クラウドファンディングの魅力的で面白いリターン12選!複数種類のリターン事例を調達金額含めてご紹介
国内でも知名度が徐々に上がってきているクラウドファンディング。最近では風変わりでユニークなプロジェクトがいくつか存在しています。そこで今回は国内のユニークで面白いプロジェクトをいくつか紹介し、魅力的なリターンを設計するための方法に関しても紹介していきます。
クラウドファンディングの概要と種類
「クラウドファンディング(Crowd Funding)」とは「群衆(Crowd)」と「資金調達(Funding)」を組み合わせた造語であり、インターネットを通じて不特定多数の人から資金調達を行える方法です。
クラウドファンディングの種類
クラウドファンディングは大きく分けて「購入型」「寄付型」「金融型」と3種類に分類されます。
今回ご紹介する購入型クラウドファンディングは市場規模としては、右肩上がりで拡大しており、2020年には500億円※を突破しています。
※ 一般社団法人日本クラウドファンディング協会クラウドファンディング市場調査報告書
購入型クラウドファンディングの概要
購入型クラウドファンディングでは、資金を集めたい企業や人が、起案者となりクラウドファンディングサイトに商品やサービスをプロジェクトという形で掲載します。
起案者に資金を提供する支援者は、クラウドファンディングサイト上のプロジェクトに資金を提供する事で、商品やサービスを受け取ることができます。
また目標金額に達しない場合、プロジェクトが実行されないAll or Nothing型という方法もあり、起案者はクラウドファンディング上でアイデア段階の商品を掲載し、支援を集めることができるので、リスクを抑えてテストマーケティングを行うことが可能です。
面白いクラウドファンディングの企画12選!
ここからは、クラウドファンディングでどのような面白いプロジェクトが過去に立ち上がっているのか、事例を紹介します。
カワウソの手形
(プロジェクトURL:https://sandwichcrowd.com/project/report/723)
大分マリーンパレス水族館「うみたまご」が、クラウドファンディングを行いました。背景としては、新型コロナウイルスの影響で、来場客が減少しているため、年間約4,000万円に上る生き物の餌代を確保するためです。
リターンは十数種類あり、その中には「カワウソの手形がついた台紙」や「ペンギンの足跡がついたTシャツ」、「自然に抜けたサメの歯」、「セイウチの鳴き声の音声」などがあり、水族館ならではのユニークなリターンによって人気を博しました。
最終的な結果としては、600万円の目標金額に対し、1,600万円以上の資金調達に成功しています。
「彼女、お借りします」で有名な漫画家が広告を出すためのプロジェクト
(プロジェクトURL:https://camp-fire.jp/projects/view/545773?list=anime_popular)
大人気漫画「彼女、お借りします」の連載5周年とアニメ二期を記念して、作者である宮島礼吏がプロジェクトをクラウドファンディングにて立ち上げました。
資金調達に成功すると、JR渋谷駅に特大サイズの広告を出すことを目的としており、等身大のヒロインたちがハチコーボードに描かれます。
リターンとしては、「キャラリクエスト権付き・サイン色紙」や「渋谷駅に掲示する広告に名前が掲載される」などの、他のプロジェクトとは一味違うリターンを設計しています。
2022年3月31日にプロジェクトの終了を予定しており、2022年3月時点で目標金額600万円に対し、980万円以上の資金調達に成功しています。
花譜さんの「ファーストワンマンライブ」
(プロジェクトURL:https://camp-fire.jp/projects/view/153477)
バーチャルシンガーで有名な花譜さんが、ワンマンライブの実施を目的に、CAMPFIREでプロジェクトを立ち上げました。
花譜さんは、バーチャルシンガーなので、通常のアーティストが行うリアルライブとは異なり、映像表現の部分でかなりの制作コストがかかります。そのため支援者から集めた資金の使い道としては、会場や機材のレンタル費以外にも、映像制作費に使用したようです。
