2023.12.7

カフェの開業・経営をする上で必要な準備や資金は?飲食店の開業も含めて解説

カフェの開業・経営をする上で必要な準備や資金は?飲食店の開業も含めて解説

新規開業のカフェや飲食店のうち、50%が2年以内70%が5年以内に店を閉じているようです。運営が決して安易ではないカフェや飲食店の開業ですが、一体どのくらいの資金が必要なのでしょうか。今回は「カフェや飲食店などの開業時に必要な資金」について紹介していきます。

カフェの開業に向けた準備・流れ

カフェを含む飲食店の開業にあたる準備は少なくとも1年前から始めるのが一般的です。開業8ヶ月前には物件を探し、融資申請に向けた創業計画書の作成に取り掛かります。オーナーからの信用にもつながるため、綿密な内容に仕上げることが大切です。また、融資が下りるまでは、開業先の物件を”仮契約”の状態で押さえておきましょう。

開業4ヶ月前には建築確認申請を行ないます。居抜き店舗で内装工事のみを行う場合などでも必要です。工事が終わっていても建築確認申請を提出し忘れたため開業できない、といったトラブルもあるので十分気をつけましょう。さらに、開業2ヶ月前には食品衛生責任者資格の講座を受講し、資格を取得。飲食店を開業するためには、コックでなければ調理師免許は不要ですが、食品衛生責任者の資格はマストです。そして、開業1ヶ月前に営業許可申請を提出し、保健所のチェックを受ければ開業となります。ここまでが飲食店をオープンさせるまでの大まかな流れです。

カフェの開業にかかる資金

諸条件により開業にかかる資金は大きく変動しますが、カフェや喫茶店などの開業だと100万円〜1500万円、レストランなど飲食店では700万円〜1200万円と言われています。

物件所得

まず、お店を開業する場所、つまり物件を所得するための資金が必要となります。保証金(敷金)は賃料の約10ヶ月分が相場で、たとえば家賃15万円の物件であれば、150万円の保証金がかかります。かなり高額な出費ではありますが、保証金に関しては退去時に減価償却額を差し引いた金額が返還されるようになっています。

不動産業者を仲介している場合、手数料として賃料の約2ヶ月分程度の礼金が必要な場合もあります。また、店舗が居抜きであれば、前の借主に内装や設備を譲り受けるための費用が発生する場合があります。開業先の物件選びは怠らず慎重に行ないましょう。

内装・外装

物件が居抜きの場合、費用はある程度抑えることができます。しかし、スケルトン物件の場合、新たに内装や外装工事を行なうための施工費用がかかってきます。また、店内で使うレジや什器、コーヒーマシンなど、さまざまな備品を準備しなくてはなりません。オープンに先立って広告やグルメサイトなどで宣伝をするなら、その分の掲載料も必要となってきます。

カフェの運営資金について

売上が安定するまで

顧客のターゲッティングやお店の経営方針などによって、運営資金は大きく異なってきます。現金商売の世界では、運営資金がほとんどなくても経営に困らないという経営者も中にはいるようです。しかし、実際に開店してすぐに繁盛するお店は少なく、およそ6割が開業してから繁盛するまでに半年以上かかったというデータもあります。飲食店を開業する際には、少なくとも売上が安定するまでにかかる運営資金を準備しておきましょう。

お店を維持するため

売上に高低に関わらず、お店を持てば、家賃、光熱費などが毎月発生します。また、お店で使う設備や備品、商品の原価も考慮しなければなりません。実際に開業し経営が始まると、固定費用に加えて一時的な費用がたくさん出てきます。たとえば、仕入れ材料の値上げなど、予定外の出費も十分にあり得ます。そうした事態に備えて、赤字が出ても持ちこたえられる準備しておくことが良いでしょう。

人件費・給料など

社員やアルバイトなどの人件費だけでも、かなりの運営資金が必要です。アルバイトを募集するなら、求人広告費がかかりますし、アルバイトに支払う給料や研修費なども発生します。また、お店が繁盛するまでの間は、運営資金だけではなく、自分自身の生活がきちんとできる程度の蓄えも必要となります。実際、売上が安定するまでは自分の給料がゼロ、といったオーナーは多いようですので注意しましょう。

