クラウドファンディングの成功率を高めるポイントと、やってはいけない4つの行動とは?

今回はクラウドファンディングの成功率について考察していきます。
近年、クラウドファンディングを活用したさまざまなプロジェクトがあり、話題を集めています。しかし、そのほとんどが成功するまでに厳しいプロセスを経ており、決して容易なものではありません。また、プロジェクトとして成功を収めないケースもあり、失敗に終わるものも少なくはありません。クラウドファンディングを活用したプロジェクトの成功率はいかほどなものなのか、さっそく見ていきましょう。
成功率の高いクラウドファンディングサイトの特徴
クラウドファンディングサイトによって、プロジェクトの成功率が全く異なります。
今回は、成功率の高いと言われる6つのサイトの特徴を紹介します。
CAMPFIRE
CAMPFIREは、国内最大級のクラウドファンディングサイトです。
近年、多数の人気芸能人や話題の著名人が、CAMPFIREでプロジェクトを行っている事やテレビCMなどの影響により
幅広い顧客層をターゲットにプロジェクトを掲載できます。
CAMPFIREの特徴は、下記の4つです。
- 手数料17%(決済手数料5%込み)と手数料が安い
- 個人から大企業、クリエイターが起案者となり幅広いプロジェクトが掲載している
- これまでに670万人以上購入があり、累計540億円以上の資金が集まっている
- 映画や音楽、ゲームなどのエンタメ関係や、ガジェット関係を中心に幅広いジャンルの商品で成功事例がある
手数料が安く、幅広い顧客層にアプローチできることから、はじめてクラウドファンディングを行いたい方に適したクラウドファンディングサイトです。
Makuake
Makuakeは、CAMPFIREとならぶ国内最大級のクラウドファンディングサイトです。
事業主体である株式会社マクアケは、AbemaTVなどを運営している株式会社サイバーエージェントの子会社であることもあり、高い集客力を誇っています。
Makuakeの特徴は、下記の5つです。
- 手数料20%(決済手数料5%込み)
- カスタマーサクセスのフルサポート体制を組んでいる
- 個人から大企業が起案者となり幅広いプロジェクトが掲載している
- 海外のエッジの効いた商品を中心に販売している
- 顧客層は新しいもの好きの方(アーリーアダプター)を中心に販売している
※カスタマーサクセスとは、お客様が価値を創出するための支援やサポートをする人です。
※アーリーアダプターとは、市場全体の約13.5%存在するといわれる新しいモノ好きの方です。
特徴としては、先進性が高いモノを好む傾向にあり、まだ誰も使用していないサービスも積極的に使用を行います。
海外で人気だが、あまり日本では取り扱っていない商品を主に販売しており、そういった商品の掲載を検討している方に適したクラウドファンディングサイトです。
READYFOR
READYFORは、国内最初のクラウドファンディングサイトです。
社会貢献性の高いユーザーが多く、そういったユーザーに適したプロジェクトが多いです。
READYFORの特徴は下記の3つです。
- 社会貢献性の高い医療や福祉などをテーマとしたプロジェクトが多い。
- 手数料は業界最安水準12%(決済手数料5%込み)
- これまでに1.5万件以上の掲載数、累計支援総額180億円以上が集まっている。
手数料が安く、医療や福祉などの一部のジャンルでは高い成功率を誇っており、医療や福祉などのサービスプロジェクトを行うのに適したクラウドファンディングサイトです。
GREEN FUNDING
2011年からサービスを展開しているGREEN FUNDINGは、複数の企業と提携をしており、成長中のクラウドファンディングサイトです。
GREEN FUNDINGの特徴は下記の3つです。
- 手数料は20%(決済手数料4%込)
- 掲載数より成功率を重視
- ガジェット関係のプロジェクトを中心に販売
ガジェット関係のプロジェクトを中心に販売していることから、ガジェット好きのユーザーが多く、ガジェット関係の商品を販売する際に適したクラウドファンディングサイトです。
ENjiNE
株式会社Relicが運営するENjiNEは業界最高水準の80%を超えるプロジェクトの成功率を誇ります。
複数のクラウドファンディングサイトに同時掲載で集客を拡大できることから、クラウドファンディング業界で圧倒的な実績を有しています。
ENjiNEの特徴は下記の3つです。
- 業界最高水準である成功率80%
