実際に発生したクラウドファンディングの詐欺事件・被害内容

今では多くの人に認知されるようになったクラウドファンディング。さまざまな斬新なアイデアを生み出し、人々に感動を与える優れたプロジェクトが大きく注目を集めています。その一方失敗に陥った事例も数え切れないほど多く、なかには詐欺まがいのプロジェクトも存在します。特に海外では近年そういったプロジェクトが多発しているようです。
では、そうした詐欺まがいのプロジェクトには一体どのようなものがあるのでしょうか?また自分がそのような被害に遭ってしまったらどうすればいいのでしょうか。
今回はクラウドファンディングで起こった詐欺事件についての事例を交えつつ、その対処方法などについても紹介していきます。
Contents
クラウドファンディング詐欺の特徴と手口とは?
まずは、そもそも詐欺まがいのクラウドファンディングの被害に遭わないために、そういったプロジェクトを見分けられるようになる必要があります。
具体的にクラウドファンディング詐欺に共通する特徴や手口などにはどういったものがあるのかを見ていきましょう。
クラウドファンディング詐欺の手口
クラウドファンディング詐欺に遭わないためには、はじめにどのような詐欺が現在存在しているのかを知る必要があるでしょう。ここではその例をいくつかご紹介します。
・リターンの商品が届かない
やはり一番良く見かけるのはこのパターンではないでしょうか。クラウドファンディングという仕組み上、資金が集まってから商品が開発・製造されるプロジェクトも多いため、一概にリターンが届かないからすぐに詐欺であると決めつけるのは尚早な場合もありますが、実際に待てども商品が届かず、そのまま起案者と連絡が取れなくなるという事例も見られます。
・説明と違う商品が届く
これもよくSNSやニュースサイトなどで見かける事例かもしれません。商品が届いたは良いものの、実際にプロジェクトページに記載されていたものとは違う素材で商品が製作されていた、または届いた商品が想定されている動作をしない、などの事例が過去にありました。
例えば、リターンとして予定されていた冊子が情報商材のweb本だったという事件も起こっています。当初はプロジェクト内で出版本とは別に「特別冊子贈呈」をするという特典を掲げていましたが、届いてみるとそれは紙媒体ではなくWeb上の情報商材だったのです。
こうしたいくつかのプロジェクトでは、結果として起案者と連絡が取れなくなってしまったり、商品に問題はないという回答しかもらえず泣き寝入りするしかない、というパターンも存在します。
・プロジェクトが一方的に中止となる
クラウドファンディングの中には目標金額を達成し、一見成功したかのように見えるプロジェクトのはずが起案者の都合で一方的に中止となり、実施されないという例もあります。この場合も返金の義務がないとして、そのまま集まった支援金を起案者側が持ち逃げしてしまうという事例がいくつかありました。
・支援金が事前に説明されていた用途に使われていない
この例が特に多く見られるのは、寄付型のクラウドファンディングです。震災の被災者や、難病の子どもたちの支援などの名目で支援金を募っているプロジェクトは多いですが、実際にその被災者や子どもたちに使われたのかどうか、というところまでは支援者にはわかりません。プロジェクトページの中に活動後の報告などが記載されていた場合でも、実は現地へは旅行で行き、関連のありそうな写真だけ撮ってあたかも支援をしてきたかのような報告をするパターンが過去にありました。
また元々は本当に支援したい、してほしいという気持ちから始めたものの、支援を募っている間に状況が変わってしまい、本当はもう支援が必要なくなってしまったが、お金は欲しいからそのまま集まった支援金は自分の事に使ってしまった、という例もあります。
・投資家からお金を集めたまま、その大部分が返済されないまま終了してしまう
これは主にソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)の例になりますが、クラウドファンディングのプラットフォーム側が資金を集めてから「意図的に経営破綻を行う」などの非常に悪質な手口や、資金調達には成功したものの、その後集めた資金を事前に投資家に説明していた用途以外で使用していたことが、発覚した例もあります。
クラウドファンディング詐欺の事例
ここまでで、クラウドファンディングの詐欺にどのような手口やパターンが存在するのかお分かりいただけたことでしょう。では実際に過去、日本でもそういったクラウドファンディング詐欺は起きたことはあるのでしょうか?以下ではその事例をいくつかご紹介します。
亡くなった飼い犬が生きているように装い、治療費の募集を続行
引用:https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/c8b2a15ed8725c632e84c4d1cfbe531a2c8d2524
