2023.12.13

インセプションデッキで始める「摩擦の少ない」新規事業開発のススメ

インセプションデッキで始める「摩擦の少ない」新規事業開発のススメ

あなたの新規事業開発がうまくいかないのは単なるコミュニケーションの問題かもしれません。

Develop Light

新規事業は不確実性との戦いです。
良いアイデアが生まれない、技術がない、お金もない…
決まった正解がないからこその様々な難題が存在しています。

ただ、その中でも「メンバー間でのコミュニケーション」で失敗に終わるケースが多いことは、意外に知られてないように思います。新規事業開発はしばしば、全く異なるバックボーンを持ったメンバーで行われます。 様々な価値観をもった人間が集えば、下記のような認識のズレによるトラブルが頻発します。

  • 同じ事業について話し合っているはずなのに、なぜか全く議論が噛み合わない
  • よくよく確認したらかなり根本的な段階から認識のズレが発生していた
  • 作業の大幅な手戻りが発生
  • メンバー間に不満がたまり、モチベーションの差が発生
  • チームが機能不全に陥る

実際に新規事業開発の現場を見ると、コミュニケーションの摩擦が大きなネックになっているケースに多く遭遇します。

当記事では、そうした軋轢の解消に有用なフレームワークインセプションデッキを用いた「コミュニケーションの摩擦が少ない」新規事業開発のやり方について解説していきます。

わずか10個の質問に答えるだけで使えるインセプションデッキ

インセプションデッキは、「プロジェクトを成功に導くために重要な要素をまとめた”10個の質問票”」です。

ThoughtWorks社のRobin Gibson氏によって開発され、アジャイルサムライの著者 Jonathan Rasmusson氏 により広く認知されるようになりました。

開発者が考案した「プロジェクトを進めるための基本的な質問(プロジェクトの目的、ターゲット情報、タスクリスト、開発スケジュールなど)」メンバーで議論しながら埋めていきます。

10個の質問はどんな事業内容にも当てはまる「本質的な問い」で構成されているので、不確実性の高い新規事業開発において強力な指針として機能してくれるはずです。

使いかたは自由ですが、「指針」を決める意味でプロジェクトの最初期に一旦全て埋められると良いでしょう。

では早速、個別の質問について見ていきましょう。

1.我々はなぜここにいるのか

我々はなぜここにいるのか

  • プロジェクトの発足理由と、そのゴールについて確認します
  • 全ての根幹に当たる、最も重要な問いです

2.エレベーターピッチを作る

エレベーターピッチを作る

3.パッケージデザインを作る

パッケージデザインを作る

プロジェクトの概要と、競合の差別化要素を確認します

  • 顧客の課題と、それに対応するサービス機能を確認します
  • 可能なら実際にパッケージのイメージスケッチを描いてみると良いでしょう

4.やらないことリストを作る

やらないことリストを作る

  • 開発対象のスコープを整理します
  • あえて「やらないこと」を明記することで、タスクの全体感が明確になります

5.「ご近所さん」を探せ

ご近所さんを探せ

  • ステークホルダーとその責務を把握します
  • プロジェクトを進めていく段階で生じる、誰が何を担当していたのかが不明瞭になる現象を防ぎます

6.解決案をつくる

解決案をつくる

  • 技術的な方法論についての検討をします(ソフト、インフラ、ハードなど)
  • ここは決まった枠組みに当てはめていくよりは、自分たちのシステムをわかりやすく表せる概略図を用いると良いでしょう

7.夜も眠れなくなるような問題は何だろう

夜も眠れなくなる問題は何だろう?

  • リスクの把握を行います
  • 対策を講じることはもちろん、リスクを文字に起こして「見える化」しチームで共有すること自体に大きな意味があります

8.期間を見極める

期間を見極める

  • 大まかなスケジュールを検討します

9.何を諦めるのかをはっきりさせる

何を諦めるのかをはっきりさせる

  • 各タスクの優先順位を確認します
  • 同じ「優先度」のものが入らないようにしましょう

10.何がどれだけ必要なのか

何がどれだけ必要なのか

  • プロジェクトの体制と求められるスキルセットを確認します

インセプションデッキをうまく使うたった1つのコツ

いかがでしょうか。

ざっとみて「やることはわかったが、これをその通り記入しても、うまく機能するイメージが湧かない…」といった釈然とした気持ちになったと思います。

インセプションデッキをうまく使うためのコツとして、それが「チームで何度も議論し、内容を磨いていくもの」であることを理解しておくと良いでしょう。

新規事業開発においては「仮説検証サイクル」をいかに精度高く回せたかが成果に直結します。

こうした状況下でインセプションデッキを最大限効果的に活用するためには「遵守すべき計画書」ではなく「議論の起点」として活用する必要があるということです。

皆さんも是非インセプションデッキを用いた「摩擦の少ない」事業開発に挑戦してみてください。

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