- 成功プロジェクトにおける平均調達金額が約200万
- 日本経済新聞社が運営する「未来ショッピング Powered by ENjiNE」など、複数の人気クライドファンディングサイトに同時掲載できる可能性がある
※国内のクラウドファンディングサイトの平均調達額は、80〜120万程だと言われています。
※一般的にクラウドファンディングサイトに商品を掲載すると、他のクラウドファンディングサイトに同時期に掲載することはできません。
※株式会社Relicはクラウドファンディングサイトを構築/運営できる仕組みを提供しており、 ENjiNEに掲載された商品は、 そのサービスを使用し立ち上がった他クラウドファンディングサイトにも同時期に掲載することが出来る仕組みになっています。
世界最大のクラウドファンディング”Kickstarter”
アメリカ・ニューヨークに拠点を置くクラウドファンディングサービス”Kickstarter”は、2009年から始まり、これまで10万件以上のプロジェクトが成功しています。
しかし、その反面およそ21万件ものプロジェクトが失敗に終わっており、全体的な成功率としては43%と過半数以上が失敗という結果です。
Kickstarterの特徴は下記の3つです。
- 音楽、映像、出版の3分野はいずれも成功率/失敗率ともにトップ3を占めている
- ダンス、シアターのジャンルではおよそ7割近くの成功率を収めている
- ファッションに関するプロジェクトは難しいようで、失敗事例の方が成功事例よりも10,000件以上多く、成功率は30%を下回る
ちなみに、”Kickstarter”とともに「2大クラウドファンディング」と言われている、アメリカのクラウドファンディングサービス”Indiegogo”の全体成功率は10%代で、認知度や存在感が強いのに対し、成功するのは極めて難関となっております。
成功するプロジェクトの秘訣とは
国内外含め、これまで数多くのプロジェクトを世に出してきたクラウドファンディングサイトですが、成功を収めてきたプロジェクトにはどのような特徴があり、また成功するための秘訣とはどのようなものなのでしょうか。
目的にあったクラウドファンディングサイトを選ぶ
各クラウドファンディングサイトの特徴を考慮し、目的にあったクラウドファンディングサイトを選ぶことで成功率を高める事ができます。
また定期的にクラウドファンディングを行いテストマーケティングや集客、資金調達を考えられている場合、自社でクラウドファンディングサイトを運営していることも検討してみてはいかがでしょうか。
近年、初期導入費用無料でクラウドファンディングサイトを構築・運用できる「CROWDFUNDING NETWORK Powered by ENjiNE」というサービスが注目を集めています。
定期的にクラウドファンディングを行う場合、最低限の運営手数料でクラウドファンディングを行う事ができ、自社ブランドを発信しやすいです。現在、この仕組みを利用し、大手総合メディアやエンタメ系の企業がクラウドファンディングを展開しています。
効果的な集客施策とタイミング
クラウドファンディングを成功させるには、魅力的な商品やプロジェクトページだけでなく「自ら発信、集客する」という姿勢がとても大切です。プロジェクトの起案者であるあなた自身が、主体的に発信をするスタンスを持つことで、プロジェクト成功の可能性は大きく上がります。
公開直後で資金が集まったプロジェクトは、クラウドファンディングサイトのメルマガやトップページに載りやすい傾向にあります。逆にいえば、初速で資金が集まらなかったプロジェクトは、メルマガやトップページに載らず、多くのプロジェクトの中に埋もれ、中盤以降も資金が集まりづらくなる可能性があります。
効果的な集客施策を実行し、公開直後から資金が調達できるように工夫しましょう。
【効果的な集客施策】
- 既存顧客へのメルマガ
- 自社ホームページにてプロジェクト公開をお知らせとして掲載
- SNSアカウントでの紹介投稿
- プレスリリース
- note記事の投稿
- 有料広告
- 事前登録
1から3に関しては、特に実践しやすいものなので、是非実践してみてください。
また6、7に関して、具体的にイメージしづらいと考えているので、詳しくご説明させていただきます。
6. 有料広告
クラウドファンディングでは、Facebook広告やYouTube広告などが主な広告手法となっています。
