media

新規事業の狙い目とは? 大企業が成功確率を高める領域選定の判断軸と実践フレームワーク

2026/3/6

新規事業の「狙い目」を見つけることは、新規事業開発の成否を左右する最重要テーマの一つです。しかし、その答えは「成長市場に参入すること」だけではありません。

自社にとっての狙い目とは、「顧客が望んでいて、自社が提供できて、競合他社が提供できない独自の価値を創造できる市場」にあります。つまり、市場の魅力度と自社の経営資源の掛け合わせから導かれるものであり、一般的なトレンド情報だけでは判断できません。

本記事では、大企業の新規事業開発責任者が「自社にとっての狙い目」を体系的に見極めるための判断軸・フレームワーク・チェックリストを、実務に落とし込む形で解説します。

【本記事の要点】

  • 「狙い目」とは成長市場の一覧ではなく、自社の経営資源と市場機会の交差点にある
  • 大企業の新規事業は構造的に成功確率が低く、領域選定の精度が全体のROIを左右する
  • 不確実性の度合いに応じて4つの領域(中核・隣接・周辺・革新)を使い分ける
  • 「既存事業の周辺領域」から始めるアプローチが成功確率を高めやすい
  • 外部環境の変化(規制・技術・社会課題)を「機会の窓」として捉える視点が不可欠
  • 領域選定後の仮説検証スピードが、狙い目を「成果」に変える最大の変数

なぜ今、新規事業の「狙い目」選定が重要なのか

新規事業開発の成功率と大企業特有の課題

新規事業開発への関心は年々高まっています。文科省が毎年実施する「全国イノベーション調査」によれば、新規事業開発等のイノベーション活動に従事する会社は2015年の38%から2022年の51%まで増加しています。一方で、その成果はまだ十分とは言えません。

アビームコンサルティングが2018年に実施した調査(年商200億円以上の780社を対象)によれば、取り組んだ新規事業のうち累損解消に至った割合は7%であり、裏を返せば93%の新規事業は失敗に終わっている計算になります。

PwCコンサルティングの「新規事業開発の取り組みに関する実態調査2025」でも、新規事業にまつわる体系的な思考法は多くの企業内で醸成された一方で、成功ケースはわずかであり、再現性まで含め成功率を高められていないのが実態と指摘されています。

この厳しい現実を踏まえると、限られた経営資源をどの領域に集中投下するかという「狙い目」の選定こそが、新規事業開発の投資対効果を大きく左右する要因であると言えます。

大企業だからこそ直面する「領域選定の壁」

大企業の新規事業開発には、スタートアップとは異なる構造的な課題があります。

大企業特有の、企画の承認を得るまで何段階もの審査が必要になる問題は、新規事業の開発において足かせとなることがあります。市場ニーズや世の中の変化の速度がこれまでにない速さで移り変わる現代において、意思決定や合意形成に時間をかけすぎてしまうことは得策ではありません。

多数のステークホルダーから、「社会課題を解決したい」「自社にある眠っている技術を活かしたい」「DX人材も育成したい」など、さまざまな要望が盛り込まれるうちにゴールがぼやけてしまうことが多々あるのです。

大企業の領域選定でよくある課題 具体的な症状
ゴールの曖昧さ 「何でもよいので自由に考えて」と号令がかかり、焦点が定まらない
既存事業バイアス 既存の成功体験に引きずられ、隣接領域しか検討できない
合意形成の遅延 多くの決裁者の承認が必要で、市場機会を逸する
人材の兼務問題 新規事業メンバーが既存業務と兼務で、リサーチに集中できない
過度なリスク回避 不確実性の高い領域が検討段階で棄却されてしまう

