1年弱で1.5億円のシード調達に至った事例も。 最新のアイデアリストを作成し、起業家候補に質の高い課題を発見するきっかけを提供

2022/12/8

はじめにベンチャー・ビルダーという取り組みについて教えてください。

外部の起業家候補と我々で事業を0から作り、IPO等の大きな成長を目指す取り組みを同時多発的に進めています。
アイデア探索や事業検証、プロダクト開発を支援することで、起業家候補が思いっきり挑戦できる環境と武器を提供。
起業家とともにスタートアップを立ち上げ、投資し、スタートアップがEXITすることでファイナンシャルリターンをえるビジネスモデルになっています。

共同創業者兼投資家のような位置付けだと考えています。

どのような背景でIDEATION Cloudを利用されたのでしょうか?

Relicさんに依頼した当初は「IDEATION Cloud」という商品はありませんでした。
我々は事業アイデアを考える際に、規模が大きく顕在化している課題を見つけることをスタートラインとしています。
その要件を満たす課題を見つけることは簡単ではありませんが、一つのアプローチとして、国内外の有望なスタートアップのサービスが対象としている課題に着眼するという方法をとっていました。
例えば、アメリカでVCが一定の評価をして資金を投じているということは、少なくともその事業はアメリカのマーケットにおいては確かに存在する課題を対象としていると考えリサーチをしています。
世界中で次々に生じる資金調達事例を網羅的に見ていくためにRelicさんにこの調査をお願いをし始めました。

具体的な取り組み内容を教えてください。

まずはRelicさんとディスカッションを重ね、自社にあったスタートアップの抽出条件と、抽出したスタートアップに対する評価基準を設定しました。これらは実行を通じてブラッシュアップを続けています。
そして、一定期間ごとに新たに生じた世界中の資金調達事例を網羅的に確認し、その中で抽出条件に合う企業を数十件ほど抽出。
それらの事業の課題やソリューションを言語化したうえで、弊社独自の評価基準にそって事業性を採点してもらっています。

そして我々も交えてデライト・ベンチャーズのスタイルや投資基準との適合性を議論し、起業家候補に参照を勧める度合いや観点を整理していきます。
さらにそれらを整理してアイデアリストのような形にまとめ、起業家候補の方に紹介し、課題を見つけるためのヒントとして活用いただいています。
結果的に、現段階ではそれなりに課題があってデライト・ベンチャーズの中で事業検証ができる可能性があるものが累計数百件ほどまとまりました。

単純にデータを取ってくるだけだと大量の事業事例数になってしまうので、それを様々な確度で評価して絞り込み、事業性を言語化・評価する作業は膨大な時間がかかるものです。Relicさんにサポートいただき、助かっています。
事業リーダーとしての能力が高い起業家候補の方でも、起業したいが具体的な事業アイデアがないという場合は多く、何がやりたいかを引き出してあげることも我々の仕事だと思っています。
そこに起業家候補の方の経験や思考と具体的な事業案候補がマッチすれば、事業検討がスムーズに進むこともあり、インスピレーションのネタとして非常に有用ですね。

どのような成果が出ていますか?

多くの起業家候補の方々にリストを見ていただいており、アイデアリストを起点に複数の事業検証が行われています。
中でも、immedioというセールステック系の事業は、起業家候補が感じていた課題感やバックグラウンドとマッチするプロダクトがアイデアリストに記載されていたため、
そちらをヒントに検討を進め、結果1年弱で外部も含めた1.5億円規模のシード調達を実現しスピンアウトしています。

今後、IDEATION Cloudにどのようなことを期待されますか?

immedioの ような事例を、もっとたくさん出していきたいですね。
ユニコーンクラスのスタートアップ創出に向けて、自社が投資したいような案件をより精度高く抽出する条件や評価・判断の方法を一緒に磨いていきたい。
課題起点であることや、課題の発生頻度や課題を抱える対象のボリューム、課題の深さ等をより高い制度で擦り合わせることができるようにしていきたいです。

たとえば、SmartHRが出てくる前にIDEATION Cloudを活用していたら、海外でも似たようなスタートアップが見つかっていたのではないでしょうか。
そのようなプロダクトを見つけて、他の人よりも早く取り組んで、いいソリューションに磨き上げて市場に投入していくことでユニコーンクラスのスタートアップを作っていきたいと考えています。