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事業目線でコミット、3ヶ月でサービス立ち上げ、継続成長を実現中の美容師向けスキマバイトサービス「WORKSPOT」

2025/4/24

美容業界の人材確保の課題に着目し、株式会社グラム(以下、グラム社)は新規事業として、美容師向けスキマバイトサービス「WORKSPOT」を3ヶ月という短い期間で立ち上げました。Relicはその開発パートナーとして支援を行っています。本記事では、サービスの誕生背景からスピーディな開発過程、そして今後の展望までをご紹介します。また、同社はAWSを活用することで、事業開発のスピードとスケールを最大化させています。併せてAWSを活用する理由も伺いました。

<インタビュイー>
株式会社グラム CTO 元 鏞勳 様(以下、ヨンさん) 

<インタビュアー>
Relic プロダクトイノベーション事業本部 プロダクトディスカバリー事業部 山口 裕也

■お客様の課題

  • 社会的な「スキマバイト需要」の顕在化により、短期間でのサービス立ち上げが必要に
  • 新規事業に割く人員リソースが不足、立ち上げ負担を抑えたい
  • 事業視点を持つ開発パートナーが欲しい

■解決したこと

  • 3ヶ月以内でのMVP開発・リリースを実現
  • 事業視点を持つ開発支援でスムーズに推進
  • Relicの伴走型支援で負担を軽減し事業成長を加速

Q. Gramn社の事業概要を教えてください。

ヨン:

当社は、「自信満々に生きる人を増やす」というミッションを掲げ、個人の自信と幸福感の向上を目指しています。 メンバー全員が担当範囲のプロフェッショナルとして主体的に取り組む「自走型組織」を目指しており、常に本質に向き合い、挑戦し続ける姿勢を大切にしています。

 ​主な事業として、美容師さんとサロン様をつなぐ”LINE完結型”人材マッチングサービス「WORKCANVAS」を提供し、美容業界への価値提供に取り組んでいます。

Q.新規事業「WORKSPOT」が生まれたきっかけや背景を教えてください。

ヨン:

美容業界では、人材確保が常に大きな課題となっています。これまでも弊社は採用支援サービスを通じてアプローチしてきましたが、「もっとタイムリーに即戦力となる働き方を提供できないか?」という想いを持ち続けていました。

そこで着目したのがスポットワークという新しい選択肢です。美容業界は予約状況により、人員ニーズが変動します。一方、働き手にとっても「空いた時間に働きたい」というニーズが高まっていることは世の中の動向を見ても明白でした。こうした状況を受け、スポットワークのマッチングサービスが、業界にとって大きな価値をお届けできると確信しました。

また、スポットワークマッチングの会社様の大型上場などをきっかけに、スポットワーク市場全体が加速度的に認知され、拡大しているのを目の当たりにし、美容業界にもこの流れが確実に訪れると実感しました。「まさに今が最適なタイミング」と判断し、「WORKSPOT」の立ち上げを決意しました。

Q.サービス提供開始に向けて、どのような課題がありましたか?

ヨン:

「WORKSPOT」の立ち上げにあたり、最大の課題は圧倒的なスピード感でした。チームの立ち上げから、サービスの要件定義・開発・インフラ構築・リリースまでを3ヶ月以内に完了させる必要があり、極めてタイトなスケジュールが求められました。

また、提供すべき体験が明確だった分、MVP(Minimum Viable Product)の要件も膨らみ、単なる最低限のプロダクトではなく、ユーザーにとって価値あるものを短期間で実現しなければなりませんでした。そのため、全員が高い目標に向かい、限られた時間の中で最大限の成果を出すことが求められました。

この挑戦において、Relic様と弊社の混合チーム体制が大きな強みとなりました。企画・開発・インフラ構築・デザインなどを両社の強みを活かしながら分担し、特にRelic様にはPM業務だけでなく、アプリケーション設計や品質管理まで担っていただいたことで、明確な役割分担のもと集中して開発を進めることができました。

結果として、当初のリリース時期から大きな遅延なく、予定通りサービスを提供開始することができました。このスピード感での立ち上げは、チームの強固な連携と、適切なリソース配分の賜物だったと考えています。

Q.なぜRelicをパートナーに選んだのでしょうか?

