2023.11.18

クラウドファンディングで集めた資金への課税を最低限に抑える方法

クラウドファンディングで集めた資金への課税を最低限に抑える方法

今回は、クラウドファンディングで集めた資金への課税を最低限に抑える方法をお伝えいたします。

クラウドファンディングには主に寄付型・購入型・金融型を始めとする様々な型が存在しますが、資金調達者にとって、投資型と寄付型においては課税を最低限に抑えることが有効となります。そのため、今回は投資型と寄付型に限定してその方法を述べていきたいと思います。

投資型クラウドファンディングの節税方法

復習となりますが、投資型のクラウドファンディングは、資金を提供(投資)していただいた方に、「利益の分配等」をリターンとして提供する形式を取るものでした。税金は、出資の時点では出資者に課税義務はありませんが、資金調達者が分配金の発行を行った時に、出資者に納税の義務が発生するということは以前お伝えしました。分配金は雑所得の対象となり、源泉徴収税を控除した額が支給されるのでしたね。

一方、資金調達者については、法人の場合は法人税、個人の場合は個人所得税が投資型クラウドファンディングとして発生した利益に対して課されます。しかし、ここで出資者に分配金を支払った場合には、分配金を「必要経費」とすることができるのです。つまり、投資型クラウドファンディングとして発生した利益を分配金の支給=必要経費とすることで節税が可能になります。

寄付型クラウドファンディングの節税方法

寄付型のクラウドファンディングの税制が複雑なことは以前お伝えしました。支援者が個人OR法人×資金調達側が個人OR法人の4パターンに分けられ、それぞれ適応される税制が異なるということでしたね。

今回は資金調達者にとって節税の対策になりそうな箇所のみをポイントとしてお伝えします。まず最初は個人から個人に寄付するケースです。

寄付をする個人に関しては、税務上は何も処理することはなく、年末調整や確定申告での控除はできず、税金が返ってくることもありません。

一方、資金調達者やプロジェクトの立案者については、支援者から寄付を受けるだけでリターンはないことから税務上は贈与を受けるという扱いになります。

そのため、資金調達者が集めたお金には贈与税が課されます。贈与税は1/1~12/31までに受け取った贈与額から基礎控除額の110万円を差し引いたものに、税金がかけられます。そのため、クラウドファンディングで寄付を集める際は、110万円以上の寄付を集めると贈与税がかかってくるということです。

例えば、寄付金の寄付金を350万円程度集めようと思った時、贈与税は(350万円-110万円)×15%の48万円となり、手元に残るのは350万円-48万円の302万円です。

一方、300万円集めた時には、(300万円-110万円)×15%の28万5千円の税金で良く、集めた金額が50万円変わるだけで、税金は20万円も変わってしまうのです。そのため、どの程度の金額を集めたいかということを考える際に、贈与税で差し引かれる金額を考慮しながら、プロジェクトの達成可能性と合わせて、金額を設定する必要があります。

合わせてこの場合は、クラウドファンディングのプラットフォームに支払う手数料を必要経費とみなすことはできないので注意してください。

次は②法人から個人への寄付のケースです。

この場合、寄付をする法人には法人税法が適用され、節税の方法はありません。一方、資金調達者である個人については、調達した資金は一時所得とみなされて、所得税がかかります。

ただ、所得税の対象として認められるということは、必要経費が認められるということですので、クラウドファンディングのプラットフォームに支払う手数料については必要経費としてみなすことができ、調達した資金から差し引いて計算できます。

一時所得は特別控控除が設定されていますので、総調達額-必要経費-特別控除額(最高50万円)で求めることができます。

下記の所得税の速算表からもわかるように、所得税は贈与税よりも税率が低いため、先ほどと同様、350万円の資金を集めようとした場合、手数料が10%の35万円だとすると、350万円-35万円-50万円の、265万円に対して所得税が10%課税されるので、所得税は26.5万円となります。贈与税が48万円だったのに比べると、約20万円ほど税金が節約できることになりますね。

所得税も、課税所得が大きいほど税率も高くなりますので、先ほどの贈与税同様プロジェクトの達成可能性と合わせて、効率的に集められる金額を設定する必要に留意してください。

以上、今回はクラウドファンディングで集めた資金への課税を最低限に抑える方法について述べてきました。

クラウドファンディングを実施する際には集める額が多ければ多いほどいいと見なされがちですが、節税対策も考慮して、効率的な資金集めを行うことが大切です。

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