また、こちらのプロジェクトは、All or Nothing 型で実施されましたが、「ライブチケット」以外にも「詩集朗読音声」、「オリジナルTシャツ」や「花譜さんからのお礼文章」などのユニークなリターンが設計されており、プロジェクト開始直後に目標を達成しました。
最終的には500万円の目標に対し、4,000万円以上の資金を調達し大成功を収めています。
高校生たちが作成する幼児向け絵本
(プロジェクトURL:ttps://camp-fire.jp/projects/view/423104)
兵庫県立豊岡高校の生徒たちが、豊岡市の魅力を伝える手作りの絵本を製作し、豊岡市の保育園や幼稚園などに絵本を配布することを目的に、プロジェクトを立ち上げました。
近年、スマートフォンの普及により「スマホ育児」という言葉が生まれ、絵本にふれる機会が減ってきている状況です。そのような中で、対象年齢にあった絵本を作成し、学童施設の方と連携することで、 絵本の提供だけではなく読み聞かせも高校生たちが行いました。
支援者から集めた資金の用途に関しては、印刷代や送料などに使用され、支援者には制作された絵本などがリターンとして配布されました。
最終的な結果としては、目標金額100万円に対し、150万円以上の資金調達に成功しています。
西野亮廣さんの「えんとつ町のプペル」
(プロジェクトURL:https://cf.fany.lol/projects/1189)
お笑い芸人でキングコング西野亮廣さんが手掛けた映画「えんとつ町のプペル」の前売り券を全国の子どもたちに配布する事を目的にクラウドファンディングを行い、リターンとしては、西野亮廣さんが実施するオンライン講演会などをリターンとして設定しました。
また映画の前売り券は、可能な限り西野亮廣さんが支援対象のコミュニティーの代表者に手渡しで配布しました。そういった行動に共感した支援者がSNSなどで拡散し、最終的には1万人以上の支援者を集め、3,000万円以上の資金調達に成功しています。
LITAさんとLIZさんのアルバム作成
(プロジェクトURL:Fanbeats社のサービス終了によりURLなし)
バーチャルガールズデュオ「KMNZ(ケモノズ)」で有名なLITA(リタ)さんとLIZ(リズ)さんは、オリジナルアルバムの制作を目的に、クラウドファンディングサイトでプロジェクトを立ち上げました。
「ライブアーカイブ映像」以外にも、クラウドファンディング限定の「アルバム制作秘話ボイス」や「動画でのお礼メッセージ」などのファンの期待に応えるようなリターンが多く、プロジェクト開始直後から人気を博していました。最終的には目標金額500万円に対し、1,100万円以上の流通金額を集めています。
甘ノ星ちろるさんの3D化
(プロジェクトURL:ttps://camp-fire.jp/projects/view/520613)
「プロプロプロダクション」というVTuberグループに所属する甘ノ星ちろるさんがクラウドファンディングにて、資金調達を行いました。甘ノ星ちろるさんは、3Dの姿でダンスを披露することが、長年の夢であり、3Dモデルの制作をする事を目的にプロジェクトを立ち上げました。
リターンとしては、クラウドファンディング限定の「3Dお礼ムービ」や「PC用壁紙」以外にも「3Dモデルでの1on1」など既存のファンの期待に応えるリターンが多く設定されていました。
最終的には目標金額150万円に対し、300万円以上の資金を集めています。
アニメ映画「この世界の片隅に」
(プロジェクトURL:tps://www.makuake.com/project/konosekai/)
「この世界の片隅に」製作委員会は、アニメ映画「この世界の片隅に」の公開を目的に、クラウドファンディングで資金調達及び「制作支援メンバー」の募集を行いました。
「制作支援メンバーミーティングの参加券」「エンドロールの特別枠に名前を表示する事ができる権利」など、他プロジェクトにはないユニークなリターンを設計しており、中には100万円を超えるような高額なリターンもありました。
クラウドファンディングにて集めた資金の用途としては、「スタッフの確保」や「パイロットフィルム」にあてられました。最終的には、目標金額の2,100万円に対し、3,900万円以上の資金調達に成功しています。
前代未聞の”湯〜園地”を別府に実現!!