カフェ開業の際の資金調達方法

金融機関

飲食店を開業する際に活用できる代表的な融資は、地方自治体の制度融資、日本政策金融公庫の創業融資です。比較的低金利のため、多くの方に利用されています。融資を受ける際、開店準備資金と併せて申し込むことが多いですが、融資を受けられても6ヶ月分の運営資金全てを借りることは難しいです。そのため、やはり足りない部分は自己資金で賄えるよう、ある程度の準備はしておきましょう。

助成金・補助金

融資を受けるほかに、助成金や補助金などを申請するという選択もあります。基本的に融資とは違い返済不要なため、繁盛する前の段階では、経営者にとって非常に助かる資金です。ただし、誰もが助成金や補助金を受けられるわけではなく、さまざまな受給条件を満たしている必要があります。助成金や補助金の種類や金額は地域によっても異なるので、活用する際にはリサーチをお忘れなく。

クラウドファンディング

そして近年、新たに開業資金として活用されているのがクラウドファンディングです。

国内では出資した見返りに商品やサービスが貰える購入型クラウドファンディングが最も活用されており、たとえば飲食店の場合だと、5万円の出資者には1年分のコーヒーチケットが提供されるといったリターンが用意されています。

また、クラウドファンディングは、FacebookやTwitterなどのSNSで効率良く情報を拡散されます。そのため、飲食店をオープンする際に必要なたくさんの広告・宣伝費をかけることなく、お店を大々的に宣伝できるのが特徴です。

カフェ開業のクラウドファンディング事例

では、ここでそんなクラウドファンディングを実際に活用したカフェ/飲食店事例を紹介します。

なっちゃんのおいしたのしコーヒー屋さん

フランス生まれで愛知県岡崎市育ちの「なっちゃん」こと Natalie Yoshimiさんは、駄菓子屋さんをイメージしたコーヒースタンド「トクガワエン」を原宿にオープン。同店開業に伴いエスプレッソマシンを購入するため、CAMPFIREで200万円の資金調達を行ないました。

一口500円からというリーズナブルさもあり、435人のサポーターから目標金額を上回る2,196,500円を集める結果となり、リターンにはドリンク1杯サービス券が渡されました。また、SNSによる拡散の多く、クラウドファンディングを上手に活用したカフェ起業事例の一つとして知られています。

健康的すぎる鯖バーガー専門店

2011年から営業をスタートした大久保にある「MK CAFE」は、カラフルな外観とオシャレな内装で人気の高いカフェです。2015年から「鯖バーガー」の提供を開始し、「ZIP!」や「モヤモヤさまぁ〜ず2」などテレビで紹介され話題に。店舗経営が波に乗ってきた2017年、「MK CAFE」は「鯖バーガー専門店」への店舗リニューアルを発表し、そのための資金300万円をクラウドファンディングで募りました。

もともと人気の高かったカフェだけに多くの支援者からの呼びかけが集まり、なんと10,616,000円もの調達に成功。2017年7月に見事リニューアルオープンを果たしました。通常のハンバーガーと比べ、カロリーが約半分の「鯖バーガー」。皆さんも召し上がってみてはいかがでしょうか。

参考)ブレイク寸前!健康的すぎる鯖バーガー専門店 大久保にオープン | Readyfor

まとめ

さて、今回は「カフェや飲食店などの開業時に必要な資金」について紹介しました。

融資を受けられたり、助成金や補助金、クラウドファンディングなどで資金調達が成功したとしても、自己資金がゼロという状態では、飲食店の開業は到底できません。日本金融政策公庫総合研究所の「2016年度新規開業実態調査」によると、開業時の平均資金調達額は1,433万円で、そのうち金融機関からの借入は931万円、自己資金は320万円、その他は身内や知人からの出資だそうです。

先に述べた通り、経営規模やお店の方針など、店舗によって資金額はさまざまであるため、一概にそうとは言い切れませんが、少なくとも開業に先立って多額の費用がかかることは確かです。そんな中で、クラウドファンディングを上手く活用し、起業を試みる経営者も最近は増えています。開業後の経営など、将来設計をきちんとした上で、実践してみてはいかがでしょうか。

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