広告に知見がない場合でも、クラウドファンディングサイトによっては、広告運用を代行するサービスを行っている事も多いので、是非そういったサービスがあるサイトをご利用ください。
またインフルエンサーを活用した宣伝もクラウドファンディングと相性が良く、
注目を集めているので、合わせてご検討ください。
7. 事前登録
下記の手順で事前登録を促してください。
・自社ホームページの掲載やSNS配信などで、Googleフォームなどを使用し、事前登録を呼びかけます。
※事前登録の際、メールアドレスを聞いてください。
・プロジェクト公開日にプロジェクトページURLを事前に登録してくださった方に送ってください。
事前登録者を効果的に行う為に、公開日限定のリターンを設定する事で、公開直後に購入を促すことができます。
質の高いプロジェクトページを作成する
プロジェクトページには、成功率に大きく関係する下記の4つの要素があります。
- タイトル
- ヘッダ画像
- 概要文
- 本文
それぞれ成功率を高める為のコツが存在するので、ご紹介いたします。
一般的にクラウドファンディングサイトのトップページには、1.タイトルと2.ヘッダ画像のみが表示されます。
そのため魅力的なプロジェクトでも、タイトルとヘッダ画像に魅力を感じてもらえなければクリックすらされません。
1. タイトル
文字数が目標達成に関係しています。
文字数が10文字以下のプロジェクトに対し、35文字から40文字のプロジェクトは目標到達率が2倍以上高いです。
また「限定価格」「先行販売」などの文字を入れることによって、限定感やお得感を出すことができ、クリック率を高めることができます。
2. ヘッダ画像
画像内に、あまり要素(商品画像やモデル、テキスト、ロゴなど)が多くごちゃごちゃしていると、何が重要なのかわからなくなってしまいます。
パッと「見て」わからなければ離脱される可能性が上がるため、重要な要素に目がいくように、ある程度要素の数を絞ることを意識して作成してみてください。
タイトルとヘッダ画像で興味を持っていただいたお客様に購入を促すのが、3.概要文と4.本文となります。
3. 概要文
ユーザーが本文をキチンと読んでくださるかどうかは、概要文で何を伝えるかにかかっています。
概要文では商品やサービスの独自性、プロジェクトを始める事になったキッカケを記載します。
そうすることで、お客様の興味を湧かせ本文を読んでもらいます。
4. 本文
クラウドファンディングで支援者を募る際、大切なのは、興味と共感です。
そのため、タイトル同様本文に関しても文字数が多い方が目標達成率の高い傾向があります。
本文には、「誰が、何を叶えるために、どんな想いで、どう実現するのか、そのためにいくら必要なのか。」を明記することが重要です。
出来るだけ商品やサービス、プロジェクトを立ち上げた経緯などのストーリーを盛り込み作成しましょう。
目標達成時に、本文に感謝の気持ちを反映させることで、プロジェクトの盛り上がりを表現し、購入者のSNS配信や、さらなる購入を促しましょう。
【補足】
実際にプロジェクト公開後、クラウドファンディングサイトによっては、PV数などの情報を閲覧することができます。
しっかりとした集客を行っているのにも関わらずPV数が少ない場合、タイトルやヘッダ画像に原因がある可能性が高いです。
またPV数は多いが、購入数が少ない場合、概要文や本文、またはリターンに問題がある可能性が高いです。
公開後、こういったデータを頻繁に確認し、「タイトル」「ヘッダ画像」「概要文」「本文」を修正する事で、より多く資金が調達が可能です。
効果的なリターン設計
クラウドファンディングでは、リターン毎に在庫数を設定できます。これを利用し、早期に購入していただいたお客様に特典や割引サービスを提供する事が可能です。そういった工夫をすることで、お客様にプロジェクト公開直後から「支援」を促す事ができます。
クラウドファンディングサイトによって平均支援額が異なりますが、一番魅力的なリターンを売りやすい価格帯で設定する事も推奨しています。
購入者へのお礼メール
クラウドファンディングの場合、「支援」という形で商品を購入してくださる事が多いです。
故に、購入後、支援者がSNSでの配信なども行われるケースが多く、さらなる「支援」に繋がります。
そのため、是非発送完了と同時に、御礼のメールを送られることをお勧めします。
新着情報の更新
前述した通りクラウドファンディングの場合、「製品/サービスを取り巻くストーリー(背景、関わる人の想い、目指すもの)が見える内容になっているかどうか」が重要になってきます。