この事例はごく最近ニュースになったり、SNSでも話題になっていたので知っている方も多いのではないでしょうか。
プロジェクトの内容は、起案者の家にお迎えしたフラット・コーテッド・レトリバーに先天的な心疾患が見つかったため、さまざまな検査、治療、手術が必要となり、その治療費を募集するというものでした。プロジェクトページには可愛い犬の写真や領収書、検査結果などが掲載され、どうしても満足のいく手術を受けさせてあげたいという訴えが約9,000文字にわたり書かれています。
そのプロジェクトは多くの人の心を打ち、目標金額の85万円は開始からわずか3日間で達成、最終的に1ヵ月半で約185万円もの金額が集まりました。また沢山の支援者が心のこもったメッセージを支援と共に寄せました。
ところが実際には、犬は支援金を募る2ヵ月前に亡くなっており、たまたまプロジェクトを見かけた病院関係者が警察に相談して詐欺であることが発覚し、2022年1月13日に奈良県警によって起案者は逮捕されました。容疑者の女性は、高額になった治療費を取り戻そうとプロジェクトを立ち上げていたということですが、すでに亡くなっている犬を生きていると偽ってお金を集めた時点で詐欺に当たるでしょう。
「絹マスク生産、提供」で募集、でも届いたのは化繊製輸入
引用:https://mainichi.jp/articles/20201004/k00/00m/040/125000c
こちらは毎日新聞に取り上げられた事例ですが、ある業者がクラウドファンディングサイトで『アイスシルク』の冷感マスクを緊急生産するとうたって全国から5000万円以上を集めました。ところが消費者に届いたのは色も素材も異なる輸入品の化学繊維製マスクでした。
商品を受け取った支援者が慌ててサイトを確認すると、いつの間にか紹介文から「絹」の文字が消えており、返金を求めたものの業者はなかなか応じず、サイトには現在も返金を求める声が寄せられています。
動物愛護のため、不妊去勢手術費用として募った支援金を目的外の用途に利用
引用:https://www.furusato-tax.jp/gcf/306
こちらは和歌山県和歌山市が、ふるさと納税で資金を募る「ガバメントクラウドファンディング」を利用して起きた事例です。
当初和歌山市は犬や猫の殺処分ゼロを目指し、動物愛護管理センターの設備費、犬や猫に不妊去勢手術を行うための資金を集める手段として、2018年5月から12月にかけて支援者を募っていました。結果として、目標額を大幅に超える約2,457万円が1,464人の支援者たちから集まり、市に直接届いた寄付金も合わせると合計約2,790万と大成功を収めました。
和歌山市側は集まった約2,790万円の寄付金は使い切ったと説明していましたが、後日使い切ったはずの寄付金は、実際には約1,370万円が残っていたと発表されました。またその後の市の厚生委員会では、寄付金の一部が「印刷製本費」、「自動車保険料」や「賃借料」などに使われているとの指摘が入り、さらに2019年度の不妊去勢手術はわずか猫8匹であったことなどが判明したのです。
もしこの残っていた支援金が適切な用途に使われていたとしても、人々の善意から集められた支援金の管理があまりにずさんだったと言わざるを得ません。
ソーシャルレンディング「みんなのクレジット」の事例
引用:https://www.tsr-net.co.jp/data/index.html
最後にご紹介するのは、融資型クラウドファンディングでの事例です。
当初、みんなのクレジットは資金を募るにあたり、キャッシュバックキャンペーンや高金利(14.5%)で投資家の注目を集め、わずか1年たらずの間に集めた資金は40億円を超えるものとなりました。
ところが、同社は2017年に金融庁と東京都から2度の行政処分を受けることとなります。金融庁によると、みんなのクレジットでは本来不動産ローンなどの匿名組合ファンドに対して、投資家から集めた資金を投資するはずの仕組みでしたが、実際には殆どがみんなのクレジットのグループ会社への出資金となっていました。つまりは、投資家に説明した内容の通りには運用されていなかったのです。
またそのグループ会社は2016年5月から11月まで多額の赤字を出し続け、債務超過の状態に陥っていましたが、それを投資家から集めた資金によって救済していたのです。その他、「キャッシュバックキャンペーン」と称して顧客に還元していた現金も、実は投資家から集めた資金を使っていて、自転車操業を行っていました。最終的には創業者の元代表取締役が、集めた資金を自身の借入返済等に充てていたことも発覚するなど、類を見ない杜撰な実態がいくつも明らかになりました。
