2023.11.20

中学校がクラウドファンディング!?その理由とは?

中学校がクラウドファンディング!?その理由とは?

文部科学省では、平成20年3月28日に中学校学習指導要領の改訂を告示し、2012年(平成24年)度より、中学校保健体育においてダンスを必修科目とすることとしました。また、同年度より、中学校の技術・家庭科のクラスでは、プログラミングが導入され、プログラムによる計測/制御が必修となっています。このように、近年中学校におけるさまざまな事情が変容を遂げているのです。
最近では、中学校ないし中学生がクラウドファンディングに挑戦するという新たな風潮もあり、規模の大きなプロジェクトにチャレンジしている事例もいくつか存在します。そこで今回は『中学校がクラウドファンディング!?その理由とは?』について紹介していきたいと思います。

日本初!?中学生が観光大使をやってみた

https://camp-fire.jp/projects/view/37296

2017年8月より、和歌山県立日高高等学校附属中学校の3年生40人が、総合的な学習の一環として行なう校外学習のための費用を、国内最大のクラウドファンディング『CAMPFIRE』にて募っています。3年生たちは、1年生の時から総合的な学習として、地域活性化についての議論やプロジェクトの発表会を行ってきました。学校側は、体験型の授業を通じて地域に貢献し、「より主体的に考え行動してほしい」と校外学習を検討しており、今回3年生の担任・新井洋希さんは、「全国に日高をPRしながら、生徒の力で資金を集め、校外学習にも取り組める」と、資金集めのためクラウドファンディングに取りかかりました。
校外学習では、地元の農産物を大阪の直売所で宣伝し、販売するなど、農産物の流通の仕組みを学びます。資金の目標金額は60万円で、3年生40人分の大阪までの交通費や、リターンの製作費などに充てるそうです。

廃校寸前の島根県左鐙小学校を救う!

https://readyfor.jp/projects/sabumies

島根県津和野町の中学校に通う12歳(当時)の鈴木智也くんは、母校である島根県津和野町の左鐙(さぶみ)小学校が、2015年の4月までに16人の小学生が在籍していなければ廃校になってしまうというピンチを受け、自分の小学校を残すために出来るだけのことをしたいという想いから、左鐙小学校のある左鐙地区に引っ越して来られる方が住むための空き家の改修プロジェクトに挑戦しました。空き家の改修には最低800万円かかり、地域の方々の協力で集まったお金は200万円ほどしかなく、全然足りない状況だったため、国内初のクラウドファンディング『Readyfor』にて、600万円の資金調達を行ないました。

地元民のみならず、鈴木くんの勇姿に共鳴した人は他地域にも多く存在し、このプロジェクトは目標金額を上回る706万円の資金調達に成功を収めました。残念ながら、左鎧小学校は平成28年(2016年)度を以って閉校となってしまいましたが、今回のプロジェクトを通じて、清流の恵みや豊富な自然など、左鎧の魅力を世に広めることができ、現在では津和野町が人気観光スポットのひとつとなっています。

湘南学園中学校PBL

http://www.shogak.ac.jp/highschool/

湘南学園中学校では、ESD教育(持続可能な開発のための教育)の一環として、総合学習、グローバル教育、キャリア教育など多岐に渡る中で、クラウドファンディングを活用した「PBL[Project Based Learning:課題(問題)解決型学習]」の実践を、2016年度より準備し、2017年度から本格的に開始しています。クラウドファンディングを通じたPBLによって、生徒たちの主体性を育むことはもちろん、社会の多様な人々と協働しながら学習することで、社会と結びついた力を身に付けることが期待できます。

PBLを実践する目的やメリットは4つに分類されており、まずプロジェクトを持つことで、物事を社会と結びつけて学びやすいという点、2つ目に自主的に学習するスキルを養えること。そして、相対的な価値観に触れる機会を創出することにあり、また仲間と協力し合う関係の構築ができるという要素が含まれています。

アートクラブグランプリ in SAKAI

https://japangiving.jp/campaigns/33357

平成19年(2007年)度から、全国の中学校美術部員にとって競い交流する場 “アートの甲子園”として開催されている「アートクラブグランプリ in SAKAI」。昨年(2016年)度は、全国から4200点を超える応募があり、9000名を超える方に中学生の美術部の取り組みや作品を鑑賞してもらうほど大規模なものとなっています。そんな同作品展は、次回の第11回(2018年1月)開催に際し、今後も全国の美術部員がより一層活躍し、交流できる場を充実させるべく、クラウドファンディングサイト『JapanGiving』を通じて寄付金を募ることにしました。なお、集めた寄付金は作品展、巡回展の運営・充実に関する費用に活用されるとのことです。

「世界に続くドア」を開けるチャンスをください!

https://moon-shot.org/projects/1

「中高生国際Rubyプログラミングコンテスト2012(15歳以下の部)」で最優秀賞を受賞した山内奏人くん。10歳の頃から独学でプログラミングを学び、「Chalkboard@cloud」というSNSを作るほどの腕前の持ち主です。そんな奏人くんは、中学2年生となった2014年、世界中から中学生が集まってリーダーシップやプレゼンテーション力などのコミュニケーションスキルを学べるカリキュラム「ISAK(International School of Asia, Karuizawa)」のサマースクールに参加するための費用の一部を、クラウドファンディングサイト『moonshot』にて募りました。

奏人くんはサマースクールに合格していたのですが、奨学金の選考から漏れてしまったため、クラウドファンディングという手段を使うことに。その後、彼の秀才ぶりを評価した多くの人から支援を受けることとなり、結果49万円を集めることに成功。奏人くんは、本プロジェクトのリターンとして、出資に協力してくれた人たちを招いてスクールの報告会を開催しました。現在 高校生となった彼は、すでにいくつかのベンチャー企業にジョインしており、将来有望な逸材のひとりとして活躍しています


さて、今回は『中学校がクラウドファンディング!?その理由とは?』について考察しました。

クラウドファンディングはたいてい、大人が活用するサービスとして知られており、最近では若者が着手するケースも多いですが、いずれも大学生やフリーターなど、一定水準の教育を受けたものがほとんどです。
しかし、今回の事例のように、最近では義務教育を受けている中学生が自らプロジェクトを立ち上げ、クラウドファンディングを通じて資金調達に取り組むといった風潮も表れています。将来的に、中学生だけでなく小学生もクラウドファンディングに取り掛かる時代が来るのではないでしょうか。

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