新着情報を頻繁に更新することで多くの人から共感を得られる可能性が高まります。
またお礼メール同様、購入後の支援者にSNS配信を促す効果もあり、募集期間中、定常的に購入がある状況を生み出します。
新着情報の内容に関しては、目標達成時や募集期間終了時に感謝の気持ちを伝える内容や、
寄付型のプロジェクトの場合、具体的に集まった資金を使用して”どのような活動を行ったのか”など記載しましょう。
クラウドファンディングの成功率を大幅に下げる4つの行動
クラウドファンディングの成功率を上げるためる施策をご紹介させていただきましたが、
成功率を下げる行動をとらないよう留意する必要があります。
今回は、クラウドファンディングの成功率を下げる4つの行動を紹介します。
目標設定金額を高く設定しすぎる
クラウドファンディングでは集まっている流通金額が見える化していると同時に、目標金額に対しての達成率も見える化しています。
目標金額を高く設定しすぎると、達成率が低い状態に陥りやすく、お客様から人気の無いプロジェクトだと認識されやすくなります。逆にいえば達成可能な目標金額にする設定したり、あえて低く目標金額を設定し、高い達成率をお客様にアピールすることができ、さらなる購入を促す事ができます。
募集期間が長すぎる
ほとんどのクラウドファンディングサイトは、プロジェクト開始後、募集期間を変更することができません。
募集期間の設定は慎重に行いましょう。クラウドファンディングの場合、プロジェクト掲載期間中、SNSやプロモーションの更新などに集中して取り組む必要があります。
募集期間を長く設定すると、なかだるみが起きやすく流通に繋がらないケースが多いです。募集期間は1ヶ月から2ヶ月程度に設定し、公開期間中はSNSやプロモーションの更新に力を入れることを推奨します。
PR用の動画や画像が少ない
クラウドファンディングの特性上、興味と共感を生むことにより、お客様に購入していただけるケースが多いです。
PR用の動画や画像が少ないと興味や共感を生みにくく、商品のストーリーも伝わりづらい傾向にあります。
またクラウドファンディングでは流通金額が見える化していることから、社会的な信用も獲得しやすく、メディアなどで取り上げられるケースも少なくありません。その事もあり、PR用の動画や画像は事前に準備をしておくと良いでしょう。
事前集客を行わない
クラウドファンディング業界の中でも、CAMPFIREやENjiNEは集客力に優れたクラウドファンディングサイトだと言われています。ですが、サイトの集客力に頼り事前集客を怠っては、プロジェクトを成功に導く事は困難になってしまいます。クラウドファンディングには「3分の1の法則」という法則があります。
クラウドファンディングの「3分の1の法則」とは、1から3の支援者から各3分の1ずつ資金を集めるということを指します。
- 友人や既存顧客からの支援(3分の1)
- 友人や既存顧客の友達からの支援(3分の1)
- その他からの支援(3分の1)
友達や自社の既存顧客が少ない場合、有料広告などを利用し、集客する方法もあります。
クラウドファンディングサイトによっては、広告運用を代行して行っているサイトもあり、そういったサイトに利用することをお勧めします。
またクラウドファンディングの特性上、公開直後、どれだけ資金を調達できるかが重要になります。
そのためプロジェクト公開中だけではなく、公開前に事前告知を念入りに行う必要があります。
余裕があれば前述でご紹介させていただいた方法で、事前登録などの方法もご活用ください。
まとめ
今回はクラウドファンディングの成功率についてご紹介しました。
クラウドファンディングを活用したプロジェクトは、たしかにインパクトと話題性が強く、ファンを獲得すれば成功する可能性も一気に高まります。しかし、実際に目立っているのは成功した事例ばかりであり、その裏では失敗したプロジェクトも多く存在しているのです。
今後、クラウドファンディングを介したプロジェクトの立ち上げに、今回の記事が役に立っていただけると嬉しいです。
Facebookページから
最新情報をお届け
記事のアップデート情報や新規情報はFacebookページで随時配信されております。
気になる方は「いいね!」をお願いいたします。
新規事業・イノベーションガイドブック

4,000社、20,000の事業開発で得た新規事業立ち上げのノウハウを一部無料公開。
<本資料の主な解説事項>なぜ今、新規事業やイノベーションが必要なのか?
新規事業開発は、なぜうまくいかないのか