これらの壁を乗り越えるためには、経営層と現場が共有できる「領域選定の判断軸」を明確にすることが出発点になります。


新規事業の狙い目を見極める5つの判断軸

新規事業の狙い目を評価する際、以下の5つの判断軸を体系的に確認することで、感覚的な意思決定を避け、社内の合意形成にも活用しやすくなります。

判断軸①|市場の成長性:今後5〜10年で拡大する構造的な要因があるか

一時的な流行やバズワードではなく、人口動態・規制変更・技術進化といった構造的な変化に裏打ちされた市場成長があるかどうかを見極めます。

新規事業を成功させるには、成長が期待できる市場を見極めることが不可欠です。競争の激しい市場では差別化が難しく、価格競争に巻き込まれるリスクがあります。

【確認のポイント】

  • その市場の成長ドライバーは何か(法規制、技術革新、人口動態、消費者行動変化など)
  • 成長は一過性のものか、構造的に継続するものか
  • TAM(総市場規模)とSAM(ターゲット市場規模)はどの程度か

判断軸②|顧客課題の深さ:お金を払ってでも解決したい課題があるか

新規事業を成功させるために重要となるポイントは、顧客がお金を払ってでも解決したい課題を捉え、提供できるかどうかです。

成長市場であっても、顧客の「痛み」が浅ければビジネスとして成立しません。課題の深さは「広さ×頻度×深刻度」の掛け合わせで評価します。

課題の評価軸 問いかけ
広さ その課題を抱えている潜在顧客はどの程度の規模か
頻度 その課題はどのくらいの頻度で発生するか
深刻度 課題が解決されないことで、顧客はどの程度の損失を被っているか
代替手段 現在、顧客はどのような方法でその課題に対処しているか

判断軸③|自社アセットとの親和性:既存の経営資源を活かせるか

新規事業開発といっても、いきなり自社の既存事業と全く関連のない飛び地のような事業に挑戦する必要はなく、既存事業から徐々に軸をずらして広げる方が成功確率が高まります。自社が保有している顧客データ、技術基盤、ブランド、販売チャネルなどの経営資源を活かせる領域ほど、差別化の源泉になります。

自社ならではの強みを活かせるかも、新規事業の狙い目の判断ポイントです。自社の特長や資産を活用でき、かつ他社が参入しにくい分野であれば、差別化が図れる可能性が高まります。

判断軸④|競争環境:参入障壁の高さとポジショニングの可能性

競合他社が少ない市場は、狙い目となります。ただし、競合他社が少ないのは、参入するメリットが乏しいと判断されている場合もあります。将来的に競合が増える可能性も踏まえた上で、市場の成長性や魅力を見極めることが重要です。

競争環境を評価する際は、同業の直接競合だけでなく、異業種からの参入リスクや代替ソリューションの存在も含めて俯瞰する視点が欠かせません。

判断軸⑤|実現可能性:技術・人材・投資の観点でハードルは越えられるか

魅力的な市場であっても、技術的な実現可能性、人材の確保、必要な投資規模の3点において自社が対応可能な範囲かどうかを冷静に見極める必要があります。

書籍『新規事業開発マネジメント』(北嶋貴朗著)では、新規事業プランの評価観点として「技術的、経済/財務的、法務的なあらゆる観点で現実的か、または致命的なリスクはないか」を確認することの重要性が指摘されています。

【5つの判断軸チェックリスト】

  • ■ 市場の成長性:構造的な成長ドライバーが2つ以上あるか
  • ■ 顧客課題の深さ:「お金を払ってでも解決したい」レベルの課題か
  • ■ 自社アセットとの親和性:既存の経営資源が競争優位の源泉になるか
  • ■ 競争環境:独自のポジションを構築できる余地があるか
  • ■ 実現可能性:必要な技術・人材・投資規模が許容範囲内か

不確実性の度合いで使い分ける「4つの領域」フレームワーク

4×4マトリクスで自社の取り組み領域を整理する

新規事業の狙い目を検討する際、すべての事業アイデアを同じ基準で評価すると、不確実性が高い革新的な領域が構造的に棄却されてしまいます。書籍『新規事業開発マネジメント』では、市場・顧客の軸と商品・ビジネスモデルの軸を掛け合わせた「4×4マトリクス」で領域を整理し、不確実性の度合いに応じた4つの領域分類を提唱しています。

