2023.11.19

クラウドファンディングではボードゲームが流行っている!?

クラウドファンディングではボードゲームが流行っている!?

最近欧米のクラウドファンディング市場において、ボードゲームに関するプロジェクトが多く立ち上げられているようです。一体なぜなのでしょうか。今回はその背景と代表的なプロジェクトについて解説していきます。

クラウドファンディングでボードゲームが流行る背景・理由

テレビゲームやスマホが普及している昨今、国内ではボードゲームの需要が下降気味となっています。人生ゲームのような代表的なボードゲームは今でも存在しますが、かつてほどの新鮮味や人気はありません。しかし欧米のクラウドファンディング市場では、ボードゲームが流行しています。その背景には、伝説のボードゲーム「カタンの開拓者たち」があるようです。

1995年にドイツで発売された「カタンの開拓者たち」は、クラウス・トイバーが製作したボードゲームであり、ドイツボードゲームとして最大級のヒットを記録しました。その後アメリカに上陸し、欧米でも瞬く間に大ヒットを遂げ、それまでのボードゲームとは違った戦略的かつ格式高いボードゲームが続々と登場。「カタンの開拓者たち」ブームをきっかけに、欧米におけるボードゲーム人口も毎年右肩上がりで、北米の卓上ゲームコンベンションである「Gen Con(ジェンコン)」には、2015年に来場者数が20万人以上集まりました。また、2015年のボードゲーム市場規模は、アメリカとカナダだけで150億円以上を誇っており、こちらも年々増加中です。

そうした欧米におけるボードゲームの人気に伴い、KickstarterやIndiegogoといったアメリカのクラウドファンディングサイトでも、ボードゲームにまつわるプロジェクトが多く実施されています。たとえばKickstarterでは、2009年のリリース以来、出品されたボードゲーム関連のプロジェクトはおよそ3,900件で、合計240億円もの出資を集めています。なかでも「Exploding Kittens」は約800万ドルを集めており、クラウドファンディングのボードゲームプロジェクト史上最高額となっています。

世界的に人気なクラウドファンディングにおいてボードゲームのプロジェクトの成功が相次いだ結果、他のプラットフォームでもボードゲーム事例が多発し、現在クラウドファンディングにおいてボードゲームが流行しているようです。

「Exploding Kittens」プロジェクトURL:https://www.kickstarter.com/projects/elanlee/exploding-kittens?lang=ja

クラウドファンディング × ボードゲーム × 欧米

もともと欧米におけるボードゲーム文化の歴史は深く、1930年代にアメリカで誕生した「モノポリー(MONOPOLY)」はボードゲームの古典といえる作品です。プレイヤーは盤上をぐるぐると回り、止まったマス目の土地を買います。投資をして地代を高め、最終的に他のプレイヤーを破産させることを目標としたゲームで、1930年代の資本主義アメリカらしいゲームです。「モノポリー」の海外での知名度は高く、欧米圏では知らない人はいないと言われています。日本ではあまり知られていないようですが、1991年に発売されたファミコンゲーム「いただきストリート」は、「モノポリー」に影響を受けた作品だそうです。

また「モノポリー」の他にも、世界征服ゲームの「リスク」、ヨーロッパ覇権争いゲームの「ディプロマシー」、ホテル買収ゲームの「アクワイア」が、ボードゲームの4大聖典と言われており、いずれも現在の欧米におけるボードゲームの発展を生んだ傑作として有名です。

ボードーゲームのクラウドファンディングの代表的なプロジェクト

では、欧米のクラウドファンディングにおける代表的なボードゲームプロジェクトをいくつか見てみましょう。

UBOOT The Board Game

Kickstarterにて現在募集が行われている「UBOOT The Board Game」は、第二次世界大戦におけるドイツの潜水艦を操縦して、敵艦などを撃沈するボードゲームです。もともと2017年1月にリリースを予定していましたが、ユーザーからの要望や開発者のこだわりがあって、2017年12月にKickstarterにてようやく公開。待ちに待った「UBOOT」を楽しみにしていたファンは多く、本プロジェクトは最終的に約68万ポンドの資金調達に成功しています。

プロジェクトURL:
https://www.kickstarter.com/projects/phalanxgames/uboot-the-board-game

「Nemesis(ネメシス)」は、エイリアンの沸いてくる宇宙船で、協力してサバイバルしつつも他人を出し抜くポーランド発のボードゲームです。宇宙船の中に潜むエイリアンを撃退しつつ、宇宙船を操縦して地球に帰還することが目的となっています。細かいルールがたくさんあって、非常に複雑なゲームですが、約3万人の支援者から約300万ポンドを集めることに成功。ボードゲームとは思えないほどのビジュアルやクオリティの高さ、斬新さが、プロジェクト成功の要因と言えるでしょう。

プロジェクトURL:
https://www.kickstarter.com/projects/awakenrealms/nemesis-board-game?lang=ja

The Terminator

Kickstarterでは、アメリカの人気映画「ターミネーター」のオフィシャルボードゲームも開発されています。未来から送り込まれたやたらと頑丈な殺人ロボットT-800から、命からがら逃げ回るといったストーリーの「ターミネーター」。同作のコンピュータゲーム版はいくつかありますが、ボードゲーム化は初の試みだといいます。本作の舞台は2つに分かれており、2029年の未来世界と、第1シーズン上映年の1984年のロサンゼルスです。プレイヤーは人間側とスカイネット側に分かれて戦います。チーム戦です。スカイネットは一人のみ、残りのプレイヤーは人間側になります。「ターミネーター」ファンにはたまらないコンテンツであり、「ターミネーター」を知らない人でも十分楽しめるボードゲームです。

プロジェクトURL:
https://www.kickstarter.com/projects/evildead2/the-terminatortm-the-official-board-game

Tiny Epic Zombies

「Tiny Epic Zombies」は、ゾンビサバイバルのボードゲームです。タイトル通り、ゾンビを倒しながら生き延びることが目的のゲームであり、舞台はショッピングモール。プレイヤー全員で協力するモード、一人がゾンビを操作して残りのプレイヤーで協力するモード、一人プレイモードなど、さまざまなモードがあり、一人で楽しむこともプレイヤー間で勝ち負けの競争もできます。

プロジェクトURL:
https://www.kickstarter.com/projects/coe/tiny-epic-zombies-a-game-of-brutal-survival

まとめ

テレビゲームやスマホが主流となっているこの時代において、欧米のボードゲーム市場はますます拡大しています。今後Kickstarterのように、国内クラウドファンディングでもボードゲームのプロジェクトが多く実施され、日本でボードゲームが流行するときが来るのではないでしょうか。

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