最終的に投資家への償還は、東京都から行政処分を受けた2017年8月直前の7月分から滞り続け、そのまま債権回収会社に債権譲渡となりましたが、債権回収が殆ど出来なかったことから、投資家への返金は投資額に対して僅か3%ほどだったと報じられています。
海外のクラウドファンディング詐欺の事例
さて、日本での過去の詐欺事例をいくつか上でご覧いただきましたが、海外ではどうでしょうか? 元々クラウドファンディングは海外で導入されて広まった仕組みですので、日本よりもかなり悪質な事例が多々存在するようです。
限定デザイントランプ「Asylum Playing Cards」
引用:https://www.kickstarter.com/projects/213177064/asylum-playing-cards
2012年、世界最大のクラウドファンディングであるKickstarterにてアメリカのAltius Managementが限定デザインのトランプを制作するプロジェクトを開始し、およそ170万円の資金提供を呼びかけました。
およそ800人もの支援者より300万円近くの資金を募ることに成功し、サポーターはトランプが送られるのを待ち望んでいましたが、期日の2012年12月を過ぎても出資者のもとにトランプが送られることはなく、翌年以降 Altiusとは音信不通状態になってしまったのです。
約束した商品を届けていないとして、ワシントン州裁判所は支援者への資金払い戻しを命じました。裁判所がクリエイターに払い戻しを命じたのは初のことであり、とても稀有な事例です。最終的にAltius側は集まった支援金の払い戻しに加え、ペナルティの罰金も合わせた600万円以上を請求されることになりました。
バイオセラミックスで汚れをキレイに落とすボール「Crystal Wash 2.0」
引用:https://www.kickstarter.com/projects/crystalwash/crystal-wash-20-clean-laundry-with-no-detergents
洗剤なしで洗濯物がキレイに洗えるCrystal Wash 2.0。バイオセラミックスで汚れをキレイに落とし、何度でも使えるユニークなボールです。スマホと連動し専用のアプリを使えば、洗濯の記録や洗剤と比べていくらお得かなどをスムーズに表示してくれます。
一見面白そうなプロジェクトですが、実際のところ発送日が遅れたり起案者の連絡不足など、さまざまな問題点が浮上しました。また、ボールに含まれている水分子を縮小させるといった科学的根拠の裏付けが取れていないため、効き目を発揮しない製品なのではと議論されています。
ナビ付きバイク用ヘルメット「SKULLY AR-1」
引用:https://www.rakunew.com/items/68771?t=c_outdoors_sports%2Bc_motorcycle200
2013年、アメリカにあるSkully社はIndiegogoを通じて、ナビ付きバイク用ヘルメット「Skully AR-1」を開発しました。ヘルメットにナビが搭載されているという画期的なアイデアに多くのバイクユーザーたちは魅了され、2,800万円の目標金額を10倍上回る資金調達に成功。
ところが、プロジェクト起案者らは集まった2億円以上の支援金を家賃や引っ越し、高級車のレンタルなど不正に使用し、経営破綻に陥る始末となってしまったのです。当然、ヘルメットの開発はおろか、支援者にはリターンを送ることもできず、返金もないままに終わりとなりました。
出資契約を果たせなかった罰として、Skully社のCEOを務めていたMarcus Weller氏は会社を去り、のちに社員50名ほども退社する羽目となってしまったため、事実上Skully社は消滅したと言えます。プロジェクトの失敗から数年が経った現在でも、支援者に見返りが送られることはまるでないようです。
卵巣がんと偽り650万円の寄付を受け取ったケース
引用:https://www.excite.co.jp/news/article/Techinsight_20201112_732347/
続いてはリターン商品についての詐欺ではなく、人々の善意を利用して募った支援金を適切な用途に利用しなかった、という事例です。
2018年、クラウドファンディングのGoFundMeに、英国・ケント州カンタベリー在住のガン患者の女性が登場し、病院のベッドで無気力な表情を浮かべて治療費の寄付を呼びかけていました。
「卵巣がんと診断され、つらい闘病生活を送っている」「スペインの病院で手術を受けたいが、渡航も医療費も高額で、とても支払えない」と、人々に資金援助をお願いした甲斐もあり、数週間で日本円にして約650万円ほどの寄付金が集まりましたが、後にGoFundMeで偶然女性の名前を発見した担当医より警察へ通報され、詐欺罪で逮捕・起訴されることとなりました。