領域 不確実性 特徴 大企業のアプローチ例
中核領域 既存市場×既存商品の延長線上。改善・改良型 既存事業の効率化やバージョンアップ
隣接領域 やや低 市場か商品のどちらかが限定的に新規 既存顧客への新商品提供、新セグメントへの既存商品展開
周辺領域 やや高 市場と商品の一方が全面的に新規 潜在ニーズへの対応、ビジネスモデル変革
革新領域 市場も商品も全面的に新規 まったく新しい顧客層×新しいビジネスモデル

大企業は「隣接」から始め「周辺」へ広げるのが定石

既存事業から徐々に軸をずらして広げる方が成功確率が高まります。既に自社で保有している顧客の実態やニーズについてのデータ、自社技術やリソースが直結的に生かせる可能性が高いためです。

ただし、隣接領域だけにとどまっていては、中長期的な成長エンジンとしてのインパクトに欠ける場合があります。「隣接領域で仮説検証の筋肉をつけ、周辺領域・革新領域へ段階的に挑戦範囲を広げる」というアプローチが、大企業にとっての現実的な戦略です。

書籍『新規事業開発マネジメント』ではこの点について、自社の投資原資や許容リスク、組織能力等の観点から領域選定やリソース配分を加味し、新規事業開発のポートフォリオを設計することの重要性が述べられています。

「既存事業のアセット棚卸し」から始める実務手順

領域選定の出発点は、外部のトレンド分析だけでなく、自社の経営資源の棚卸しです。

【アセット棚卸しの具体手順】

  1. 顧客資産:既存顧客の属性・業界・課題データを整理し、未充足のニーズを洗い出す
  2. 技術・知財資産:自社のコア技術、特許、研究開発テーマを一覧化する
  3. ブランド資産:自社ブランドが信頼性を発揮できる領域を特定する
  4. チャネル資産:販売網・パートナーネットワークの転用可能性を検討する
  5. 人材資産:社内に蓄積された専門知識や業界知見を棚卸しする

この棚卸し結果と、外部の市場機会を突き合わせることで、「自社だからこそ勝てる狙い目」が見えてきます。


2025年以降、大企業が注目すべき成長領域と着眼点

ここでは、構造的な成長が見込まれる領域を俯瞰的に整理します。なお、以下の領域はあくまで一般的な市場トレンドであり、自社にとっての狙い目は前述の5つの判断軸で個別に評価する必要があります。

生成AI・LLMの業務実装

日本の生成AI市場は、2024年に1,000億円の大台を突破し、2030年前後には1兆円を超える規模へと成長を遂げようとしています。単なる技術トレンドではなく、あらゆる産業の業務プロセスを変革するプラットフォームとしての性格を持ちます。

大企業にとっての着眼点は、汎用AIの開発ではなく、自社が深い業界知見を持つ領域でのAI活用サービスの構築です。業界固有のデータとAIを組み合わせた「バーティカルAI」は、異業種からの参入障壁が高く、既存のドメイン知識が競争優位になり得ます。

GX(グリーントランスフォーメーション)・脱炭素

日本は2030年までに温室効果ガス排出量を2013年比で46%削減するという中間目標を掲げ、カーボンニュートラルに向かっています。再生可能エネルギー、カーボンクレジット、サーキュラーエコノミー(循環型経済)など、規制ドリブンで市場が形成されていく領域です。

再生可能エネルギー市場は2025〜2035年の間に年平均成長率5.7%で成長すると予想されています。規制対応コストが発生する以上、顧客企業の「お金を払ってでも解決したい課題」に直結しやすい点が、新規事業の狙い目としての大きな魅力です。