ヨン:

当初、個人の副業メンバーを集めることも検討しました。しかし、短期的なサービス立ち上げにとどまらず、中長期的に事業を成長させるには継続的なコミットメントが不可欠であると判断し、企業をパートナーに迎えることを決めました。

その上で、私たちが求めたのは、単なる開発支援ではなく、事業の視点を持って共に新規事業を創り上げていくパートナーでした。新規事業の成功には、”開発” や “デザイン” といった機能単位での発注だけでなく、「立ち上げからグロースまで一気通貫で伴走できる存在」が不可欠です。

そこで、代表の徳永とのご縁もあり、Relic様にお願いすることを決断しました。Relic様は、単なる開発会社ではなく、新規事業の立ち上げ・成長を本質的に支援されている企業様であり、私たちが求めていた「事業視点を持った開発パートナー」そのものでした。そのため、迷うことなくお声がけし、共に「WORKSPOT」の実現に向けて歩みを進めることができました。

Q.開発をご一緒する中で感じた「Relicの特徴」を教えてください。

ヨン:

Relic様と開発をご一緒する中で特に印象的だったのは、単なる開発支援にとどまらず、事業やプロダクトを深く理解し、私たちと同じ視点で取り組んでくださる姿勢でした。システムの品質向上はもちろんのこと、常に顧客目線に立った提案が多く、チーム全体でサービスの価値を高めることに注力できたのは大きな強みだと感じています。

また、事業やプロダクトの視点をしっかり共有していただいたからこそ、スピード感が求められる場面でも柔軟かつ的確に対応し、期待以上の成果を出してくださる点も非常に頼もしいポイントでした。

さらに、Relic様は「外部の開発パートナー」ではなく、まるで社員のような感覚で日々の開発やサービス運用を共に進めてくださるため、Gramn社としては新たに大規模な開発チームを立ち上げる負担をかけずに、サービスの拡張と事業の成長に集中できるというメリットも大きかったです。

このように、Relic様との協業は単なる開発の枠を超え、事業の成功を共に目指す「本質的なパートナーシップ」そのものでした。

Q.開発に際しAWSを導入されています。AWSを活用する良さはどのようなところにありますか?

ヨン:

既存事業で培ったノウハウを活かし、AWSを活用することで、新規事業の立ち上げを驚くほどスピーディーに実現できました。特に、Terraformの初導入やLLMの活用によって、インフラ構築を効率化し、最速でのサービスローンチを達成できたことは大きな成果です。

また、AWSが長年築き上げてきた充実したコミュニティは、LLMの学習データとしても価値が高く、インフラ構築をよりスムーズに進める後押しとなりました。

さらに、WORKSPOTはその特性上、レバレッジをかけやすいサービスであり、柔軟にスケールできるインフラの確保が不可欠です。その点、AWSの豊富な機能と弊社が積み上げてきた知見を組み合わせることで、事業拡大に向けたインフラリソースの確保にも大きな安心感を持っています。

Q.「WORKSPOT」の今後の展望は?

ヨン:

今後の展望として、利用者数の増加はもちろん重要ですが、私たちが最も大切にしたいのは、「なくてはならないサービス」をつくることです。

ワーカーの皆様にとって、「一度使ったら、また使いたくなる」ような体験を提供することで、美容業界で働く新しい可能性を感じていただきたいと考えています。例えば、すでに美容業界で働かれている方が、より自分らしい働き方を見つける手段として活用できること。そして、ライフステージの変化などにより働く選択肢を持てなかった方々にも、美容業界での新たなキャリアの扉を開くきっかけを提供できるサービスにしていきたいと思っています。

また、企業様にとっても、「WORKSPOTがあるからこそ、事業を拡大できる」と感じていただけるような、成長を後押しできるサービスへと進化させていきたいと考えています。

最終的には、「WORKSPOT」が美容業界の活性化に貢献し、この業界の魅力をさらに高めていく一助になることを目指しています。

インタビューにご協力いただいた企業

株式会社グラム

サイト:https://gramn.com/
WORKSPOTサービスサイト:https://spot-workcanvas.com/