2023.11.21

今後クラウドファンディングが日本で普及するためにクリアしなければならない課題まとめ

今後クラウドファンディングが日本で普及するためにクリアしなければならない課題まとめ

今回は、今後クラウドファンディングが日本で普及するためにクリアしなければならない課題について述べていきます。

日本ではかつて寄付型や貸付型が主流でしたが、今後は金融型のクラウウドファンディングが拡大する見込みなのは以前お伝えした通りです。

金融型のクラウウドファンディングの拡大を受けて、近年法整備が進んでおり、2014年5月の金融商品取引法改正により、2015年以降には投資家がファンドを仲介せず投資者が事業者の非上場株式を取得することが可能となりました。

しかし、日本におけるクラウドファンディングはまだまだ成長の段階にあります。日本のクラウドファンディングの主要プラットフォームの資金調達の合計額は年間363億円程度で、世界の市場規模が350億ドルですので、約1%にしか過ぎない状態なのです。

金融型のクラウドファンディングも含め、今後どこまで拡大してくかということは未だに不明瞭です。しかし、今後クラウドファンディングがさらに日本で普及していくためには、いくつかクリアしなければならない課題が存在します。今回は、主にプラットフォーム側で対処すべき課題に着目していきます。

クラウドファンディング課題①:案件自体のリスクを低減すること

クラウドファンディングはインターネットを介して資金を集めるという特性を持つため、プラットフォームが悪質な事業者等と取引することにより投資家の資金の持ち逃げや商品を発送しない、などの事案が発生するリスクがあります。この場合投資家の信頼を大きく失い、クラウドファンディングから離れてしまう危険性を孕みます。このリスクを回避するために、各プラットフォームは事業者やプロジェクトを精査し、成功事例を積み重ねる必要があります。また大手企業や地方公共団体と連携するなど、信用力がある企業・公的機関のプロジェクトの実施を行うことで、投資家の安心感を高める必要があります。

クラウドファンディング課題②:投資家への十分な情報提供を実施すること

クラウドファンディングは他の資金調達手段に比べると、プラットフォームに提出する事業計画書などが簡易的なもので良い場合が多く、情報公開が限定的です。その理由としては、気軽に資金調達ん挑戦できるようにしていること、資金調達側には情報開示力のノウハウを持たないスタートアップ企業が多いことが理由としてあげられます。しかし、投資家が投資判断を下すに当たっては正確な情報を提供することが求められます。プラットフォーム側の対策としては、情報提供における違反行為には罰則を科す、などが考えられます。合わせて事業者側も情報提供の必要性を理解し、正確な情報提供に努めるよう努力することが求められます。

クラウドファンディング課題③:情報漏えいのリスクを低減すること

情報漏えいは資金調達側と投資家の両者にリスクがあると言えます。

まず、資金調達側はインターネット上で事業の詳細を公開するため、事業や製品のアイディアが漏えいしてしまうリスクがあります。実際Kickstarterで資金を集めた「自撮り棒付きスマートフォンケース」が、資金を募っている最中に中国企業にアイデアを盗用されてしまった事例がありました。この際はプロジェクト開始から7日という記録的な速さで類似品を大量生産、低価格でネット販売されてしまいました。そのため、知的財産権の保護が必要なものは、プロジェクト開始前に特許を取得するなど、事業者が自ら対策を講じる必要があります。

一方、投資家側には個人情報が漏えいするリスクが存在します。実際にアメリカでは、「顧客情報を悪用し、存在しない製品を売ろうとして責任を問われた例」も存在すると言われており、個人情報漏えいへの対策が加速されるべきだと考えられます。

今回はクラウドファンディングが日本で普及するためにクリアしなければならない課題の中で、主にプラットフォーム側がアクションを取るべきものをまとめてきました。ただ、プラットフォーム側にのみ課題があるわけではなく、投資家側にも資金調達側の事業内容やプロジェクト内容、リスクなどを理解した上での投資が求められます。また、事業者側にも情報開示の活発化などのアクションが求められることをお伝えしてきました。

つまり、今後クラウドファンディングが日本で普及するためには、鍵を握っているプラットフォーム側が主導で対策を行いつつ、事業者側や投資家側も課題を理解し、必要なアクションを取ることが大切だと言えます。

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