購入型クラウドファンディングはECサイトとは違うの?比較してみた

近年、市場規模がますます拡大している購入型クラウドファンディングとECサイト。どちらもインターネット上でモノやサービスの売買を行なうサービスであり、しばしば混同させてしまっている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は購入型クラウドファンディングとECサイトのそれぞれの特徴、相違点について紹介していきます。
購入型クラウドファンディングとは
ENjiNEではこれまで、購入型クラウドファンディングの紹介を何度もしてきましたが、おさらいも含め改めて説明します。
購入型クラウドファンディングは、リワード(報酬)として、モノやサービスが提供されるクラウドファンディングの一種であり、資金調達やPR、テストマーケティングといった形で個人/法人問わず、国内では最も多くプロジェクトが実施されています。企画の内容によって様々ですが、先行割引で購入できるモノや先行イベントへの参加、特別会員権などのサービスを購入クラウドファンディングで得ることが可能です。
現在、国内で人気のクラウドファンディングプラットフォームのReadyforやCAMPFIRE、Makuake、MotionGalleryなどは、いずれも購入型クラウドファンディングであり、また、世界大手のクラウドファンディングと言われているKickstarterやIndiegogoもそれに相当します。
ECサイトとは
つぎにECサイトについて説明していきます。
ECとは、Electronic Commerceの略で、「電子商取引」と訳されます。ネットを通じて行なわれるモノやサービスの売買を提供するWebサイトであり、インターネット上のモノやサービスの販売サイトのことです。
ECサイトには、モール型と自社サイト型の二種類が存在します。モール型は、楽天市場、Amazonマーケットプレイス、Yahoo!ショッピングなどのモールに出店するタイプで、決済もモールが代行します。一方、自社サイト型は、自らECサイトを構築するタイプであり、最初から自分でつくり上げるケースもあれば、「ECサイト構築ツール・サービス」「ショッピングカート・サービス」を使ってつくり上げるケースなど、やり方はさまざまです。
相違点
先に述べた通り、購入型クラウドファンディングもECサイトも「インターネット上で製品を販売する」という点はどちらも同じです。しかし、販売される製品が、すでに商品化されている物か、日本での販売が決まっている物かという部分に違いがあります。
クラウドファンディングの場合、資金が集まる前段階のため、まだ商品化されていなかったり、海外製品であれば日本での販売が決まっていなかったりする製品を取り扱うため、プロジェクトが上手くいかなければ、その製品は二度と手に入らなくなる可能性があります。よほどの事故がない限り確実に購入できるECサイトと比べ、支援しないと一生手にできないかもしれないという意識が強まるのがクラウドファンディングならではの特徴と言えるでしょう。
クラウドファンディング型ECサイト
さいごに、そんな購入型クラウドファンディングとECをハイブリッドさせた「クラウドファンディング型ECサイト」についていくつか見てみましょう。
ケツジツ
https://store.kadokawa.co.jp/shop/k/
株式会社KADOKAWAは、クラウドファンディング型のECサイト「ケツジツ(ketsujitsu)」を2015年3月30日にオープンしました。一般的に販売されていない商品を事前予約で募り、規定数に達した場合のみ製造し販売するという仕組みです。規定数に達しなかった場合は企画が不成立となり、登録したクレジットカードから引き落とされずに終了します。
プロジェクトが成立してから、商品の制作やサービスの提供が始まるため、サイト側は購入者のニーズを把握することができ、支援者もリスクを背負うことなく商品購入に取りかかれます。
ENjiNE
株式会社Relic.が運営するENjiNEは、ユーザーが支援した金額に対して物品やサービスを対価として提供する購入型クラウドファンディングですが、対価の提供を物品やサービスの引換券に相当するチケットを販売という形態にしているのが特徴です。そのチケット自体の流通を自由化にすることで、Eコマース市場を中心に世界中のユーザーに対して広くリーチできる、世界初のチケット購入型プラットフォームです。
チケット購入型の導入により、チケット自体を既存のEC市場に流通させることで、クラウドファンディング市場よりも大きいアプローチが可能となります。従来のクラウドファンディングが国内のサイト内での販売に留まっていたのに対し、ENjiNEはサイト内・サイト外、国内・海外と、幅広く資金を集めることが可能です。
まとめ
さて、今回は購入型クラウドファンディングとECサイトの特徴と相違点について紹介しました。
どちらも「インターネット上で製品を販売する」という点は同じですが、購入型クラウドファンディングは「モノを買う」だけでなく、「支援/応援する」という感覚も加わってきます。ニアリーイコールである両者ですが、モノを手にする時の意識の違いが最も顕著なのではないでしょうか。
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