ヘルステック・ウェルネス

少子高齢化が加速する日本では、医療・介護領域のDXは構造的な成長が見込まれます。国内における再生医療周辺産業の将来市場規模予測は、2020年の950億円から2030年には5,500億円に成長すると見込まれています。

超高齢化社会を迎える中で、医療費の増加や医療・介護人材の不足が懸念されており、これらに関わる事業は、ますます需要が増えると予測されます。

その他の注目領域

領域 成長ドライバー 大企業の着眼点
サイバーセキュリティ DX推進に伴う攻撃リスクの増大 自社の技術力×業界特有のセキュリティ要件
宇宙ビジネス 政府が市場規模を2030年代に8兆円へ拡大する目標を設定 部品・素材の供給、データ活用サービス
フードテック 食料安全保障、代替タンパク質需要 食品メーカーの既存技術・チャネルの転用
物流DX 2024年問題、EC拡大による配送需要増 ロボティクス、ルート最適化、シェアリング

海外の先行事例を「タイムマシン」として活用する

海外で成功している事例を参考に、違う市場で展開する手法に「タイムマシン経営」があります。成功事例を手本としているため上手くいく確率が高まることから、日本や他国の新規事業開発において長らく活用されてきた手法です。

欧米だけでなく、東南アジアや中東など、日本とは異なる市場環境で急成長している事業モデルを体系的にリサーチし、日本市場への適用可能性を検討することも有効なアプローチです。


狙い目を「形」にするための実行アプローチ

フェーズ別に異なる論点を押さえる

新規事業開発は、フェーズごとに注力すべき論点が大きく異なります。書籍『新規事業開発マネジメント』では、「3つのフェーズ・7つの検証項目・10のプロセス」として体系化されています。

フェーズ 主な検証項目 狙い目の精度を上げるアクション
Concept(0→1) 顧客と課題 / 提供価値と解決策 顧客インタビュー、課題の蓋然性検証、プロトタイピング
Creation(1→10) 製品と市場 / 事業性・収益性 MVP開発、初期顧客獲得、ユニットエコノミクス検証
Complete(10→100) 成長・拡大可能性 / 持続可能性 顧客セグメント拡大、LTV最大化、全社戦略との親和性

仮説検証のスピードが「狙い目」を成果に変える

領域選定は出発点に過ぎません。どれだけ精緻に市場分析を行っても、実際に顧客の前にプロダクトを出して検証しなければ、その狙い目が本当に正しいかどうかは分かりません。

何が起こるか先行き不透明だからこそ、最低限の準備を行いスモールスタートし、市場のフィードバックを得ながら迅速な意思決定により改善を繰り返すアジャイルな進め方が求められます。

書籍『新規事業開発マネジメント』でも、「不確実性が高く、既存事業とは異なる知見や能力が必要になる新規事業開発では、実践・実戦を通じた修羅場を経験することでしか見えないものや得られないものが非常に多く存在する」と指摘されています。

【仮説検証を高速化するためのチェックリスト】

  • ■ 最初の検証に必要な最小限のプロトタイプ(MVP)を定義できているか
  • ■ 検証の成功基準(KPI)を事前に設定しているか
  • ■ 検証結果に基づいてピボットする判断基準を経営層と合意しているか
  • ■ 検証に必要な予算が既存事業の業績に左右されず確保されているか
  • ■ 仮説検証サイクルを月単位(可能なら週単位)で回せる体制か

「インキュベーション戦略」で全社方針と整合させる

書籍『新規事業開発マネジメント』では、新規事業開発の方針策定を「インキュベーション戦略」として7つのSTEPで体系化しています。

  1. 全社ビジョンの明確化:企業としてどこへ向かうのかを示す
  2. 新規事業の意義の明示:なぜ今、新規事業に取り組むかを明確にする
  3. 投資原資の確保:既存事業と独立した予算枠を設ける
  4. テーマ・領域の定義:取り組む領域に一定の制約を設ける
  5. 目標と時間軸の設定:いつまでに、どの程度の規模を目指すか
  6. アプローチの検討:誰が、どのように開発するか
  7. ポートフォリオ設計:何に対して、いくら投資するか

