熊本復興支援で利用されたクラウドファンディングのプロジェクト/事例まとめ

クラウドファンディングは社会貢献や災害支援においても多くの人々が参加できるツールになっています。2011年の東日本大震災をきっかけに日本での寄付型クラウドファンディングの名が浸透し始めたことは以前説明しました。
昨年4月に発生した熊本地震の際にも数多くのクラウドファンディングプロジェクトが生まれ、復興支援に貢献してきました。今回は熊本復興支援に関連するプロジェクトをいくつか紹介したいと思います。
国内の主要クラウドファンディングサイトでは熊本地震の復興支援プロジェクト立ち上げ、被災地の復興、振興に関わるプロジェクトを募集しています。クラウドファンディングサイト最古参のReady For?をはじめ、FAAVOやDream raisingといった地域密着型のクラウドファンディングサイトも活躍しています。
Contents
緊急災害支援プロジェクト
- 震災復興支援協会つながり代表の勝又三成氏がプロジェクト代表を務めています。
- 震災翌日に同プロジェクトを立ち上げた勝又氏は国内・海外の災害復興支援を中心に、これまでに3万人のボランティアを派遣し活動をしてきており、その経験を生かし、熊本地震の時にも迅速な支援活動を精力的に行なっています。
- 短期間で8,688,000円もの支援金を募り、震災翌月に御船町役場に寄付しました。
- サイト上で新着情報を伝え、同プロジェクトの活動の様子を見ることができます。
- 勝又氏の同プロジェクトに対する熱意、そしてこれまでの彼の経験を支持した多くの人々の気持ちが金額として結果に表れ、町の復興に大きく貢献しました。
FAAVOの緊急支援プロジェクト
- 震災から数日後、FAAVOは全国56支部からなるFAAVOネットワークを駆使して、全国各地から支援金を集めるプロジェクトを始めました。
- 「支援金を熊本の被災地にいち早く届ける」ことをモットーに始まった同プロジェクトは調達手数料を差し引かず、速やかに現地の復興支援に充てられました。
- 短期間にもかかわらず多くの支援金が募り、中でもFAAVOさばえ(福井県鯖江市)は12日間に1,753,000円もの支援金を募りました。さらに同プロジェクト第2弾においても550,000円の支援金を募ることに成功しました。
- 各支部、地域内の結束が強まり、活動の活性化を生むきっかけに繋がりました。それと同時に支部間の交流が図れたことで一体感が生まれ、FAAVOサイト全体が盛り上がったようです。
破傷風ワクチンを被災地に届けたい
- NPO法人災害人道医療支援会:HuMAが立ち上げました。
- 災害で負傷された方々は傷口に菌が入り込むことで「破傷風」にかかる危険性が高く、2011年の東日本大震災でも発症された報告が出ています。
- 新鮮なワクチンを被災地の患者に届けるためのワクチン用保冷ボックスや専用の冷蔵庫、発電機の購入のためCFに参加しました。
- 目標金額(2,100,000円)よりも多い、2,591,000円の支援総額を募ることに成功しました。高機能医療モニターも購入できたことで、被災地でより確実な医療処置、対応を行うことができるようになりました。
- リターンとして同プロジェクトの活動報告会やHuMA勉強会の参加権などを受け取れます。
- 過去の災害で得た教訓や課題から生かされた必要度の高いプロジェクトを迅速に実現できたのもCFのおかげといえます。
避難所に医療スタッフが常駐するカフェ
- くまもと健康支援研究所が立ち上げました。避難所、仮設住宅生活が長引くことによる高齢者の方々の孤立や体力低下を懸念し、熊本県内6か所に「くまカフェ」と呼ばれるスペースを設けるプロジェクトです。
- 理学療法士、栄養士、看護師などの医療スタッフが常駐することで気軽に相談にのれる機会を作り、生活意欲を向上する場所を提供したいという思いから同プロジェクトが誕生しました。
- 目標金額を達成し(1,031,000円)、多くの人々の憩いの場としてFacebookで活動の様子を報告しています。
熊本地震の現状と熊本の魅力を案内するバスツアー
- 起案者は被災した熊本県女性たちが結成したプロジェクトチーム「S-プロジェクト」です。
- 被災地である益城町を訪れ現状を伝えながら、熊本県の観光スポットやグルメをめぐるバスツアーを開催し、町おこしや復興に貢献するのが目的で企画されたプロジェクトです。
- リターンはバスツアー参加権のほかに独自ブランドMUZOCAの美容商品などを受け取れます。
- 熊本県の新しい観光地やグルメスポットを開拓することで町の活性化を支援し、さらに独自のブランド商品を展開するなど、復興支援だけなく女性の労働機会や生きるモチベーションを生み出しています。
数多くある熊本地震の復興支援に関わるCFプロジェクトの中から5つご紹介いたしました。寄付型CFだけではなく、ワクチン、カフェ、バスツアーなど、購入型CFも多くあることが分かります。
目標金額を達成し次第、支援額を遣ってスムーズに行動に移せるのは起案者としてやりがいを感じます。そして支援者もどのようにお金が遣われていったのかを簡単に確認できるので安心して支援ができます。この関係性を生み出せるのはCFならではの仕組みです。
多くの被災者が元の生活に戻り、明るく生きられるように支援する起案者と支援者の絆が深まれば、地域活性化につながり、希望の連鎖が生まれるのではないでしょうか。
参考URL
- つながり緊急災害支援 https://readyfor.jp/projects/8055
- FAAVO復興支援 https://faavo.jp/sabae/project/1250
- 破傷風ワクチン https://readyfor.jp/projects/huma_kumamoto
- 医療スタッフ常駐カフェ https://readyfor.jp/projects/8544
- バスツアー https://kumamoto.dreamraising.jp/projects/woman_bus-tour/
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