2023.11.21

国内の主要な【寄付型】クラウドファンディング比較/まとめ

国内の主要な【寄付型】クラウドファンディング比較/まとめ

これまでの記事では購入型のクラウドファンディングのプラットフォームを見てきました。
本日は寄付型のプラットフォームについて述べていきたいと思います。

寄付型クラウドファンディングは文字通り、寄付を行うクラウドファンディングの形態を指します。
お金を必要としている人・事業主がインターネットを通じて社会性・公益性・福祉性の高いプロジェクトに寄付を募る仕組みです。そのため、寄付に対する見返りは基本的にはありません。

見返りがないため、通常のクラウドファンディングにつきまとうリスクが問題になる可能性は低い一方で、サービスを提供する会社が主導となり、プロジェクトの実現性や正当性を確認し、資金を必要としている個人や団体に寄付がきちんと届き、有効に活用されるかについて精査する必要があります。

日本で寄付型クラウドファンディングが広まったのは、2011年の東日本大震災がきっかけです。
2016年4月に起こった熊本地震でも資金が集まり多くの人に活用されるなど、地震などの災害の復興支援や発展途上国への支援などに幅広く活用されるようになってきています。
他3つのクラウドファンディングの型と比較しても、見返りを求めないために社会貢献度の高い支援方法であり、”人助け”の精神に近い支援方法です。

また、一般的な寄付とは異なって支援金が何に使われているのかが寄付者にフィードバックされるため、使い道の透明性がるある点も特徴です。
そのため、寄付することを目的とする人には、支援者の顔がわかり、透明性も担保される点で最適な支援方法だとも言えます。

国内の主要な寄付型のプラットフォームとして、今回は「JAPANGIVING」と「ふるさとチョイス」という2つを取り上げます。

1. JAPANGIVING

JAPANGIVINGは2010年にサービスを開始した寄付型に特化したクラウドファンディングです。
すでに2,000以上の団体が寄付を受け、累計で17億円以上の支援が実現しています。
プロジェクトの内容は震災で被災した子供達のサポートや被災地における音楽ホールの建設、殺処分の危機に瀕する動物の保護など、どれも社会的貢献度が高い内容が中心です。
寄付を行う仕組みとしては、3つの枠組みが用意されています。
最初は、出資者がプラットフォーム上で自分が支援したいプロジェクトに直接寄付を行う仕組みです。
2つ目は、ファンドレイザー機能と呼ばれ、「チャレンジャー」として個人のチャレンジ内容や目標金額を設定して、そのチャレンジに共感する他者から寄付を募り、集まった資金を自分が支援したいプロジェクトに寄付できるというシステムです。
3つ目は、クラウドファンディング機能で、支援したい特定のプロジェクトに資金を募ることができる仕組みです。
プロジェクトの性質に沿って「都度課金」と「達成課金」のどちらかが選択でき、募集期間や目標金額、もしくは寄付者へのお礼ギフトなどを自由に設定できます。
JAPANGIVINGは2001年にイギリスで設立されたJUSTGIVINGの日本バージョンとしてサービスを開始し、順調に規模を拡大していると言えます。

2. ふるさとチョイス

一方、ふるさとチョイスは、2012年にサービスを開始した寄付型のプラットフォームです。
ふるさと納税のポータルサイト大手の「ふるさとチョイス」の中で取り扱われており、ふるさと納税の派生系の寄付型クラウドファンディングです。
各自治体がプロジェクトのオーナーとなり、多くの人から寄付金を募る方法を採択しており、「ガバメントクラウドファンディング」とも名付けられています。万が一寄付総額が目標額に満たなくてもプロジェクトは成立し、寄付のお礼として地域にゆかりのある「お礼の品」が寄付金額に応じて贈られる事も多くあります。
プロジェクトの内容は多岐にわたり、産経新聞の記事によると、難病の治療・研究支援や犬の殺処分ゼロを目指した保護施設の建設がある一方、地元ゆかりの偉人にちなんだ事業や炭鉱電車の移設・展示-など、地域性あふれたものもあるそうです。各自治体が設定する目標金額は自治体によって様々で、少ないところでは100万円、多いところでは1億1千万円以上を募った自治体もあるそうです。
基本的には地方自治体がプロジェクトオーナーであるため、リスクは非常に抑えられています。現在複数の自治体で導入が進んでいますが、財源不足に悩む自治体における新しい資金調達手段として、今後も利用する自治体は増加していくと考えられます。

今回は国内の寄付型クラウドファンディングの主要なプラットフォームについて述べてきました。
日本では、クラウドファンディングが東日本大震災をきっかけに広く知られたこともあり、購入型や寄付型がクラウドファンディングの中心となっています。
本当に資金が必要な人・プロジェクトに確実で効果的な支援ができるという寄付型のクラウドファンディングの仕組みは、投資型・融資型と並んで、今後とも規模が拡大していくと考えられます。

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