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2018.6.4

インキュベーション施設がきっかけで成功した企業5選

インキュベーション施設がきっかけで成功した企業

日本全国に200以上の数があるインキュベーション施設。地域を問わず、インキュベーション施設に入居して、IM(インキュベーションマネージャー)から経営のノウハウを学んだのち、企業として成功を掴んでいる会社は数多く存在しています。では、具体的にどのような企業が、インキュベーション施設を用いて成功を掴んでいるのでしょうか。今回は、インキュベーション施設がきっかけで成功した企業について、5つほど紹介していきます。

JITSUBO株式会社

JITSUBO株式会社は、東京農工大学農学府生物有機化学研究室(千葉一裕教授、現農工大副学長)において発明された「相溶性・多相有機溶媒システム」の実用化を目指して2005年に創業。当初は医薬品原薬の合成研究用試薬の製造販売を事業としていましたが、2008年から独自技術の利点を生かした受託合成サービス事業、さらにペプチド誘導体を対象に絞り込み、研究開発やサービス提供を行うライセンス事業も行っています。

同社は新事業を開始した2008年のタイミングで、農工大・多摩小金井ベンチャーポートに入居し、科学技術振興機構(JST)の「独創モデル(2006年)」「産学共同シーズイノベーション化事業(2007年)」「高度研究人材活用促進事業(2009年)」「研究成果最適展開支援事業(2010年)」などを実行。また、2013年には医薬品開発中心の事業にビジネスモデルを転換しました。

2017年6月末に事業拡大に伴う製造拠点を求めて、およそ8年半いた農工大・多摩小金井ベンチャーポートを卒業し、サイエンス研究センターに拠点を移しました。現在はペプチド医薬品の開発、ペプチド原薬製造技術に関するライセンス、ペプチド創薬に関する研究などを中心に事業を展開しており、世界を舞台に成長する先進的研究開発型医薬品企業に成長しています。

<詳細情報>
名称:JITSUBO株式会社
住所:〒230-0045
神奈川県横浜市鶴見区末広町1-1-43 ライフサイエンス研究センター4-1
電話:045-633-4327

株式会社LoiLo

シンプルで、触っていて楽しいソフトウェアを開発する株式会社LoiLo(ロイロ)。もともとゲームメーカーでプログラミングを担当していた杉山浩二氏が、ある日、兄の竜太郎氏から「何か面白いことをしよう」と誘われたのをきっかけに、2006年5月に慶應藤沢イノベーションビレッジ(SFC-IV)に入居、翌2007年4月に、竜太郎氏をCOO、浩二氏をCEOに迎え、LoiLoを設立しました。

SFC-IVにてさまざまなノウハウを学んでいる中、2007年12月にアニメ業界用プラグインソフトウエア 「Smooth」を発売したり、2008年8月には超高速動画編集ソフト「LoiLoScope」をロサンゼルスのSIGGRAPHにて発表したり、着実に企業成長を促していきました。国内外における事業展開を行い、世界的にも高評価を受けるようになった2011年にSFC-IVを卒業。浩二氏は「もしマンションで起業していたらと思うと恐ろしいです。IMからの支援が無ければ、大変なことになっていました。IMからは経営の基本を一から教えていただきました。また、実践的に指導をしていただき入居から5年目に卒業して、今の馬車道のオフィスに引っ越すことができました。」と語っています。

現在では、世界のコンシューマ市場に向けて、協働学習授業支援アプリ「ロイロノート」、授業支援アプリ「ロイロノート・スクール」、画面に触って動画編集できるソフト「ロイロタッチ」などの開発販売を行っています。

<詳細情報>
名称:株式会社LoiLo
住所:〒231-0003
神奈川県横浜市中区北仲通4-40 商工中金横浜ビル5階
電話:045-228-9446

株式会社クレオフーガ

株式会社クレオフーガは、岡山県岡山市にあるIT企業です。音楽投稿コミュニティの「クレオフーガ」や、音楽ライセンスと音楽クラウドソーシングプラットフォームの「オーディオストック」を運営しています。2006年に音楽コンテストサイトをオープンさせ、翌2007年10月に株式会社クレオフーガを設立。しかし、その後しばらくは事業運営に手こずり、音楽と関係のない受託開発で食いつなぐ生活を強いられました。

設立から4年が経った2011年、「音楽を事業にするならば東京だ」と思い立ち、2012年1月に蒲田のアパートを借りて東京での活動をスタート。その中で、ベンチャーキャピタルから1,000万円の出資を受けることができ、この辺りでようやく音楽サービスを行えるようになりました。また、この頃には代表の西尾周一郎氏と面識のあったIMの鈴木さんから誘いを受け、岡山大インキュベータに入居することに。東京と岡山の2つを拠点にしたクレオフーガは、2013年に「オーディオストック」を立ち上げ、1曲数千円でクオリティの高い音源を入手できる点が評価され、順調に事業を拡大させていきました。

