい」と考えている

「お金を払ってでも解決したい」段階に至っている課題は深く、事業としてのポテンシャルが高いと考えられます。

Ideation:アイデア創出で陥りがちな罠

課題が定義できたら、その解決策としてのアイデアを創出するIdeationに入ります。この段階でよく見られる失敗は、課題の定義が浅いまま「ソリューションありき」で進めてしまうことです。

アイデア創出においては、以下の流れで検討を進めます。

  1. 提供価値の方向性を決定する:課題に対してどのような価値を提供するか
  2. ソリューションの幅出し:解決策の選択肢を広げる
  3. 絞り込み:自社の意義・独自性・活用できるアセットの観点で評価
  4. ビジネスモデル仮説の構築:収益構造の初期仮説を立てる

Conceptフェーズ終了時のチェックリスト

事業構想フェーズから次のフェーズへ進む際には、以下の観点で移行判定を行います。

【必須観点】

  • ■ 顧客像・顧客セグメントが明確になっているか
  • ■ 課題の質(広さ×頻度×深さ)が検証され、事業ポテンシャルがあるか
  • ■ 課題が構造的であり、今後も継続・拡大するか
  • ■ 解決策に対する顧客の受容性を示す兆し(トラクション)があるか

【重要観点】

  • ■ 自社のビジョンやインキュベーション戦略との親和性があるか
  • ■ 自社アセットを活用した優位性を構築できそうか
  • ■ 競合・代替品と比較して独自の提供価値があるか
  • ■ 技術的・法務的に致命的なリスクがないか

Creationフェーズ(1→10)── 事業化の進め方

Prototyping:「試作品」ではなく「検証結果」を創出する

事業構想が固まったら、プロトタイピングによって仮説の検証を行います。重要なのは、「完成度の高いプロダクトを作ること」が目的ではなく、最小の投資で最大の学びを得ることです。

プロトタイプの段階は、得られるフィードバックの具体性とコストに応じて選択します。

レベル 手法例 主な検証対象
低コスト キャッチコピー、スケッチ、ペーパープロト 顧客受容性の初期確認
中コスト LP(サービス紹介ページ)、モックアップ、コンセプトムービー 顧客の反応・関心度合い
高コスト 機能試作(ファンクショナルプロト)、手作業型プロト 解決策の有効性

検証に必要なデータすら取れない規模感では意味がない一方で、致命傷にならない範囲でスピード感をもって仮説検証を繰り返すことがPMF(Product-Market Fit)への最短ルートとなります。

Development:開発アプローチの選定

プロトタイピングで検証結果を得た後、商用プロダクトの開発に進みます。開発手法は事業の特性と不確実性の度合いに応じて選択します。

手法 適する場面 注意点
アジャイル型 要件が流動的で、段階的に仕様を確定する場合 方向転換に強いが、スコープ管理が重要
ウォーターフォール型 要件が明確で、大規模開発の場合 計画的だが、途中変更のコストが大きい
ノーコード/ローコード MVP段階で素早く市場投入したい場合 スケーラビリティに限界がある場合も

Launch ~ Monetize:初期顧客の獲得と収益化

プロダクトをローンチした後、初期顧客を獲得し収益化するプロセスは、新規事業の「死の谷」とも呼ばれる最も厳しい局面です。

【初期顧客獲得のポイント】

  • 顕在層(課題を自覚し解決策を探している層)から着手する
  • ロイヤルカスタマーを早期に見つけ、深い関係を構築する
  • NPS(ネット・プロモーター・スコア)等で顧客満足度を定量的に追跡する

【収益化(Monetize)の判断基準】

収益化の成否は「ユニットエコノミクス」の成立で判断します。基本的には「LTV(顧客生涯価値)> CAC(顧客獲得コスト)」の状態を目指します。

  • LTV = 平均購買単価 × 年間平均購買頻度 × 粗利率 ÷ 年間離反率
  • CAC = 顧客獲得にかかった費用の総額 ÷ 獲得顧客数
  • 理想は LTV ≧ CAC × 3、最低でも LTV ≧ CAC × 2 を基準とするケースが多い

ただし、特定チャネルでCACが高くても総合で収益性が担保できていれば許容するという考え方も重要です。チャネルごとの細かい数値にこだわるあまり、事業成長の機会を逸しないようにする寛容さも必要です。


Completeフェーズ(10→100)── 成長・拡大の進め方

Growth:スケールアップに向けた投資判断

事業化に成功した後の成長・拡大フェーズでは、収益性を維持しながら顧客数の拡大スピードを最大化することが論点になります。

【市場規模の階層(TAM / SAM / SOM)を活用した投資判断】

指標 定義 活用場面
TAM 総市場規模 事業の長期的なポテンシャル評価
SAM ターゲット市場規模 自社がアプローチ可能な市場の定義
SOM 獲得可能市場規模 現実的な獲得目標の設定