寄付されたお金は、女性がローマやバルセロナを旅行するための費用や、ギャンブルに使われていたことも明らかに。裁判では有罪の評決が下され、懲役33ヶ月の実刑判決が言い渡されました。
ホームレス男性の生活再建のため募ったウソの支援
引用:https://www.bbc.com/japanese/46231703
続いてもGoFundMeで起きた事例です。2017年、アメリカ・ニュージャージー州の道路際で、帰宅途中にガソリンがなくなって途方にくれていたケイトさんとマークさんのカップル。その状況を見ていたホームレスのジョニーさんが、手持ちだったわずか20ドルのお金でガソリンを購入してくれたおかげで、カップルは帰路につくことができました。ジョニーさんの温かい気持ちに感謝した二人は、ジョニーさんの生活再建を助けるためにGoFundMeで寄付金を募ることにします。
この心温まるストーリーはおよそ1万4000人から支援金を集め、世界の注目の的となりました。調達したお金は約40万ドル(約4530万円)にものぼったとのことです。
ところがこの時に集まった寄付金を巡り、当事者間で訴訟が繰り広げられます。ジョニーさんは調達した金額のうち7万5000ドル(約850万円)しか受け取っておらず、カップルが残り全額を使い込んだのではないかとの疑いを主張して揉めたため、ニュージャージー州の警察が、カップルの自宅の家宅捜索と書類送検へと踏み出すことになったのです。
捜査が進むに連れ、驚くべき事実が発覚します。そもそものトラブルどころか、この話自体、実際にはなかったものだったという結論に達したのです。つまりケイトさんがガス欠を起こしたこともなければ、ジョニーさんが20ドルで助けたことも全てが嘘だったということでした。結果、検察はこの3人を逮捕し、詐欺の罪で起訴しました。
クラウドファンディングで詐欺に遭わないためには?
ここまで、日本と海外それぞれで過去どのようなクラウドファンディング詐欺があったのか、事例を見てきました。では実際にこれからクラウドファンディングを利用する際に、このような詐欺に遭わないようにするにはどうしたら良いでしょうか?
以下で被害に遭わないようにするために、最低限確認すべきポイントをご紹介します。
資金の用途についての記載が曖昧でないか
まず一番大事なのはこの点でしょう。プロジェクトページの内容を見ても、支援金の使い道についての記載がはっきりしていない場合には、注意が必要です。
一見魅力的に見えるプロジェクトであっても、プロジェクトページの中に支援金の使い道など大事なことが記載されていなかったりする場合は、適切な用途に支援金が使用されないといったような被害に遭う可能性も高くなります。
目標金額が高額に設定されていないか
またプロジェクトの内容に対して、明らかに高額すぎる目標金額が設定されている場合も注意しましょう。
例えば勉強のために世界一周をしたい、などのプロジェクトなのに、明らかに世界一周をする旅費以上の金額が設定されている場合などは、プロジェクトページ内をよく読み、どうしてその金額が目標金額として設定されているのかを確認しましょう。
もしその明確な理由や使途が記載されていない場合は、支援をしない方が賢明です。
プロジェクトページの写真や内容が転用されていないか
プロジェクトページの内容や文面に、他のクラウドファンディングサイトなどで使用されている文章が使い回されている場合も注意が必要です。検索などで一度キーワードとなりそうな単語を検索し、もし類似しているプロジェクトを発見した場合は、そのプロジェクトが成功したのか、支援金の使い方はどうだったのか、リターンは支援者の元に届けられたのか、今回のプロジェクトとの関係性、などを確認しましょう。
過去に一度同じ内容のプロジェクトが掲載されていた場合は、何故再度募集されることになったのかなども、ページから確認する必要があります。
またプロジェクトページに使われている写真についても、フリー素材ばかりが使われていたり、他のサイトの画像が転用されていることもあるので、Googleなどの画像検索を利用して確認してみるのも良いでしょう。もし転用されている画像などが大半を占めるようであれば、そのプロジェクトが本当に実施されるのかを疑った方が良い場合もあります。
起案者の実態がはっきりしているかどうか
最後に、そのプロジェクトを実施する起案者がどういう団体や企業なのかを確認することもとても重要です。起案者の本名や会社名などがわからない、会社名はわかるがSNSや検索サイトで検索してみても、実態や普段どういった活動をしているのかがよくわからない、という場合はかなり注意をする必要があります。
少しでもプロジェクトの内容や起案者の実態が怪しいと感じたら、支援はしないというのが最も安全ですが、どうしても支援したいプロジェクトで疑問点がある場合は、起案者に質問をするなどして不明確な部分をなくしてから支援金するようにしましょう。
