2023.12.1

新規事業開発において欠かせないPoCを徹底解説

新規事業開発において欠かせないPoCを徹底解説

今回は、新規事業の立ち上げには欠かせない考え方となっているPoCについて解説します。

新しい技術や手法、アイディアなどに対し、実現可能か、目的の効果を得ることができるかなどを確認するために使われる考え方で多くの企業が、PoCに取り組んでいます。

PoCとは?

PoCとは“Proof Of Concept”の略で、日本語では「概念実証」と訳されます。最近では「実証実験」と呼ばれることもあります。

PoCの主な目的は「新しいアイデアが有益なものであるかを検証し、そのアイデアに企業として投資するべきかを判断すること」にあります。

特にIT業界では、PoCが活用されるシーンが多くあります。システム開発/提供に数億円の投資が必要になるため、事前に提供後の効果を計測し、具体的なプランを立ててから投資の判断を行うことが求められるのです。

そのため、IoTやAIといった新たな領域のシステム開発をしていく際には、特にPoCが重要になります。

例えば、新製品開発の前に市場調査やモニター募集をするケースをよく目にすることが多いと思います。これは、正式に発売する前に新製品が本当に市場に受け入れられるかどうかを検証するPoCに当たります。また、システム開発のケースの場合は、機能を制限しながら実際に、想定通りに機能が働いているかを評価を行うのがPoCになります。

PoCの検証項目

PoCで検証されるのは、主に次のような項目です。

  • 実現性
  • 効果とコスト
  • 具体性

一つずつ具体的にみていきましょう。

実現性

新たなアイデアを検討することが決まっても、まずはそのアイデアを実現するためのシステムが技術的に可能なのかどうかを確かめる必要があります。

また、大きなプロジェクトであるほど、想定しきれないことが起こりやすくなるため、PoCで実現性を試すことが重要です。専門的な知識がないと気付けない問題が含まれることもあるため、PoC開始前から技術者同伴で進めることが大切です。

効果とコスト

事業として成功させるときに考えるべき重要な要素の一つに費用対効果が挙げられます。そのため、実際のサービス提供時と同じ環境に限りなく近づけて、期待通りの効果が得られるか、コストはどの程度かかるかを検証するためにPoCを実施します。

検討中のシステムに投資するべきかを判断するためには、この費用対効果の確認が欠かせません。もちろん、期待通りの効果を得ることができなければ、実際にシステムを導入しても期待した収益を得られる可能性は低いため、導入を中断するといった判断が必要になります。

また、PoCの実施前にも「本当に十分な費用対効果が得られるのか」を考えておくことが大切です。実現性や具体性に関してPoCを実施してしまった後に、費用対効果が期待できないことがわかると、それまでの過程が無駄になってしまうので注意しましょう。

具体性

具体性の検証は、システムを実際に使用する際に、必要な作業は何かを確認するために実施します。

例えば、データ分析のシステム導入を検討している場合、システムの画面上にボタンを配置して操作性が良いかどうかを確認したり、仮データを使って分析結果を出力したりといった検証が挙げられるでしょう。

こういった具体性の検証は、「実現性」や「効果とコスト」についての検証で効果が確認できた後に実施されるのが一般的です。また、これはすべての項目において言えることですが、PoCにおいてはできる限り実際にシステムを使用する現場の担当者を巻き込むことが大切になります。実際のサービス提供時と同じ環境に関わらない人だけでPoCを進めてしまうと、理想とは大きく異なるシステムになってしまう可能性があるからです。そのような失敗を避けるためにも、現場の担当者を含めたPoCの実施が大切になるでしょう。

PoCの検証項目

STEP 1:PoCの目的を明確にする

PoCを、なんのために行うのか、どのような効果やデータを必要としているのかなどを実施する前に細かく決めておく必要があります。というのも、目的が明確でないと、途中で方針がブレてPoCから得られた検証結果を有効活用できなくなる恐れがあるからです。

PoCによってどのような効果やデータを得たいかをきちんと決めておくことこそが、PoCの成果を最大限高めるためのポイントになります。

STEP 2:具体的な検証方法を決定する

明確な目的を設定した後に行うのは、実施内容の決定です。

実施内容は要件に合わせた機能的に最低限のものを試作化しながら、ユーザー目線や使用環境に近い環境を作ることを意識しましょう。リアルなユーザー目線や使用環境を元に検証を行うことで、試作や開発について有益なフィードバックを得ることができます。

STEP 3:実証する

上記で決定した実施内容や検証方法を踏まえて、実際にPoCを実施します。できる限り実際の使用を想定したユーザー、環境、状況を再現して検証を実施しましょう。実際に製品やシステムを使用するユーザーや想定した環境での実施の方が、より詳細かつリアルなデータを取得できるからです。

STEP 4:PoCの結果を評価する

最後はPoCによって得たデータを基に結果を評価する段階になります。

ここでの評価は感情に流されずに、結果やデータから製品やシステムを実現した場合の実用性や起こり得るリスクや課題の把握をすることが重要です。

ポジティブな結果が出ていれば、本導入もしくは商品化に向けてプロジェクトは前に進んでいくこともあります。一方で、PoCは実現可能性を確認する作業であるため、時にはネガティブな結果が出ることもあります。

そこで諦める必要はなく、検証して初めて気づいた課題や問題に向き合い、次の検証に生かすことが重要です。

まとめ

今回は、PoCの検証項目や実施の流れについてご紹介しました。

PoCの一番の目的は「新しいアイデアに投資するかどうかを判断すること」です。そのために、費用対効果を重視しつつ、実現可能性も考慮する必要があります。

発想したアイデアが本当に価値のあるものであるかを検証する際はPoCをぜひ活用してみてください。

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