アイデアを量産できるSCAMPER法とは?効果的な使い方を徹底解説

「新規事業や新商品開発に向けてアイデアを多く出さないといけない」
「課題解決のためのアイデアがたくさん欲しい」
SCAMPER法(スキャンパー法)は、このようにたくさんのアイデアが欲しい場面で大いに役立つ思考法・フレームワークの1つです。この記事では、そんなSCAMPER法について詳しく解説します。本記事を参考にして、SCAMPER法を使った良いアイディアを生み出せるようになりましょう。
Contents
SCAMPER法とは?
SCAMPER法とは、アイデア発想法である「オズボーンのチェックリスト」を改良した、7つの項目からなる質問リストで、使いこなすことでアイデアを拡張・量産することができます。
SCAMPER法はアイデアを無の状態から生み出すものではなく、既存のアイデアを様々な角度から見直したり、検討したりすることで、元からあったアイデアを拡張・派生させていく方法です。したがって、最低限何らかのアイデアが既に存在してはじめて、SCAMPER法の真の威力が発揮されると言えるでしょう。
アイデアを拡げるSCAMPER法の7つの質問
「SCAMPER」はSubstitute(代用する)・Combine(組み合わせる)・Adapt(適応させる)・Modify(修正する)・Put to other uses(他の使い道を考える)・Eliminate(削減する)・Reverse/Rearrange(逆転させる/再編成する)の7項目の頭文字をとったものです。
これらの7つの考え方はアイデアを拡張・量産させるためにかなり有効なので、1つずつ詳しく説明し、また具体例も紹介していきます。
Substitute(代用する)
まず、最初に紹介するのはSubstitute「代用する」です。具体的には以下のように考えます。
- 代わりに他の材料でつくれないか?
- 代わりに他のものに置き換えられないか?
- 他のプロセスや手順を代用できないか?
- 場所や方法、形を他で代用できないか?
ポイントは、「もの」以外にも、場所や形・プロセスなども代用を考える対象に含まれるということです。
例:肉の代わりに野菜で「お肉料理」を作れないか?→豆腐ハンバーグ
Combine(組み合わせる)
2つ目はCombine「組み合わせる」です。2つ以上のものや概念を組み合わせて何か新しいものがつくれたりしないかと想像してみましょう。
- 合体させるとどうなるか?
- 混ぜ合わせると良いものができないか?
- xxxxとyyyyを統合することはできないか?
例:携帯電話とPCを合体させられないか?→スマートフォン
Adapt(適応させる)
Adaptでは「適応させる」や「応用させる」といった意味を持ち、既にあるアイデアを他のものに応用することはできないか検討します。
- 他業界のアイデアを応用できないか?
- 過去のアイデアを当てはめることはできないか?
例:「路上の無人野菜販売所」をお菓子にも応用できないか?→オフィスグリコ
Modify(修正する)
Modifyは「修正する」とか「変更する」のような意味です。既存のものから何かを修正・変更すると新たな価値や体験に繋がったりしないかを考えます。
- 大きさを拡大・縮小したりできないか?
- 形を変更することはできないか?
- 重さや匂いなどを変更できないか?
上記の方に想像を膨らませてみてください。
例:紅茶の色を変えてみることはできないか?→透明のミルクティー
Put to other uses(他の使い道を考える)
5つ目はPut to other uses「他の使い道はないか?」と考える方法です。具体的には以下のように考えを巡らせてみましょう。
- 他の人に使うことはできないか?
- 本来とは違う目的で使うことはできないか?
例:おむつを子供だけでなく大人にも使ってもらえないか?→高齢者用おむつ
Eliminate(削減する)
Eliminateは「削減」するという意味です。いっそ、削除してみたり、減らしてみることで新しいものや体験に繋がらないかと考えます。例えば以下のようなイメージです。
- 一部のプロセスを削除できないか?簡略化できないか?
- コンパクトにすることはできないか?
- 不要なものを取り除くことはできないか?
例:家具を組み立てや配送プロセスを省略して売ることができないか?→IKEA
Reverse・Rearrange(逆転させる/再編成する)
Reverseは「逆転させる」、Rearrangeは「再編成する」という意味です。順番などを並べ替えたり、逆転させて新たなものが作れないか考えてみましょう。
- パターンや順序を並び替えたり逆にできないか?
- 裏返したり逆さにしてみるとどうか?
- 原因と結果を逆にしてみると何か起きないか?
例:傘の持つ方向を逆にする→手が濡れにくい傘の誕生
SCAMPER法で効果的にアイデアを出すためのポイント3つ
アイデアをたくさん作り出すために有用なSCAMPER法ですが、より効果的に使うために意識しておきたい3つのポイントをご説明します。
核となるアイデアを用意しておく
冒頭でも述べましたが、SCAMPER法は何もない0からアイデアを生み出すのには適しておらず、既存のアイデアを拡張・派生させて多くのアイデアを量産する思考法です。
なので、SCAMPER法を使用する前に最低限、核となるいくつかのアイデアを用意しておくことが重要です。0の状態からは何も拡張・派生させることはできないからです。
この「核となるアイデア」を用意する方法ですが、例えばある業界で新商品を作る場合ですと、既にある商品のアイデアを核としたり、また、ワークショップなどで気軽に新規事業のアイデアを出したいときなどは、注目を浴びているベンチャー企業のビジネスアイデアを核としてみるのもよいでしょう。
時間制限を設ける
時間をかければかけるほど良いアイデアや多くのアイデアが生まれるわけではありません。アイデアを考える時間は10〜30分程度にし、短時間で集中して取り組むようにしましょう。
アイデアの質は後から評価する
アイデアを考えているときは、出てくるアイデアに評価したり、優劣をつけたりしないようにしましょう。一見馬鹿げているように感じたり、つまらないと判断してしまうようなアイディアも、良いものに化ける可能性を持っています。例えば、複数人でアイデアを出して共有すると、どんなアイディアも一旦肯定してみようという意識を醸成しやすくなります。ぜひ試してみてください。
まとめ
SCAMPER法の7つの質問や、具体的なアイデアの出し方についてご紹介しました。SCAMPER法は実際に、新規事業や新商品、問題の解決方法のアイデアを出すときにかなり有効な手段です。ぜひ事業アイディアの検討にご活用ください。
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