西尾さんは、岡山インキュベータに入居してから、IMの方々からの手厚いサポートを受け、資金調達面では金融機関を紹介してもらったり、大人がしっかり支援している会社ということで信用力も上げることができたそうです。また、キャンパス内に施設があり、岡山大学の学生にインターンやアルバイトに来てもらいやすかったり、大学の研究室とも交流しやすい環境にあったりするのが良い点だったと振り返っています。

<詳細情報>
名称:株式会社クレオフーガ
住所:〒141-0031
東京都品川区西五反田7丁目11番1号 第五花田ビル 2F

株式会社TBA

“誰でもどこでも簡単に”をコンセプトに、新しい遺伝子検査ツールを提供する、株式会社TBA。同社で代表を務める川瀬三雄氏は、もともと大手セラミックメーカーでバイオテクノロジーの研究を30年間しており、DNAチップを受託製造する社内ベンチャー的なプロジェクトを立ち上げた経験もあります。しかし、DNAチップが思ったように伸びず、プロジェクトは難航。そんな中、岐阜大学の江崎教授から感染症を検査するためのメンブレンストリップの製造依頼が舞い込み、2013年7月に大手セラミックメーカーの技術を基盤とした東北大学発ベンチャーが生まれました。

ベンチャー立ち上げから1ヶ月後、東北大学連携ビジネスインキュベータ(T-Biz)に入居し、DNAプリンティング製造ラインを設置したり、簡便な遺伝子検査用ストリップの製造・販売を開始したりしました。同時期には海外展開枠の創業補助金や、ふくしま成長産業育成ファンドからの増資など、資金調達を受けることもでき、現在、大手セラミックメーカーのDNAプリント技術と遺伝子検査関連特許をベースに遺伝子検査ツール「STH-PAS」を製造販売しています。

川瀬さんは、常駐のIMから投資会社の紹介、バイオジャパンへの出展、J-GoodTech(中小機構の運営するwebマッチングサイト)への登録など、さまざまな面で支援していただいたことを、T-Bizを活用したメリットとして挙げています。今後は、「日本そして世界の安全安心社会の構築に貢献する」こと、「東北地方の震災復興に貢献する」ことを目標に、さらなる事業拡大を目指しているようです。

<詳細情報>
名称:株式会社TBA
住所:〒980-8579
仙台市青葉区荒巻字青葉 6-6-40 T-Biz 307号室
電話:022-721-7822

大豆エナジー株式会社

株式会社トランスジェニックや、ベビーリーフ生産で国内最大の農業ベンチャーとなった株式会社果実堂に続き、井出剛社長が設立した、大豆エナジー株式会社。1997年に熊本大学医学部の技術資源を活用し、産学官連携型バイオベンチャー企業「トランスジェニック」を設立。その後、2005年には第二の起業として農業ベンチャー企業「果実堂」を設立しました。果実堂は、2006年に開設された「くまもと大学連携インキュベータ」に研究所を設置し、国内最大のベビーリーフ栽培会社として成長。そして2015年12月、第三の起業となる農業&バイオベンチャー企業「大豆エナジー」(旧:ベジタブル製薬株式会社)を設立し、翌2016年7月、再びくまもと大学連携インキュベータに入居しました。

大豆エナジーは、研究用試薬分野において、戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)の採択を受け、熊本大学、京都大学、九州大学、理化学研究所と共同研究を開始し、サポイン事業の成果として、大豆から未知物質300種類を世界に先駆けて発見することに成功しました。これらの成果は、研究用試薬に留まらず、製薬会社のリード化合物候補にもなる可能性を秘めています。具体的な製品としては、研究用試薬Glyceollin1(グリセオリン1)を和光純薬から発売し、再発性乳がんでのがん細胞増殖抑制効果が認められ、現在、再発性乳がんの研究用試薬として推奨されるようになっています。

同社は、くまもと大学連携インキュベータの活用をきっかけに、独自の研究用発芽装置「プロモーター・ボックス」7台を設置したり、自社の特許技術を用いた植物種子発芽による二次代謝産物を大規模にスクリーニングすることができるようになりました。2017年10月に、現在の大豆エナジーに社名変更を行って以降も事業は拡大し続けており、最近では自社で開発した、大豆をそのまま食べられるのが特徴の『おいしい発芽大豆』の売上が好調で、年間2億円を超えるヒット商品となっています。

<詳細情報>
名称:大豆エナジー株式会社
住所:〒860-0812
熊本県熊本市中央区 南熊本3-14-3 くまもと大学連携インキュベータ
電話:096-363-8800

まとめ

今回は「インキュベーション施設がきっかけで成功した企業」と題して、JITSUBO株式会社、株式会社LoiLo、株式会社クレオフーガ、株式会社TBA、大豆エナジー株式会社について紹介しました。

インキュベーション施設では、IMが助成金情報、展示会無料出展情報、講演会情報など、起業者に対してさまざまな有益な情報を提供してくれます。自社のみでの企画・開発だけでは到底手にできないような細かい部分まで手を差し伸べてくれるので、新事業を実施しようと考えている方にはおすすめです。

ただし、インキュベーション施設を活用したからといって、事業が全て順調に行ったり、会社として成功したりといった保証は必ずしもあるわけではないため、どのみち企業としてのビジョンを明確にしてからスタートすることに変わりはありません。

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