SAMにおけるSOMの割合を向上させるための投資を行いつつ、ユニットエコノミクスの成立を維持することが成長フェーズの基本方針です。

自立的成長を実現する3つのアプローチ

成長・拡大フェーズの後半では、事業が会社や他の事業に依存せず、自立した投資による成長を実現することが求められます。

  1. 顧客セグメントの拡大:特定セグメントから対象を広げ、TAMにおけるSAMの割合を拡大する
  2. LTVの最大化:アップセル・クロスセルにより顧客単価を向上させ、TAM自体の定義を拡張する
  3. スイッチングコストの向上:ネットワーク効果やデータ蓄積により、顧客基盤が自然に維持・拡大する構造を構築する

全社KGI/KPIへの貢献

事業が成熟したら、全社的な経営指標への貢献を示すことが求められます。具体的には、ROAの改善、売上・利益への貢献、他事業への集客・送客エンジンとしての役割など、定量的な貢献を可視化していきます。


新規事業プロセスでよくある5つの失敗と回避策

失敗1:「課題」ではなく「ソリューション」から始めてしまう

自社の技術やアセットを活かしたい気持ちが先行し、顧客課題の検証を飛ばしてしまうパターンです。顧客課題の理解の深さが最も重要な成功要因であることが調査からも確認されています。

【回避策】 Insight → Define のプロセスを省略せず、最低でも10人以上の想定顧客へのインタビューを実施してから次に進みます。

失敗2:ステージゲートが「承認スタンプラリー」になる

「一度ゲートを通過した計画は変更不可」という硬直的な運用になりがちです。しかし、新規事業は「やってみたら違った」という発見の連続です。

【回避策】 ゲートの判定基準を「計画の正確性」ではなく「学びの質と量」「仮説検証の進捗」に設定します。計画変更を前提とした柔軟な運用を経営層と事前に合意しておくことが重要です。

失敗3:PoCが目的化して「PoC疲れ」に陥る

検証の目的と基準が曖昧なまま、PoCを繰り返すだけで事業化に進まないパターンです。

【回避策】 PoC実施前に「何が確認できたら次のフェーズに進むか」「何が確認できなかったらピボットまたは撤退するか」を明文化します。

失敗4:撤退判断ができず「ゾンビ事業」を抱える

大企業であるほどリソースに余裕がある分、利益率の改善が望まれないにも関わらず投資し続けてしまう傾向が見受けられます。

【回避策】 事業開始時に撤退基準(期限・投資上限・KPI閾値)を設定し、関係者と合意しておきます。撤退は「失敗」ではなく「次の挑戦への資源再配分」と位置づけ、組織として学びを蓄積する仕組みをつくります。

失敗5:社内調整に時間をかけすぎてスピードを失う

社内調整がうまくいかないことが、新規事業が成功に至らない理由の上位(約20%)に挙げられています。

【回避策】 新規事業チームを既存の決裁フローから一定程度切り離した推進体制を構築します。評価軸を「売上」ではなく「学習量」や「行動数」に置いたり、意思決定の権限を現場リーダーに委譲したりする特別ルールの適用が効果的です。成功企業は「全社戦略の打ち手として位置付けたうえでの新規事業推進」において挑戦企業と大きな差があることも明らかになっており、経営層のコミットメントを得ることが推進力の源泉になります。


新規事業の推進体制 ── パートナー選定の判断軸

「自社完結」か「外部パートナーとの協業」か

コーポレート部門が事業開発を担う場合は多くのナレッジを外部調達して新規事業を成功へ導いており、事業部門は最も重要なケイパビリティは自社のものを活用して成功へ導いていることが調査で示されています。自社のケイパビリティを冷静に棚卸しし、不足する機能を外部パートナーで補完するのが現実的なアプローチです。

外部パートナーを選定する5つの観点

新規事業開発のパートナーを選ぶ際は、以下の観点で評価することをお勧めします。

観点 チェックポイント
① 新規事業開発の実績・知見 新規事業開発に特化した実績があるか。一般的なコンサルやSI案件ではなく、0→1や1→10の経験が豊富か
② カバー範囲 戦略立案だけでなく、プロダクト開発・マーケティング・営業など実行フェーズまで一気通貫で伴走できるか
③ 当事者意識の度合い 助言にとどまらず、リスクを共有して事業を共に創る姿勢があるか。レベニューシェア型や共同出資などのスキームがあるか
④ 大企業特有の課題への理解 社内調整、レピュテーションリスク、既存事業との共存など、大企業固有の難所を理解し対処した経験があるか
⑤ 柔軟性とスピード 計画変更やピボットに柔軟に対応できるか。大規模組織ゆえに動きが遅くならないか