書籍では「この7つのステップを明確にし、経営層がストーリーとして語り続けることが、新規事業開発全体の方針や戦略を共有し、浸透させていく上で重要」と述べられています。逆に「もしこれが曖昧であるか、明確に策定されていても経営層のコミットメントや社内への発信が弱い場合」には、経営層と実際に新規事業に取り組むチームとの間に大きな乖離が生まれてしまいます。

PwCの調査でも、成功企業は全ての施策において挑戦企業よりも対応が進んでおり、特に「全社戦略の打ち手として位置付けたうえでの新規事業推進」において大きな差があると報告されています。


よくある失敗パターンと回避策

失敗パターン①|「テーマなし」で始めてしまう

書籍『新規事業開発マネジメント』では、「何でもよいので自由にアイデアを発想してほしい」という号令から優れた新規事業が生まれた事例はほとんどないと指摘されています。「人間というのは、制約や条件が何もないと逆にアイデアが出にくくなり、仮にアイデアが出てもそこから良いものに絞り込んだり、優先順位をつけたりすることが難しくなってしまう」のです。

【回避策】 テーマや領域、活用する経営資源などの制約条件を先に設定した上でアイデアを募集する。同書では、社内公募プログラムにおいても具体的なテーマを設定するだけで、応募されるアイデアの質と量が向上するケースが多いとされています。

失敗パターン②|成長市場の「表面」だけを見て飛びつく

成長市場であっても、自社の経営資源との親和性がなければ、後発参入の一つとして埋没するリスクがあります。

【回避策】 市場の成長性だけでなく、「なぜ自社がやるのか」「自社のどのアセットが競争優位になるのか」を言語化できることを参入判断の前提条件とする。

失敗パターン③|既存事業の論理で新規事業を評価してしまう

新規事業とは既存事業の中に答えがないから新規事業となり得るのです。思考と行動が既存事業に縛られないように、評価も切り離す必要があります。

【回避策】 新規事業には独自の評価基準とタイムラインを設定し、既存事業のROI基準とは分離して運用する。フェーズに応じた適切な不確実性の許容が不可欠です。

失敗パターン④|検証せずに「計画」を磨き続ける

以前までは、事業企画のビジネスプランニングで終わってしまうケースが多く見受けられました。大企業では特に、完璧な計画を求めるあまり、市場での実証を先送りにしてしまう傾向があります。

【回避策】 計画書の完成度よりも、仮説検証の回数を重視する。スモールスタートで素早く市場の反応を確かめ、得られたフィードバックをもとにプランを修正していくアプローチが有効です。


外部パートナーの選定で押さえるべき4つの観点

大企業の新規事業開発において、自社リソースだけで完結させることが難しい場合は少なくありません。コーポレート部門は多くのナレッジを外部調達して新規事業を成功へ導いている傾向があるという調査結果もあります。

外部パートナーを検討する際は、以下の4つの観点で自社のフェーズや課題に合った選定を行うことが重要です。

観点 確認すべきポイント
専門領域のフィット 自社が求めるフェーズ(0→1 / 1→10 / 10→100)に実績があるか
実行力の有無 戦略策定だけでなく、プロダクト開発やマーケティング等の実行まで伴走できるか
当事者意識 コンサルティングの「助言者」ではなく、事業の成否にコミットするパートナーか
柔軟性 不確実性の高い状況でも、方針変更や仮説の修正に柔軟に対応できるか

「技術や顧客といった資産はあるが、事業立ち上げの経験者が少ない」と語る大企業は多いのが実情です。社内に不足するケイパビリティを外部から補完する際は、「発注先」ではなく「事業を共に創るパートナー」として協働できるかどうかが、成果を左右する重要な基準になります。

