2023.12.1

グローバル社会に求められる、サプライチェーン・マネジメントとは?

グローバル社会に求められる、サプライチェーン・マネジメントとは?

私たちが普段目にする商品の多くは、様々な原材料や部品などを組み合わせて製造され、小売店等での販売を通じて消費者の手元に届きます。

この様な一連の流れを「サプライチェーン」と言います。

今回はこのサプライチェーンの基本的な仕組みやメリット・デメリットについて解説します。

グローバル・サプライチェーンとは?

サプライチェーンとは、商品が消費者の手元に届くまでの、調達、製造、在庫管理、配送、販売、消費といった一連の流れのことを指します。

この一連の流れの中で繰り返される、受発注や入出荷といった取引のサイクルが鎖(=チェーン)に見立てられるため、「サプライチェーン」と呼ばれています。

グローバル・サプライチェーンマネジメントとは

サプライチェーンマネジメント(SCM)とは、商品が生産者から消費者まで届く一連の流れを総合的に見直し、全体の効率化と最適化を実現するための経営管理手法のことです。

例えば、サプライチェーン全体で、需要予測に関連した情報共有をすれば、過剰在庫を防ぐことができます。商品によっては、見込み生産をするラインと受注後に生産をするラインを分けるなどして、生産プロセス全体の最適化をすることも可能です。

この様に、サプライチェーンマネジメントは、生産体制を柔軟に変更できるため、食品や書籍など需要の変化が大きい商品の生産に用いられることが多いです。

グローバル・サプライチェーン・マネジメントが再注目される理由

サプライチェーン・マネジメントが最初に注目されたのは1990年代の頃で、決して新しい考え方ではありません。

しかし、近年、サプライチェーン・マネジメントが、世界中の多くの企業から再び注目を集め始めています。

ここからは、その理由について見ていきます。

① 経済および企業のグローバル化

IT産業が発展し、世界規模で生産・調達・販売のネットワークが構築されました。

つまり今日のグローバル経済においては、世界中の多くの企業が国際的な競争原理のもとで事業活動を展開していく必要があるのです。

グローバル化した世界経済においては、複数国から輸入した材料や部品で製品を作ることや、複数の国を跨いだ生産工程を採用することが当たり前になっています。

このような状況で「モノ・お金・情報」をしっかりと管理できない企業は、国際競争の中で後れをとる可能性が高まります。

日本企業を含む多くの企業が海外進出をしていくため、「モノ・お金・情報」を一元管理できるサプライチェーン・マネジメントの需要は増加しています。

② 労働人口の変化

現在、日本では少子高齢化による生産労働人口の減少が懸念されています。更に、今後は世界の国々の多く今後は世界の国々の多くが高齢化が進むと予想されています。そのような状況下で、これまで以上に世界中の多くの企業が事業の効率化を経営課題として挙げています。

製造業を例に挙げると、より効率的な生産・物流システムの構築が求められています。
サプライチェーン・マネジメントを駆使した、正確な需要予測に基づいた在庫管理の適正化は、より効率的な生産・物流システムの構築に欠かせないものとなっています。

グローバル・サプライチェーン・マネジメントのメリットとデメリット

ここからはサプライチェーン・マネジメント(SCM)のメリットとデメリットについて見ていきます。

サプライチェーン・マネジメントのメリット

在庫管理の最適化

製造企業にとって余剰在庫を抱えるということは、保管スペースを多く必要としたり、管理費用が発生したりします。そのため、余剰在庫を減らすことはコストの軽減に繋がります。

サプライチェーン・マネジメントを導入することで、在庫の可視化が可能になり、さらに物流の全体像を見渡すことができます。

その結果、効率的かつ最適な在庫管理が可能になります。

リードタイムの削減

サプライチェーン・マネジメントを導入することで、リードタイムの削減につながります。リードタイムとは、生産・製造に要する時間を指します。サプライチェーン・マネジメントを使うことで生産プロセス全体を管理することができるので、結果リードタイムの削減が可能になります。

売り上げの最大化

在庫管理の最適化とリードタイムの削減によって、売り上げの最大化が実現できます。

「モノ・情報・お金」を戦略的に管理することで、機会損失が削減され、キャッシュフローも活性化し、事業の業績アップに繋がります。

サプライチェーン・マネジメントのデメリット

システム導入に必要なコスト

続いてデメリットですが、最大のデメリットは、サプライチェーン・マネジメント導入のコストが挙げられます。

従来の業務プロセスの変更も視野に入れなければなりませんし、システム導入の金銭的なコストや、システムに携わる人材コストも考慮する必要があります。

まとめ

今回は、サプライチェーンについてご紹介しました。

サプライチェーンとは商品が生産者から消費者に届くまでのすべての工程をひとつの流れとして捉えた考え方のことです。サプライチェーン・マネジメントを用いることでリードタイム削減や適切な在庫管理に繋がります。

サプライチェーンは業界や商品、技術水準によっても異なるため、今後の社会背景・消費者の購買行動に合わせた変化に柔軟に対応していくことが求められます。

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