2023.12.7

STP分析のやり方・方法とは?マーケティング戦略における定義も含めて徹底解説

STP分析のやり方・方法とは?マーケティング戦略における定義も含めて徹底解説

新規事業を立ち上げる際や、マーケティングの基本方針を決める上では、様々なフレームワークがあります。その中でも特に役立つと言われているマーケティングの基本となる分析手法の1つが「STP分析」です。

本記事では、STP分析の概要や考え方について紹介していきます。

STP分析とは

はじめに、STP分析の目的と概要について説明します。

STP分析の目的

STP分析を活用することには、どんな目的があるのでしょうか。まず、商品・サービスの提供には、全ての顧客のニーズを満たすことは困難であるという前提があります。当然ながら、企業の経営資源も有限です。そのため、顧客やニーズを整理した上で、誰(どんな顧客)に向けて商品・サービスを提供するのかを明確にする必要があります。

また、参入する市場では、ほとんどの場合、競合他社が存在します。できるだけ競合と差別化し、競合との競争を回避するため、自社の優位性を明確にしておくことが重要です。

そのような背景がある中で、STP分析の手法で検討することで、どの市場に対し、どのような立ち位置で商品・サービスを提供するべきかを決めやすくなります。

STP分析の概要

STP分析は、マーケティングの第一人者であるフィリップ・コトラー氏が提唱した分析手法です。STPは、セグメンテーション(Segmentation)、ターゲティング(Targeting)、ポジショニング(Positioning)の3つの頭文字に由来しています。

それぞれの意味は、以下の通りです。

セグメンテーション(Segmentation) 市場を同質のニーズを持っているグループに分ける
ターゲティング(Targeting) 分けたグループのうち、どの市場を狙うか決める
ポジショニング(Positioning) 狙う市場における、自社の立ち位置を決める

STPの考え方

続いて、STPのそれぞれの考え方や参考となる指標について説明します。

セグメンテーション

セグメンテーションとは「市場細分化」を意味しますが、顧客や市場を細かく分ける作業を行います。市場は、消費財市場と生産財市場に分類できますが、4つの変数で細分化します。

消費財市場(BtoC)

  • 人口動態変数:年齢、性別、家族構成、職業など
  • 地理的変数:国や地域、気候、人口密度、住まい、文化など
  • 心理的変数:ライフスタイル、価値観、趣味嗜好、購買動機など
  • 行動変数:購買活動、購買心理、購買契機など

生産財市場(BtoB)

  • 人口動態変数:業種、規模
  • オペレーティング変数:使用頻度、顧客の能力
  • 購買アプローチ変数:購買方針、購買意欲
  • 状況要因変数:緊急性、受注量

ターゲティング

ターゲティングでは、細分化された市場のうち、どのセグメントをターゲットとするかを検討します。狙う市場を絞り、決めることがここでの目的となります。

まずは、3Cのフレームワークで、ターゲットを絞ります。

  • Customer(顧客)視点:セグメントの市場規模・成長性・収益性はどれくらいあるか
  • Competitor(競合)視点:競合はいくつ存在し、どれくらいの規模・どのような優位性を持っているか
  • Company(自社)視点:自社のこれまでの戦略・ブランドと整合性が取れているか

加えて、5Rのフレームワークで評価することで、より詳細な検討が可能となります。

  • Realistic Scale(有効な規模):利益が得られる市場か
  • Rate of Growth(成長性):今後も売上が伸びるか
  • Rank & Ripple Effect(優先順位と波及効果):顧客にとっての優先順位の確認、近接した市場の売上が期待できるか
  • Reach(到達度):顧客にマーケティング施策がどれほど届くか
  • Rival(競合):どれくらい競合がいるか、競合に対する優位性はあるか

ポジショニング

ポジショニングでは、自社の事業が属するセグメントにおいて、どのような立ち位置(ポジション)を取るかを検討します。ここで重要になるのが競合との差別化です。

いくつかの視点から競合と比較し、自社の強みや競合に対する優位性が図れるようなコンセプトを固めます。

価格や品質、納期、デザイン性などが比較軸の候補として挙げられます。

また、「顧客の目線」を忘れないようにしましょう。顧客が抱えている課題を、競合と比べて上手に解決することができるか、顧客から見て分かりやすい特徴があるかも、顧客にアプローチする上では必要な視点です。

STP分析を活用する際の注意点

続いて、STP分析を活用する際の注意点についてをおさえておきましょう。

・定期的に見直す必要がある

STPは新規事業を立ち上げる際や既存事業のマーケティング方針を決める上で、とても役立ちます。しかし、自社や競合の状況は流動的であるため、一度STP分析で検討を行って終わりにするのではなく、定期的に見直すと良いでしょう。

・STPの関係性・連動性を認識する

セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングのそれぞれを完全に独立した項目として捉えるのは、あまり適切ではありません。例えば、セグメンテーションやターゲティングの指標・評価が大きく変わると、ポジショニングも見直す必要があります。

それぞれが連動しているものとして認識すると良いでしょう。

STP分析のアウトプット例

最後に、STP分析のイメージを持っていただくために、マクドナルドを事例にSTP分析を行った際のアウトプットをご紹介します。

セグメンテーション 年齢

 

ライフスタイル:健康に対する意識

ターゲット 健康意識があまり高くない、10~30代の男女
ポジションニング 【スピード】

 

購入してから、数十秒~2分程度で提供

【価格】

ハンバーガー業界の競合であるモスバーガーやサブウェイよりも安い

【利用のしやすさ】

牛丼チェーンなどと比べて、男女ともに利用しやすい雰囲気

まとめ

いかがだったでしょうか。  

STP分析は、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの3つで構成されるフレームワークです。STP分析を用い、一気通貫で評価・検討を行うことで、マーケティング戦略の骨格ができます。

新規事業を立ち上げる際や、マーケテ ィングの基本方針を決める際は、ぜひSTP分析を活用してみてはいかがでしょうか。

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