2023.11.20

クラウドファンディングを実施した場合の確定申告について

クラウドファンディングを実施した場合の確定申告について

クラウドファンディングを実施したときもタイプによって確定申告が必要だということはご存知でしたか?

今回は、確定申告について解説していきたいと思います。

まずクラウドファンディングは出資者側として行うか、資金調達側として行うかによって適応される税法が異なります。また、クラウドファンディングの分類ごとによっても異なるため、どのタイプのクラウドファンディングをどういった立場で行うかによって確定申告が必要かどうかも変わってきます。
それでは、クラウドファンディングの分類ごとに、確定申告並びに関連税法について述べていきます。

購入型クラウドファンディングに確定申告は必要?

購入型クラウドファンディングは、商品やサービスの購入と変わらないとみなされるので、個人で支援を行う場合は確定申告の必要はありません。出資側が法人の場合は法人税の対象となり、個人の場合は、所得税の対象となります。ただ、支援者が法人で、購入した商品が事業に必要となる場合は、経費として費用を計上することが出来ます。
弊社が運営しているENjiNEも購入型クラウドファンディングに分類されます

寄付型クラウドファンディングに確定申告は必要?

寄付型のクラウドファンディングは出資側・資金調達側が個人か法人かによって適応される税法が異なり、少し複雑です。主体を分類しながら見ていきましょう。

まずは出資者が個人のケースを見てみましょう。

個人が個人に出資する場合は、出資者側に課税はなく、寄付控除金などの税制優遇なども特にありません。ただ、確定申告により税金が返還される寄附金控除という制度は適応されないので気をつけましょう。
寄附金控除とは、個人や企業が国や地方公共団体や特定公益増進法人などに対し、寄附金を支出した場合(ふるさと納税など)には、所得控除を受けることが可能なシステムです。しかしクラウドファンディングは本制度に該当せず、所得控除の対象外ということになります。
逆に、資金調達側の個人は、調達額が110万円を超える場合には贈与税が課せられます
また、個人が法人へ出資する場合も、上記同様出資者側に課税はなく、寄付控除金などの税制優遇などは特にありません。一方、資金調達者の法人には、法人税法が適用されます。ただし、被災地への義援金など、特定寄附金として認められるケースに限って税金が減額される場合があります。

次に、出資者側が法人のケースです。

出資側が法人、資金調達側が個人の場合、出資側の法人においては、寄附金は税務上の費用として計上可能な範囲内で必要経費と認められ、税金は発生しません。しかし資金調達側の個人は一時所得として所得税が課せられます。
出資側、資金調達側ともに法人のケースでは出資側は上記と同様、税金は発生しません。一方、資金調達側の法人には法人税が適用されます。寄付金を受け取るということは受贈益として利益が増えるということとなり、税務上の利益が増えるため、法人税の対象となるということです。

金融型クラウドファンディングに確定申告は必要?

資金提供者が個人でも法人でも、出資の段階では税金はかかりませんが、事業によって利益が発生し、分配金が生じた場合は雑所得として課税の対象となります。
分配金は手数料や源泉徴収税が差し引かれた金額となり、給与所得及び退職所得以外の所得と合わせて20万円以上の金額の場合は、確定申告をする必要があります。逆に、20万円以下の場合は、還付申告により返済を受けることも可能ですので、注意しましょう。
一方、資金提供側が事業により利益を生じた場合は、法人税の対象となり、個人の場合は、所得税の対象となります。


さて、今回はクラウドファンディングを実施した場合の確定申告について述べてきました。
クラウドファンディングを活用するケースの中心となるのは、個人が出資者側になるパターンだと考えられますが、確定申告の観点から注意するべきなのは金銭的なリターンのある金融型クラウドファンディングです。中でも、分配金が20万円以上の場合は、確定申告をする必要がありますので、注意してください。
また、他に留意すべき大きなポイントとして、クラウドファンディングの法整備は現在進められている状況ですので、法整備も変化していくことが予想されるという点があります。
特に、新しい金融商品として位置づけられている投資型クラウドファンディングの法整備は、今後さらに調整されていくことが予想されています。そのため、法整備関連で不明な点が発生した場合は、インターネットなどで情報を集めるだけではなく、税務署やクラウドファンディングを専門にする税理士などに問い合わせるというのも一つの方法です。
クラウドファンディングの普及に伴い、どの立場で、どの型を活用して活動を行うかを見極め、法整備を正確に理解した上でクラウドファンディングに参加していくことが求められるでしょう。

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