上流の戦略策定を得意とするパートナーと、実行・実装に強みを持つパートナーとでは、提供価値が大きく異なります。自社の新規事業が置かれたフェーズや課題に応じて、最適なパートナーを見極めることが重要です。


フェーズ別チェックリスト ── 明日から使える判断ツール

【Conceptフェーズ】セルフチェック

  • ■ 想定顧客への直接インタビューを10件以上実施したか
  • ■ 課題の「広さ × 頻度 × 深さ × 発生構造」を検証したか
  • ■ 既存の代替策では解決できていない理由を明確にしたか
  • ■ 自社で取り組む意義(戦略親和性・アセット活用)を説明できるか
  • ■ 解決策に対する顧客の兆し(トラクション)を1つ以上示せるか

【Creationフェーズ】セルフチェック

  • ■ 最小のコストで検証に必要なプロトタイプを用意したか
  • ■ PoCの目的・期間・判定基準を事前に定義したか
  • ■ 初期顧客からの定量・定性フィードバックを収集しているか
  • ■ ユニットエコノミクスの初期仮説が立っているか
  • ■ 撤退基準を事前に合意しているか

【Completeフェーズ】セルフチェック

  • ■ 顧客獲得チャネルの拡大とCACの最適化ができているか
  • ■ LTV最大化に向けたアップセル・クロスセル施策があるか
  • ■ 自立的な投資のみで成長率を維持できる構造が見えているか
  • ■ 全社KGI/KPIへの定量的な貢献を示せるか
  • ■ 事業運営の持続可能な体制が構築されているか

まとめ ── プロセスの先にある「エコシステム」を目指して

新規事業開発のプロセスを体系的に設計し運用することは、一つの事業の成功確率を高めるだけでなく、組織として新規事業を生み出し続ける力(エコシステム)を構築するための土台でもあります。

McKinseyのグローバル調査では、新規事業の構築は多くの企業にとってトッププライオリティであり続けており、27%のCEOが最優先事項に位置づけていることが報告されています。日本企業においても、イノベーション活動に従事する企業は2015年の38%から2022年の51%まで増加しています。

プロセスを定義し、検証と学びのサイクルを組織に実装すること。そして、そのサイクルを回した人材がミドルマネジメントやトップマネジメントへと成長し、組織全体のイノベーション力を高めていくこと。この循環こそが、大企業が持続的に新たな価値を生み出すための道筋です。

本記事で紹介した「3つのフェーズ・7つの検証項目・10のプロセス」のフレームワークが、貴社の新規事業開発を前に進める一助となれば幸いです。

なお、事業共創カンパニーRelicは、「大志ある挑戦を創造し、日本から世界へ」をビジョンに掲げ、大企業からスタートアップまで5,000社以上の新規事業開発に伴走してきた実績を持っています。本記事で紹介した「3つのフェーズ・7つの検証項目・10のプロセス」は、Relic代表の北嶋貴朗の著書『イノベーションの再現性を高める 新規事業開発マネジメント』(4万部突破)で体系化された知見であり、プロフェッショナルサービス、SaaS型プラットフォーム「インキュベーションテック」、投資・共同事業を通じた「オープンイノベーション」の三位一体で、新規事業の構想から成長まで一気通貫で事業を共創しています。新規事業開発のプロセス設計や推進体制の構築にあたり、自社の状況を整理するための情報収集として、以下の会社概要資料もご活用ください。

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この資料で分かること

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  • 新規事業開発のプロセスを組織として体系化・仕組み化したいとお考えの方
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参考文献

Web:PwCコンサルティング『新規事業開発の取り組みに関する実態調査2025年』、2025年

Web:アビームコンサルティング『「新規事業取り組み実態調査」から見えた新規事業の成功と失敗を分けるもの』、2024年

Web:ダイヤモンド・オンライン『日本企業の新規事業は93%が失敗、「なぜうまく行かないのか?」に対する現状打破の第一歩とは』、2024年

Web:McKinsey & Company「Building new businesses: CEOs’ choice for growth」、2023年

Web:パーソル総合研究所『新規事業開発が「成功している」と答えた担当者は全体の3割。課題は「担い手や専門知識の不足」など』、2022年

Web:科学技術・学術政策研究所(NISTEP)『全国イノベーション調査2022年調査統計報告』、2023年