MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)とは?

MVVとはミッション・ビジョン・バリューの略であり、新規事業を立ち上げる際に重要な概念です。
本記事を最後まで読んでいただくと、MVVがどのように新規事業に役に立つのかや、MVVの策定方法を理解していただけます。
Contents
新規事業に欠かせないMVV策定とは?
MVVとは「Mission(ミッション)」、「Vision(ビジョン)」、「Value(バリュー)」の頭文字をそれぞれつなげたものです。MVVを策定する前に、ミッション・ビジョン・バリューの言葉の意味を十分に理解しておく必要があります。
ミッションとは
ミッションとは、「事業をする理由」や「事業を通して成し遂げる使命」を表す言葉です。
具体的には、社会のどのような課題を解決したいのか、課題を解決した上でどのような社会になっていて欲しいのかをミッションとして定めます。
ビジョンとは
ビジョンとは、事業の将来あるべき姿や中長期的に目指す目標像を、その会社に関わる誰もがイメージが湧くように表現したものです。つまり、事業が市場においてどのような役割を担うのかを表す言葉となっています。
バリューとは
バリューとは、価値観や行動指針・姿勢を定めた言葉です。ミッション・ビジョンを達成するには、事業における「価値基準」が明確に定まっていることが必要です。
「事業を通して顧客に与える価値やサービスは何か」を考え、そこからバリューを逆算します。
新規事業におけるMVV策定4つのメリット
MVVを策定していると新規事業にはどんな良い点があるのでしょうか?この章ではMVV策定のメリットについて詳しくみていきます。
事業の軸がぶれなくなる
MVVを決めていると、事業としてやるべきことが明確になります。逆に、MVVがしっかり定まっていないと、その事業内で「やるべきこと」と「やるべきでないこと」の区別がつかなくなり、事業の軸がぶれてしまいます。
意思決定のスピードがあがる
MVVの策定は意思決定のスピードの向上にも繋がります。新規事業を進めるにあたって、課題や問題に直面することや何かの選択を迫られる場面は多くなってきます。そこで、しっかりとしたMVVが存在していると、これに基づいて考えることで正確な意思決定を素早くできるようになります。
逆にMVVに即さない意思決定は一貫性がなくなり、長い目で見るとリスクや弱みになることもあります。
組織が同じ方向を向いてまとまる
ミッション・ビジョン・バリューが明確な言葉で表現されていると、「何を目指してどのように行動すればよいか」が分かりやすくなります。結果、事業を推進する組織が同じ方向を向いてまとまり、また、メンバーのエンゲージメントの向上にも繋がります。
商品やサービスの魅力・訴求力が高まる
プロダクトやサービスが独自のMVVに基づいているとそれは自然と訴求力や魅力が高いものとなります。なぜなら、MVVを追い求めることは、商品やサービスにとって独自の「ストーリー」の構築に繋がり、結果として本質的かつ独自の価値をもつようになるからです。
さらに、この本質的で独自の価値をもつ商品・サービスは競合優位性にもなり得ます。例えば、機能的で最先端の技術をふんだんに使った商品やサービスのコピーは現実的に可能である一方、MVVに基づいた「ストーリー」のある商品・サービスはコピーできないからです。
MVV策定時に意識すべきこと
MVVを策定するメリットがわかったので、さっそく策定方法をお話ししたいところですが、その前にMVV策定時に意識すべきことについて解説します。意識すべき点を意識できていなければ、意味のないMVVとなってしまうからです。
ニーズやインサイトを分析する
MVVを策定する前段階として、顧客のニーズやインサイトを分析しましょう。「xxxxという課題を解決してyyyyのような世界を作りたい」と意気込みがあったとしても、実際にその課題を抱えている人間が存在しなければビジネスは成立しません。
したがって、MVV策定前に進出する予定の市場における顧客のニーズやインサイトをしっかり分析することが重要です。
感情面とロジック面のバランスを取る
MVVを検討・策定する際、分析結果やロジックを優先しすぎて、感情面を疎かにすると、MVVに想いがこもらず淡白な感じになってしまいます。そうなると、事業推進意欲の低下やそれに伴う生産性の低下につながってしまう可能性があります。逆に感情面を前面に押し出し、分析をおろそかにすると今度はロジックが通らず事業は成功しません。MVVの策定時は感情とロジックのバランスを意識しましょう。
共感しやすい言葉で端的に表す
MVVは事業を創っていくメンバーに向けたメッセージであると共に、顧客やパートナーなど外に向けたメッセージでもあるので、誰にでも簡単に理解でき、そして共感してもらう必要があります。なので、分かりやすく共感を得やすい言葉で端的に表現しましょう。
また、MVVを端的にまとめられない場合、事業の方向性をしっかり定め切れていない可能性があります。
新規事業におけるMVVの策定方法や役立つフレームワーク
では、実際に新規事業を作る際にMVVを策定するにはどんな手順で策定していけばよいのでしょうか?MVV策定に役立つフレームワークや具体的な手順について解説していきます。
PEST分析
PEST分析は政治(Politics)・経済(Economy)・社会(Society)・技術(Technology)の4つの切り口から社会や世界の流れをマクロに分析するためのフレームワークです。
ミッションでは「社会や世界にどのような影響を及ぼしたいのか」や「どんな課題を解決したいのか」を定める必要があるので、PEST分析で世の中や社会情勢を理解しておくと役立ちます。「PEST分析」について詳しく知りたい方は下記の記事をご一読ください。
3C分析
3C分析とは顧客(Customer)・競合(Competiter)・自社(Company)の3つの切り口から事業の戦略を考えるためのフレームワークです。競合はどんな価値を提供しているのか、また自社では何ができるのかを検討することで、改めて自分たちは社会にどんな価値を及ぼしたいのか、及ぼし得るのか明確にできます。
ビジョンでは「自社が市場の中でどんな役割を果たすか」を決める必要があるため、3C分析で市場について分析ができていると効果的です。「3C分析」について詳しく知りたい方はこちらの記事をご一読ください。
ミッション→ビジョン→バリューの順に策定
MVVは順番通り、ミッション→ビジョン→バリューの順に決めていきます。
まずは上記のPEST分析や3C分析をもとに、新規事業を始めるにあたってどんな世界や社会にしたいか、どんな課題を解決したいかを明確にし、「ミッション」を決めましょう。
次にビジョンを決めていきます。ビジョンはミッションが達成されている時の事業の将来像を表します。つまり、「ミッションで描いた世の中になったとき、事業はどうなっているだろうか、どんな役割を果たしているだろうか」と逆算して考えると自ずとビジョンは定まります。
最後にバリューを決めていきます。バリューはミッション・ビジョンを達成するための事業メンバーの行動指針や姿勢です。なので、バリューも「ミッションやビジョンを達成するためにはどんな行動をすべきか」と逆算して決めていくことが重要です。
まとめ
新規事業にMVVの策定は欠かせない
MVVとはミッション・ビジョン・バリューのことで、ミッションでは事業の社会における使命、ビジョンではミッションから逆算した事業の将来像、バリューではミッション・ビジョンに基づいた姿勢や行動規範・価値観を明文化したものでした。
MVVは新規事業を進める上で大きな柱となる重要な概念です。ぜひ、本記事で紹介したMVVの策定方法を参考に、あなたの携わる新規事業にふさわしいMVVを考えてみてください。
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