経済学者シュンペーターが語る「イノベーションの5パターン」とは?定義や企業事例を徹底解説
日本語では革新を意味する「イノベーション」。現在では聞き慣れた言葉となりつつありますが、その元祖と呼ばれるのがシュンペーターです。新規事業に関わっている/興味のある読者のみなさんであれば、一度はその名前を聞いたことがあるかもしれません。その理論は今から100年以上前に提唱されたものであるにも関わらず、現在の市場においても十分に活用できるものとして影響を与え続けています。今回は、主にシュンペーターが提唱する5つのイノベーションについて、具体例と共にご説明していきます。
イノベーションという概念を生み出した “ヨーゼフ・シュンペーター”
ヨーゼフ・シュンペーターは、19世紀後半から20世紀前半を生きた、(当時の)オーストリア・ハンガリー帝国出身の経済学者です。のちにアメリカでも活躍し、「イノベーション」という概念を生み出しました。彼の代表的な著書『経済発展の理論』によれば、イノベーションとは「価値の創出方法を変革して、その領域に革命をもたらすことである」とあります。技術革新に限らず、社会に新たな価値をもたらす創造は総じてイノベーションであると言えます。シュンペーターはまた、イノベーションこそが資本主義における経済発展を支えると主張し、『経済発展の理論』以外にも世界的に有名な著書を多数出版しています。
コロンビア大学・ボン大学・ハーバード大学にて教授をつとめたり、オーストリア共和国の財務大臣をつとめたりと生前は精力的な活動をしていました。死後も、シュンペーターのイノベーションに関する理論は、「イノベーションの父」と呼ばれているピーター・ドラッカーや『イノベーションのジレンマ』などで有名なクリステンセン教授にも影響を与えています。他の様々なマーケティング理論も元をたどるとシュンペーターにいきついてしまうほど、影響力のある人物だったのです。ピーター・ドラッカーについて知りたい方は下記の記事をご一読ください。
シュンペーター提唱の経済発展のための「2つの段階」「3つの要素」
シュンペーターは、経済発展には2つの段階があると示しました。
第一段階は、「経済の循環的変化」です。この段階では、経済に起きる変化は、経済自身に委ねられる変化に限定されると説いています。具体的にいうと、人口の増加で食物の生産が増えるなどといった経済変化のことです。
第二段階は、「経済の断続的変化」です。この段階では、新たな技術/手法の導入や創造、これまでにない組み合わせなどを意味する「新結合」が起きるということを、前述の『経済発展の理論』の中で説いています。
この「経済の断続的変化」を起こす上で重要な3要素が「銀行」「企業者」「イノベーション」。まず、銀行は企業者に信用を与えて資金を提供します。その後、企業者はそのお金を元手に生産手段をつくり、イノベーション(新結合)を創造するというものです。
イノベーションが起きる5パターン
第二段階では、イノベーションが創造されますが、それは以下5つのパターンに分類されます。
- 新しい製品/サービスの創出
- 新しい生産方法の導入
- 新しい市場への参入
- 新しい資源の獲得
- 新しい組織の実現
- 1
- 2
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