
Case #
生成AIで“構想”だけに終わらせない──AI Transformation部が描く「価値あるAI実装」
生成AI/LLMなどの先端技術の進化は、今まさに事業開発の在り方を大きく変えようとしています。戦略コンサルでの経験や事業開発の実務を積んできた方であれば、その可能性と同時に、現場で直面する「構想止まり」の課題感を強く感じているのではないでしょうか。
AI Transformation部は、そんな課題を解消し、先端技術を価値ある事業に昇華するために生まれました。立ち上げから間もない今は、これから本格的に組織を拡大し、事業領域を広げていくフェーズ。これからRelic全体の総合力を活かしたAI活用を前提とした事業開発プロセスの再定義や、BizDevハイブリッド人材育成など、他社にはない新たな強みを次々と実装していきます。だからこそ、一人ひとりの意見や挑戦が組織の文化や方向性を直接つくっていける醍醐味があります。
この記事では、AI Transformation部がどのようにBizとDevの融合で課題を突破し、企業の生成AI/LLMの導入や新規事業立ち上げを加速させているのか、その具体的な事例やメンバーの視点をお届けします。読み進めれば、AI時代の事業開発の“勝ち筋”が見えてくるはずです。

本田 佳久 | 部長
東京工業大学大学院修了。日本電気でIoT・AI新規事業開発、大手小売でデータ利活用サービス企画を経験。コンサルで製造・金融業界の新規事業支援を担当し、2024年Relic入社。アイデア創出~事業計画策定・KPI設計・プロトタイプまで一気通貫で推進する実行力を武器に、AI領域の事業共創を牽引。
熊田 寛 | AIリードエンジニア
AWSを中心としたインフラ設計・構築・運用に従事。2021年Relic入社、SREとして信頼性向上やセキュリティ標準化を推進し、AWSアライアンスリードも務める。自社・関連会社で生成AIのPoCや導入をリード。『Amazon Bedrock 生成AIアプリ開発入門』共著。2025 Japan AWS Top Engineers選出。
なぜRelicに“AI専門組織”が必要だったのか
新規事業支援のリーディングカンパニーであるRelicは、多くの業界で事業共創を手掛けてきました。近年、生成AI/LLM活用に意欲を見せる企業は増加していますが、「ユースケース選定」や「実現性の検証」で足踏みするケースも多いのが現実です。
「せっかくの構想があっても、需要や技術的妥当性を見極められず立ち消えてしまうことが多い」と本田(AI Transformation部 部長)は語ります。この課題を解消するため、Biz(事業開発)とDev(開発)を同じ組織に置き、構想から検証・実装までをスピーディかつ一気通貫で伴走するAI Transformation部が誕生しました。単なる技術集団ではなく「事業の実装力」を強化し、Relicの掲げる「イノベーションの民主化」をAI領域で具現化しています。

本田は、事業会社とコンサルの両方で新規事業に携わる中で「事業構想は描けても、実装に至るまでの道筋を示せる組織は少ない」という課題を痛感しました。その壁を越えられる環境を求めてRelicに参画。「構想から出口まで伴走できるケイパビリティを持ち、かつBizとDevが融合して動けるRelicなら、本当に価値あるAI実装ができる」と感じたのが入社の決め手です。
BizとDevの“ニコイチ体制”が生む、圧倒的な実行力
「BizとDevが別組織だと、企画の意図が正しく伝わらず、検証が空回りすることが多い」と熊田は言います。
AI Transformation部では、立ち上げの初期段階からBizとDevが文字通り“机を並べて”動きます。課題抽出のワークショップと、技術検証のPoC設計が同じ会議室で同時進行し、Bizが発見した顧客課題や市場ニーズを即座にDevに共有。Devはその場で技術的な実現可否やアプローチ案を提示し、場合によっては数日以内にプロトタイプを構築します。こうした密な連携により、従来なら数カ月を要した検証を数週間に短縮し、ビジネス価値と技術実現性をスピーディかつ精緻に見極められます。
さらに、AI Transformation部の支援プロセスは「課題探索→アイデア創出→技術検証→事業計画→実装→拡大」という全フェーズを網羅しています。各ステップでは必要に応じて社内のマーケティングやクリエイティブチームとも連携し、ターゲット市場への訴求力やUI/UXの磨き込みまで視野に入れた横断的な動きを実現します。