なお、事業共創カンパニーRelicは、新規事業開発における「0→1」「1→10」「10→100」の全フェーズに対応した伴走体制を構築し、ビジネス×テクノロジー×クリエイティブの一体型チーム(BTC組織)で新規事業の具現化に取り組んでいます。大企業〜スタートアップまで5,000社以上の新規事業に携わってきた知見を体系化し、北嶋貴朗CEO(Founder)が自らの経験を著した『イノベーションの再現性を高める新規事業開発マネジメント』(4万部突破)では、本記事で紹介したインキュベーション戦略や4×4マトリクスを含む実践的なフレームワークが詳しく解説されています。

「自社にとっての狙い目」を見極め、事業として形にしていく過程で、こうした外部のナレッジやフレームワークを活用することも、選択肢の一つとして検討に値するのではないでしょうか。


まとめ ── 狙い目は「探す」だけでなく「創る」もの

新規事業の狙い目は、成長市場の一覧表から選ぶだけでは見つかりません。自社の経営資源を深く理解し、顧客の未充足ニーズと外部環境の変化を掛け合わせ、仮説検証を通じて磨き上げていく ── その一連のプロセスこそが「狙い目を創る」行為そのものです。

マッキンゼーのグローバル調査によれば、世界のCEOの62%が新規事業の構築を自社の3大優先課題の一つに位置付けており、その傾向は年々高まっています。新規事業開発は経営の最前線に位置する挑戦です。

本記事でご紹介した判断軸やフレームワークが、読者の皆様にとって「次の一手」を考えるきっかけになれば幸いです。新規事業開発という勇敢なる挑戦が、一つでも多く形になることを願っています。

会社概要資料をダウンロード

新規事業の狙い目を見極め、事業として形にするプロセスにおいて、社内だけでは補いきれない知見や実行力が必要になる場面があるかもしれません。事業共創カンパニーRelicの会社概要資料では、新規事業開発に特化したプロフェッショナル組織の全体像をご覧いただけます。情報収集の一環としてお役立てください。

この資料で分かること

  • Relicが提供する「事業プロデュース」「インキュベーションテック」「オープンイノベーション」三位一体の事業共創モデル
  • 5,000社以上の新規事業開発で体系化された、フェーズ別の伴走アプローチ
  • 出島共創スキーム「DUALii」をはじめとする、大企業の制約を乗り越えるための独自スキーム

こんな方におすすめ

  • 新規事業の領域選定から仮説検証、事業化まで一気通貫で相談できるパートナーを探している方
  • 戦略だけでなく、プロダクト開発やマーケティングを含む実行力を重視している方
  • 来期の事業計画策定に向けて、新規事業開発の外部パートナーの情報を整理しておきたい方

会社概要資料をダウンロード(リンク)

>> 会社概要資料をダウンロード(無料)


参考文献

Web:PwCコンサルティング合同会社『新規事業開発の取り組みに関する実態調査2025年』(2025年)

Web:アビームコンサルティング『「新規事業取り組み実態調査」から見えた新規事業の成功と失敗を分けるもの』(2023年)

Web:ダイヤモンド・オンライン『日本企業の新規事業は93%が失敗、「なぜうまく行かないのか?」に対する現状打破の第一歩とは』(2024年)

Web:科学技術・学術政策研究所(NISTEP)『全国イノベーション調査2022年調査統計報告』(2023年)

Web:michinaru株式会社『大企業の新規事業 立ち上げ初年度に関する実態調査(2023)』(2023年)

Web:HP Tech&Device TV『【2025年予測】生成AI日本市場規模と成長分野』(2025年)

Web:内閣府『10.国内外の再生医療の周辺産業の将来市場規模予測』

Web:ストックマーク株式会社『新規事業で狙い目の事業の探し方とは?』(2025年)

Web:才流『新規事業の「狙い目」を見つけるためのフレームワークとその使い方』(2025年)

Web:Research Nester Japan『2025年以降に注目すべき日本の急成長産業15選』(2025年)