社内ベンチャー制度とは?成功するための4つのポイントを、メリット・事例と共に徹底解説
「社内ベンチャーを成功させたいが、どうすればいいか分からない」
このようにお考えの方は多いのではないでしょうか?今回は、社内ベンチャーの制度について、過去事例や成功のポイントなどをご説明します。成果を上げられる社内ベンチャーを企画するために絶対に役に立つこと間違いなしです!
社内ベンチャーとは
ここでは、社内ベンチャーについて、その定義と目的を確認していきましょう。
社内ベンチャーの定義
まず、社内ベンチャーの成功法について深掘りしていく前に、言葉の定義をしっかりしておきましょう。 ずばり社内ベンチャーとは、「企業において、新事業を創出するための独立したチーム・組織」のことを指します。社内ベンチャーが実施される企業としては、いわゆる大企業が多いです。既存事業が成熟したような、資本力のある企業において、いろんな目的を持って取り組みます。
社内ベンチャーを実施する目的
ではどのような目的を持って社内ベンチャーを実施するのでしょうか?主に4つの理由があります。
▼既存事業ではない収益チャネル
大企業では、基幹の既存事業が成熟し切っており、オペレーション化していることが多々あります。すると、何かしらの外部環境の変化によって既存事業に逆風が吹き始めた時に会社が倒産してしまします。
そうならないためにも、あらたな収益チャネルを創り、会社の土台を盤石なものにするということです。
▼社内に新しい・ポジティブな風を吹かせる
事業がオペレーション化してしまうと、会社の成長がどん詰まりになってしまったり、社員のやる気が削がれたりとネガティブな影響があります。そこで新しい事業を始めることで、そうした影響を排除できるばかりか、既存事業とのシナジー効果も見込むことができます。
▼人材育成
社内ベンチャーに取り組むことで、社員の急速な成長が見込めます。事業における0→1の経験は、考えるべきこと・行動すべきことが多く、非常に勉強になります。既存事業では養えないスキルを鍛えることもできるので、人材育成にはうってつけです。
▼大企業資産の有効活用
大企業では、内部留保が多く残っており、「使い道(投資先)に困っている」ということがあります。そんな時、社内ベンチャーへの投資は大変利回りのいい投資であると言えます。確かに成功率で言えばあまり高くないかもしれませんが、成功した時のROIはとんでもなく高くなりますし、たとえ成功しなくても上記のような人材育成などの副次的な効果も見込めます。
社内ベンチャーを成功させるには
では本題の「どうすれば社内ベンチャーを成功させることができるのか」ということについて、「企業側がすべきこと」「社員側ですべきこと」の2種類に分けてご説明していきます。
成功に必要なポイント
▼企業側がすべきこと
- 組織に基本機能を具備すること
一般的に大企業では、いくつもの部署に分かれており、その機能もバラバラです。社内ベンチャーを成功させるためには、既存の部署に頼ることなく、小さくてもいいので会社機能を有しておくことが大事です。既存部署に頼ってしまうと、事細かに共有することが必要になってくるため、スピード感がかなり落ちてしまいます。
- 明確なビジョン・ミッション定義
「社内ベンチャーで生まれた事業にどのような社会の課題を解決して欲しいのか」
そういったビジョンやミッションを明確にしておくことで、社員が「何を考えればいいかわからない」状況を避けることができます。
▼社員側がすべきこと
- チームを組んで事業をすすめる
新規事業に取り組んでみた方はお分かりかと思いますが、0→1のインキュベーションのフェーズは、本当にやるべきことが多いです。作業の分配という意味でチームを組む必要性はさることながら、失敗してもその経験を蓄積した仲間がいれば、共に苦難を乗り越えることができます。
- 熱い想いを持って取り組む