本田:「Bizが描いた戦略を、その場でDevが技術的に裏付ける。この往復を短いサイクルで何度も回せるからこそ、机上の空論で終わらず、実装まで一直線に進めるのがRelicの支援です。」
実例:生成AI導入・新市場開拓支援──BizとDev融合の最短ルート
ラボ型支援で検証プロセスを従来から大幅に短縮
ある大手調査会社を支援した際には、Bizチームが部門横断での丁寧かつ広範なヒアリングを通じて潜在課題やユースケースの候補を洗い出し、その場でDevチームが試作方針を固め、すぐにプロトタイプを構築しました。現場でのトライアルを何度も重ねながら、機能検証だけでなく業務負荷削減効果やROI予測も並行して実施。この“リアルタイム連携”により、検証プロセスを従来のプロセスに比べて大幅に短縮し、早期の経営判断を可能にしました。
現場ヒアリングからパートナー開拓と同時並行で検証
また、ある大手電機メーカーの見守りサービス開発支援では、Bizが現場となる施設へのヒアリングや販売パートナー開拓を進め、Devは実環境に適した姿勢検知アルゴリズムを開発し、精度検証を何度も繰り返しました。市場性と技術性を同時に磨き込み、わずか3カ月で事業計画策定まで到達。BizとDevが隣り合って動くRelicならではのスピード感と実行力が際立つ事例です。
その他の支援事例
さらにAI Transformation部では、製造業における生成AI事業の探索、情報通信業におけるAI基盤を活用した事業検証、など、多岐にわたる支援を行っています。業種や課題に応じて最適なAI技術を選定し、短期間でPoCから本番運用まで進められるのは、BizとDevが一体となって動く組織体制があるからこそです。
Relicだからこそできる価値提供
多くの企業ではBizとDevが分断され、情報共有や意思決定が遅れます。新規事業やAI導入では、この遅れが競争力低下に直結します。
本田:「BizとDevが一体だからこそ、深い技術検証と迅速な意思決定ができます。しかも、その意思決定は現場の温度感や顧客のリアルな声に根ざしたもので、机上の戦略だけでは生み出せない納得感があります。だからこそ、スピードと質を両立できるんです。」
Relicは、BTC(Business・Technology・Creative)組織としての強みを核に、Businessでは市場分析やビジネスモデル設計を、Technologyでは最新技術の検証・実装を、CreativeではUI/UXやブランド設計を通じた顧客体験の最大化を担います。これらを組み合わせ、課題探索から事業アイデア創出、技術検証、事業計画、実装、拡大までのあらゆるフェーズに伴走します。単に各工程を支援するだけでなく、それぞれの段階で市場性や競合環境、ユーザー視点を緻密に織り込み、事業の完成度を磨き上げます。
さらに、多様な出口設計(共同事業体、社内事業化、JV設立など)を立ち上げ時から見据え、最適なゴールと道筋を戦略的に設計します。これらの軸を有機的に掛け合わせることで、構想を着実に形にし、持続的に成長する事業へと育て上げ、最終的に企業価値を最大化することが可能です。
これからのAI Transformation部
AI Transformation部は、これからさらにRelic全体の総合力を活かし、AI事業開発の“標準”をつくっていきます。
これまでRelicが培ってきた課題探索〜事業化〜出口設計までの一連のプロセスに、AI導入に最適化された手法──たとえばPoCの超高速化やAIネイティブな業務プロセスへの変革──を組み込み、他では真似できないスピードと精度で事業化を進めていきます。業界やテーマを横断して積み上げたユースケースをデータベース化し、より短期間で価値を届けられる仕組みに磨き上げていく予定です。
さらに、今後はBizとDevそれぞれの知見をクロストレーニングする仕組みも強化します。Bizもノーコードやローコード、AIツールに触れ、Devも事業計画や収益モデルを描けるようになる──そんな“二刀流”のハイブリッド人材が次々と生まれる拠点になっていきたいと考えています。プロジェクトごとに柔軟に動けるこの体制は、部だけでなくRelic全体の可能性も広げていくはずです。
あなたの挑戦が未来を変える──求める人物像と応募のご案内
AI Transformation事業部は、新しい技術やトレンドにワクワクし、その可能性をビジネスとして形にする挑戦を楽しめる方をお待ちしています。

熊田:「技術が好きで、新しい挑戦を仲間と一緒に楽しみたいと思っています。しかも、その挑戦が誰かの役に立ち、事業として世の中に根付いていく過程を間近で見られるのは本当に面白いと感じます。だからこそ、この環境で働く価値があると考えています。」
生成AI/LLMといった先端分野に関心があり、これまでの戦略設計や事業開発経験を活かして、新しい市場を一緒に切り拓きたい方にはぴったりの場所です。急成長するAIの世界で学び続ける探究心、BizとDevをつなぐ柔軟な発想、困難さえも面白がる姿勢を大切にしています。あなたの力が未来をつくります。Relic採用ページから、ぜひ飛び込んできてください。
採用情報
<中途>AIイノベーションアーキテクト(マネージャー候補 旧:事業プロデューサー)
https://herp.careers/v1/relic/Bea9kZVMb1XH
<中途>AIイノベーションアーキテクト(メンバー 旧:事業プロデューサー)
https://herp.careers/v1/relic/1jLaat4Pnkz3

プロジェクト事例

生成AIで“構想”だけに終わらせない──AI Transformation部が描く「価値あるAI実装」

“事業共創の最前線”で、生の打席に立つ──インキュベーションパートナー事業部で働くとは?

“戦略から事業化まで”を自ら設計し、支援できる場所──ストラテジックイノベーション事業部だからできること。

SaaS型クラウドファンディングプラットフォームENjiNE担当者が語る、クラファンの現在地とENjiNEチームの魅力

ゼロから千の大義ある事業と大志ある起業家・事業家を創出する「ZERO1000Ventures」

得られるのは圧倒的な事業の“手触り感”。DUALiiによるクライアントとの多様な事業共創

事業立ち上げをもっとスムーズに。サービス開発の概念を覆すDigital Innovation Studio