(プロジェクトURL:https://camp-fire.jp/projects/view/18713)
温泉と遊園地を同時に楽しめる大分県別府市の「湯(ゆ)~園地(えんち)」計画をめぐり、クラウドファンディングを行いました。「湯〜園地」は、別府市長が“遊べる温泉都市構想”として発表したものであり、無謀ともいえる計画ながらもYouTubeで施設のイメージ動画を公開し、100万回再生時には「湯~園地を実現する!」と市長が公約。
そこで今年の2月に「どうせやるならやりすぎたい!温泉×遊園地=前代未聞の”湯〜園地”を別府に実現!!]をスタートしました。
「タオル型入園券」や「一番風呂の権利」などのユニークなリターンを設計しており、YouTubeの反響もあり、公開直後から購入が殺到しました。
最終的には、1,000万円の目標金額を大幅に超える3,396万円を集めることに成功しています。「湯〜園地」は2017月29日・30日・31日の3日間限定でオープンされました。
ロケットを飛ばすプロジェクト
(プロジェクトURL:ttps://camp-fire.jp/projects/view/54332)
ロケット開発を行うインターステラテクノロジズ株式会社が、ロケットの打ち上げを目的にクラウドファンディングを行いました。
2016年にMOMO初号機を打ち上げるべく、クラウドファンディングでプロジェクトを立ち上げ2,000万円を超える資金調達に成功しました。しかし打ち上げ後、ロケットからのデータ受信が途絶えてしまったため、地上から遠隔でエンジンの停止が行われました。
インターステラテクノロジズ株式会社は、MOMO初号機のデータ受信が途絶えた原因をつきとめ、MOMO2号機を開発しました。
リターンとしては、「報告書」や「打ち上げ参加権」など唯一無二の面白いリターンが設計されており、最終的には2,800万円以上の資金調達に成功しています。
鴨頭嘉人さんの「無料講演会」
(プロジェクトURL:https://www.kamofunding.com/projects/miyazaki)
鴨頭嘉人さんが、自身で運営しているKAMOファンディングというクラウドファンディングサイトで、地方創生を目的としてプロジェクトを立ち上げました。赤字覚悟で立ち上げられたプロジェクトは多くの支援者の「共感」を集め、最終的には30万円の目標金額に対し、300万円の資金調達に成功しました。
また「講演会の録画」や「オンラインスクールの1ヶ月参加権」などのユニークなリターンを設計したことが成功した要因の1つと言われています。
魅力的なリターンを組むためのコツ
ここからは支援者が思わず購入したくなるような魅力的なリターンを設計する方法を紹介します。
限定数を設定し特別感を出す
クラウドファンディングでは、プロジェクトの公開直後の5日間でどれだけ支援を集められたのかが、プロジェクトの成功を大きく左右します。そのため、公開直後から資金を調達できるようなリターンを設計する必要があります。
プロジェクトの公開直後から支援者に対して購入を促すには、早期購入者に対し限定の特典、あるいは数量限定の割引を行う事が非常に効果的です。
商品の詳細を記載する
クラウドファンディングでは、支援者にプロジェクトの「共感」を呼びかけ、「支援」という形で購入していただく事が重要です。そのためプロジェクトページには、プロジェクトを立ち上げた背景やプロジェクトに対する思いを記載する事が効果的です。
しかし、購入型クラウドファンディングの場合、仮に支援者に「共感」をしていただいても、リターンを魅力に感じなければ購入まで至らないケースが多いと言われています。そのため、支援者に対するリターンの詳細を記載する必要があります。
リターンを複数用意する
クラウドファンディングでは、「支援者数」及び「支援金額」が見える状態になっています。
そのため、プロジェクト公開直後に「支援者数」や「支援金額」を増やし、”賑わっているプロジェクト”であることを支援者に伝えることが非常に重要です。
「支援金額」に関しては、起案者の集客施策や知名度によって決まりますが、「支援者数」に関しては、複数のリターンを設計することで大きく変わってきます。
例えば、3つのリターンを、1人の支援者が購入すると、購入された方は1人ですが、「支援者数」は3人とカウントされ表示されます。このように、複数リターンを設定することで、「支援者数」を最大化することができ、支援者に対し、さらなる購入を促すことができます。
まとめ
さて、今回はクラウドファンディングの面白いリターンと、魅力的なリターンの設計方法について紹介しました。クラウドファンディングのそれぞれのプロジェクトは多種多様なアイデアで溢れており、オリジナリティの高い企画が数多く存在します。今回ご紹介したリターンを参考にして、独自のプロジェクトを企画してみてはいかがでしょうか。
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