熱い想い、情熱などと言われて、「なにをそんな曖昧なことを」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、想いこそ侮ることなかれ。社内ベンチャーで取り組むビジネスの市場では、すでに他のスタートアップのプレイヤーがひしめき合っていることがほとんどです。事業にかける熱い情熱がなければ、事業の成功確度が上がることはないです。
成功事例
「過去同じ結果を出している人を真似れば同じ結果がでる」成功する手法としてモデリングというものがあります。過去どんな事例があったのかを知ることは、自社の社内ベンチャーを成功させる上でも参考になります。
▼三菱商事(スープストックトーキョー)
三菱商事の外食部門に在籍していた遠藤氏(現株式会社スープストックトーキョー社長)が、関連会社のケンタッキーに出向になった時に、スープに関する企画書を作成。日本ケンタッキー社長から評価を受け社内ベンチャーとして事業化が決まりました。
このパターンでは、企画書が物語形式で大変面白く、関係各所を虜にしてうまく巻き込めた事例と言えるでしょう。
新規事業においては、事業・人柄の定性的な魅力も重要になってくることを示したよい例であるといえます。
▼サイバーエージェント(アメブロ)
藤田晋さん率いる「サイバーエージェント」は、かなり特殊な例と言えるかもしれませんが、これからの時代は、大企業であってもサイバーのようなやり方も参考になり得ます。
サイバーエージェントでは、新卒から子会社の社長に任命するなど、社内ベンチャーに対して大変オープンな環境になっています。実際、サイバーエージェント社内ベンチャーの中からは、Cygamesなどの有名な企業も生まれています。
「多産多死」社内ベンチャー
ここまで成功成功と語ってきましたが、実際のところ、社内ベンチャーがうまくいく確率など本当に低いです。我々は普段、企業様の新規事業に関するご支援を行なっていますが、多く生まれては多くが死んでいく、「多産多死」の世界であることは間違いありません。
しかし、失敗する確率が高くても、失敗してしまう理由が何かを知っておくことによってリスクを最小限に抑えながら新規事業・社内ベンチャーに取り組むことができます。ここでは、社内ベンチャーが失敗してしまう理由を2つに分けて説明していきます。
事業化する仕組み・キャリアアップの仕組みがない
基本的に、社員は新規事業を立ち上げる経験がありません。そんな中、一寸先は闇の世界に飛び込むのは、非常に勇気がいります。
「せっかく大企業に入ったのに、リスクを冒してリストラになったりしたら・・・」「うまくいっても自分の手柄が残らなかったらどうしよう・・・」こんなことを感じさせる職場では、オープンなアイデアは浮かんできませんし、何より取り組もうとする人材も出てはこないでしょう。
社内ベンチャーに取り組めば、どういうふうにイグジットするプランを用意していて、失敗してもセーフティネットがあることを事前に伝えることが重要になってきます。
意思決定に時間がかかる
社内ベンチャーが取り組む事業領域には、すでに多数のスタートアップ ・ベンチャーのプレイヤーがうごめいています。
スピーディに外的環境が変化する中で、既存の意思決定プロセスを踏んでからでないと動けないとすると、勝てるわけがありません。
社内ベンチャーの部署にしっかり権限を移譲して、ある程度は自由に活動させてあげる環境を整えることが大事です。
このように、社内ベンチャーの制度設計には大変なリソース・コストがかかります。
以下の記事では、社内ベンチャー立ち上げでお困りの方のお役にたつ、 新規事業コンサルティングの会社をまとめてみました。こちらもぜひご覧ください。
まとめ:社内ベンチャーを成功させよう
ここまでで、社内ベンチャーに関するイロハをお伝えしてきました。
大企業にてしばしば行われる社内ベンチャーでは、社員側が情熱をもって取り組むことはもちろん大切なのですが、企業側もしっかりした体制で社内ベンチャーを迎え入れ、会社を成長させようとすることが大事です。
ここでお伝えしたことを活かしていただき、今後の社内ベンチャー運営に活かしていただけたら幸いです。
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