2023.12.20

VUCA時代を生き抜く、新規事業への取組み方とは?

VUCA時代を生き抜く、新規事業への取組み方とは?

「新規事業に取り組みたいが変化の早い現代において、何から始めればいいか分からない」

このようなお悩みをお持ちの方は本記事必見。

予想困難なVUCA時代における新規事業への取り組み方を「OODAフレームワーク」を用いてご紹介します。

VUCA時代とは?

「VUCA」とは、ビジネスの場面に限らず現代の社会経済環境が非常に予測困難であるという時代認識を表す造語です。

Volatility(変動性)Uncertainty(不確実性)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性)の頭文字をつなぎ合わせて「VUCA」と呼ばれています。

V…Volatility(変動性)

IT技術が発達している現代において顧客ニーズは大きく変動しています。

SNSを例に挙げると2000年代に国産のSNSとしてmixiが流行しました。

その後、mixiは海外の「Facebook」や「Twitter」などにシェアを奪われました。最近のSNS市場では、「Instagram」や「TikTok」など新しいサービスが生まれ競争が激化しています。

このように一度成功した企業でも優位性を保つことが困難になっています。

U…Uncertainty(不確実性

不確実性が高い状況ではビジネス計画を立てるのが困難になります。

「想定外」な事象とは、今回のコロナ危機や東日本大震災のような自然災害が挙げられます。

不確実な要因が無数に存在するため、ビジネスにおいて将来を予測し計画を立てることは難しくなっています。

C…Complexity(複雑性)

経済のグローバル化が一層進んだ現代社会では、様々な国の人々とビジネスの場で関わることが増えました。これにより各国の法制度や習慣、文化の違いなどが要因で、ビジネスが複雑化しています。

自動車配車サービスを手掛けるUberを例に挙げると、海外では一般的なタクシーの配車に加え、一般人が自分の空き時間と自家用車を使って他人を運ぶ仕組みを構築していますが、日本では法整備が追いつかずサービスを利用することができません。

A…Ambiguity(曖昧性)

現代は、ビジネスを取り巻く環境が急速に変化し、問題に対する明確な解決策が見つからない曖昧な状況です。

上記で説明した「Volatility:変動性」「Uncertainty:不確実性」「Complexity:複雑性」が組み合わさり、「Ambiguity:曖昧性」な状態になります。

VUCA時代に必要なフレームワーク

前述したようにVUCA時代はビジネスを取り巻く環境が急速に変化し、常に模索をし続けることが求められます。

従来は、「PDCAサイクル」と言って綿密に計画を立て実行に移すことが求められていました。しかし、そのやり方では現代のスピード感に追いつかない恐れがあります。

そこで今回は、VUCA時代を生き抜いていくのに必要な考え方として「OODAループ」というフレームワークをご紹介します。

OODAループとは、Observe(観察)Orient(状況判断、方向づけ)Decide(意思決定)Act(行動)の4つの行動の頭文字をとったものです。

会議の画像

上述の「PDCAサイクル」と「OODAループの違いとしては、PDCAが「計画を立ててから行動する」のに対し、OODAループは「状況を見てとりあえずやってみる」ところから始まります。

このOODAループは、新たな商品やサービスを開発する場面において活躍します。これまでの常識をもとに計画を立てると、市場のニーズと合っていないなどが原因で計画が頓挫してしまうケースも少なくありません。

無理に計画に固執すると、無駄な作業が発生して、市場の変化にスピード感を持って対応することもできないでしょう。

このような場面において、まずは市場などを観察することから始まり、その状況に合わせて柔軟に動くことを促すOODAループのほうが有効であると考えられます。

OODAループのメリット・デメリット

OODAのメリットは現場の状況に合わせ、臨機応変な対応ができる点」です。

OODAループは「状況を見てとりあえず進めて行こう」というフレームワークである為、上司や上層部の計画立案を待つことなく行動することができます。市場トレンドや顧客の動きを逐一観察し、計画に盛り込んでいくことで日々変化するニーズにあったサービスの展開が実施しやすくなります。

一方、OODAのデメリットは組織をまとめることが難しい」という点です。

OODAループでは組織の一人一人が自ら考え動くことを必要とします。その結果、組織の統制が困難になります。OODAを導入した組織をまとめるためには「全員が同じ方向を向くことができるビジョンやミッション」の共有が不可欠です。

天秤の画像

OODAループの使用例

OODAループの具体例として、ターゲットの変更を意思決定する際の流れを考えてみましょう。

Observe(観察)
商品プロモーションにおいて、20代の女性をターゲットとしています。しかし、調査の結果想定よりも20代の女性の売上が伸びていない一方、40代女性の売上が予想を大きく超えていたという事実が判明しました。

Orient(仮説、状況判断)
観察結果から、これまで20代の女性をターゲットとしてきたが、若年層では手が出せない価格帯になっていたのではないか?40代の女性なら経済的に手が出しやすいのではないか?という仮説を立てます。

Decide(意思決定)
仮説をもとにターゲットを20代の女性から40代の女性に変更することを決定します。

Action(実行)
広告の出向先やキャッチコピーなどを20代向けから40代向けに修正します。 

この一連の流れが終わったら、再度「Observe(観察)」のフェーズに戻り、40代女性をターゲットにした場合の観察と情報収集を行います。

そして新たに得た情報から次の仮説を立て、そのままビジネスを進めるのか、もしくは更なる変更をするのか、を検討します。OODAループではこのように意思決定と行動を繰り返していきます。

まとめ

変化の激しいVUCA時代を生き抜いていくために、必要な考え方の一つとして今回は「OODAループ」をご紹介しました。

市場を観察し、集めた情報を分析することで意思決定をし、実行するというOODAのフレームワークはVUCA時代に新規事業に取り組む上で必要なフレームワークであると言えるのではないでしょうか。

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