クラウドファンディングで詐欺にあったときの対応方法
とはいえ、先程ご紹介したようなポイントを確認したとしても、100%詐欺に遭うことを防ぐことはできません。
実際にクラウドファンディングで支援した後に、もしかして詐欺かもしれない?と思った時はどうしたら良いでしょうか。最後にその対応方法について、ご紹介します。
内容、証拠を残しておく
まずは慌てずに、被害に遭ったクラウドファンディングサイト名、プロジェクトページのURL、被害にあったプロジェクトページのスクリーンショット、起案者の名前や会社名、所在地などの情報を残しておきましょう。特にページのスクリーンショットなどは、詐欺だと判明した際に起案者側がページを削除してしまう場合も考えられますので、重要と言えます。
またその他に、支援によって被害を受けた金額がわかる振込履歴やクレジットカード明細、リターンの実物写真、予定されていたリターンの情報や、その他起案者とのやり取り記録があれば残しておくと良いでしょう。後に捜査などがされた場合、詐欺に関する情報はたくさんあった方が役に立ちます。
クラウドファンディングサイトの運営者へ問い合わせる
次にすべきは、クラウドファンディングサイトの運営者への問い合わせです。もちろん運営者に問い合わせる前に、起案者へ直接問い合わせをするのは忘れてはいけません。もし起案者と連絡が取れた場合は、直接プロジェクトの進捗やリターンの発送状況などがどうなっているのかを確認することができます。
しかし起案者に連絡が取れない、または連絡は取れたが返金の要望に応じてもらえない場合はクラウドファンディングサイトの運営者へ問い合わせることができます。クラウドファンディングサイト側から起案者へ直接連絡をしてもらえたり、返金に応じるよう要請をしてくれる場合があります。
クラウドファンディング詐欺の相談ができる窓口へ連絡する
上記の方法を試しても、起案者と連絡がどうしても取れない、要望に応じてもらえない場合は自力で解決することは難しいため、公的機関の提供する専門の相談窓口への相談を行うことがお勧めです。
被害に遭った際、まずはどうしたら良いのか?と途方に暮れてしまうかもしれません。そんな時にとにかく一度電話することができるのが消費者ホットラインです。消費者ホットラインは全国どこからでも電話でき、必要であればそのまま消費者生活センターへ取り次いでくれるありがたいホットラインです。
消費者生活センターでは消費者が抱えるトラブルについて日々幅広く相談を受け付けているため、解決に向けて適切なアドバイスをもらったり、相談機関の紹介をしてもらうことができます。
犯罪や詐欺の発生にはまだ至ってないけれど、悪質な被害にもしかしたら該当するのではないかという状況で警察に相談したいことがあるときには、警察相談専用電話を利用することができます。全国どこからでも、電話をかけた地域を管轄する警察本部などの相談窓口につながります。困っている事案に対して、相談業務を専門に担当する「警察安全相談員」などの職員(警察官、元警察官等)が話を聞いて、アドバイスや相談機関の紹介を行ってくれるので、非常に心強いサービスと言えます。
ただしこちらの窓口は相談専用であるため、そのままトラブル解決を一緒に行ってくれるわけではない点は注意しておきましょう。
最後にご紹介するのは法テラスです。
実際にトラブルに巻き込まれて困っている場合、または法的トラブルかどうかわからない場合にも、気軽にまずは問い合わせてみることができます。法テラスは、トラブルに対して法的観点から解決への道筋をアドバイスしてくれる窓口なので、問い合わせ内容に応じて法制度や相談機関・団体等適切な機関を紹介したり、法的手続きのわからないことを丁寧に説明してくれます。
また弁護士を探したい、という場合も相談先を紹介してくれたりするので、法的解決の足掛かりとして利用する場合はお勧めです。
まとめ
さて、今回は『クラウドファンディングで起こった詐欺事件』というテーマに沿って、まずはクラウドファンディング詐欺の手口について、そして日本と海外で実際に起きた事例、最後に被害に遭った場合にはどうしたら良いのかについて紹介しました。
クラウドファンディングは支援者と起案者の信頼関係に基づく出資契約であり、目標金額に達する資金額を集めたとしても、その後プロジェクトをきちんと遂行しなければ”成功”とは言えません。
とても魅力的に見えるプロジェクトや、応援したいプロジェクトなどがたくさんある中で、残念ながら支援金を騙し取ろうとする起案者が存在することは事実です。是非クラウドファンディングを利用する際は、このページで紹介したように、起案者の実態やプロジェクト支援金の使い道などを十分確認した上で支援するようにしましょう。
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