新規事業とイノベーションを共創する原動力。Battery(バッテリー)

2018.7.12

自社保有のコア技術を活かしたサービス企画の考え方

自社に競争優位性のあるコア技術があり、それを最大限活かした新規サービスを作ろうした場合、どのような考え方で検討を進めていくべきでしょうか?

本記事では、Relicが支援させていただいた法人向けITサービス(サイト内検索エンジン)の企画プロセスをベースに、ひとつの事例をご紹介します。

 

本プロジェクトの背景

大規模サイトを長期に渡り運営している、某大手IT企業が本プロジェクトのオーナーです。

そのサイトでは、日々ユーザーから入力される大量の検索リクエスト(例:恵比寿 居酒屋、東京 子連れ 水族館、等)を高速に処理し、大量の検索対象データから適切な検索結果を高速に返すハイスペックな「サイト内検索エンジン」が動いています。

サービスの根幹を支えている、この高度な「コア技術」を活用して、法人向けサイト内検索エンジンサービスを新規開発し、次の収益の柱に育てたいという思いでプロジェクトはスタートしました。

 

コア技術の深掘りの前にやること

「自社のコア技術の強み/優位性は何か?」

これが一番考えやすく、答えも出しやすいため、まずここから議論を始めるケースが多いと思います。検索処理スピード、同時処理件数、検索精度等、どうしてもカタログスペックのように比較しやすい技術的&定量的な指標で強み/優位性を掘り下げるアプローチを取りがちです。

しかし本来は「そのコア技術が顧客に提供できる本質的な価値は何か?」が先に来るべきだと考えています。

サイト内検索エンジンにおいては「大量のデータの中から高速に目的のデータを探し出す」ということが顧客に提供できる本質的な価値です。

では、このような価値を欲している法人はどのような特徴があるでしょうか?

  • 大量のデータを持っている
  • そのデータには顧客から検索される(= 能動的に探される)レベルの価値がある
  • そのデータを高速に検索させることが、そのサービスにおいて大きな価値につながる

このような特徴をもつ法人が、この価値を欲しているという仮説を立てました。

 

次に「大量のデータを高速に検索させることによる価値とは?」が問いになります。

シンプルに考えると「ハイスペックなサイト内検索エンジンを導入したら、何が嬉しいのか?」です。

そこで、既にサイト内検索エンジンが実装されており、かつサービスの主要導線の中でよく使われているサービスを調査しました。

検索エンジン、ECサイト、特許DBサイト、有料ニュースサイト、図書館蔵書検索サイト…等 多種多様なサービスでサイト内検索エンジンが実装されていることがわかります。

それら調査結果を総合すると、大量のデータを高速に検索させることによる価値は大きく分けて以下3つに分類できます。

売上向上:ECサイト(物販/サービス)/有料DBサイト等
業務効率改善/コスト削減:コールセンター/カスタマーサービス等
顧客満足度向上:ニュースメディア/ポータルサイト等

 

どの価値を感じる法人をメインターゲットにするか?

サイト内検索エンジンは決して廉価なサービスではありません。一定の導入費用はかかりますし、稼働させるためには導入先サービスのシステム改修が必要で、稼働後も地道な運用を継続する必要があります。それらのコストがかかることは理解しながら「ハイスペックなサイト内検索エンジンを導入したい」と発注してくれる可能性が高いのは①②③どれでしょうか?

法人向けサービスのため、受注するためにはサイト運営担当者に提案営業し、価値を理解し、導入を意思決定してもらう必要があります。もしサイト運営担当者が価値を理解していただいたとしたら、その後は上司や意思決定権を持つマネジメント層に対して「いくら投じて、何を対価として得たいのか」を説明していくことになります。その「対価」がまさに①②③の内容とリンクします。例えば…

サイト運営担当者「私は100万円のサイト内検索エンジンを導入したいと考えています。その対価として…」

①売上向上 → 「売上を●%向上させ、次期売上目標を達成します。」
②業務効率改善/コスト削減 → 「業務効率を●%向上させて、●円のコストを削減します。」
③顧客満足度向上 → 「顧客満足度を●%向上させて、ロイヤリティをUPします。」

これらのうち、どれが最も上司やマネジメント層の理解を得てGOをもらいやすいのか?

我々は「①売上向上」が最もGOの意思決定がされやすいと考えました。

事業運営上、マネジメント層が最も重視しているであろう売上を直接的に向上させる「対価」は、コスト削減や顧客満足度向上という「対価」よりも心を動かすだろう。価値を感じていただき、決裁がおりやすいだろう。という仮説です。

この仮説より、売上が大きく、商品点数が多い(検索ニーズが高い)、大手ECサイトをメインターゲットとし、サービス企画を進めていきました。

 

本事例でお伝えしたかった要点は以下の通りです。

  • 自社保有のコア技術の強み/優位性を技術的&定量的な指標で掘り下げるのは第一歩ではない
  • 「コア技術が顧客に提供できる本質的な価値は何か?」の問いに対する答えを定義することが第一歩
  • どの価値を感じる法人をメインターゲットにするか?に対する正解は無いが、カウンターの担当者が上司やマネジメント層に稟議を上げたとき、どのような会話が繰り広げられ、どうやって決裁されるかの仮説を立てることが重要

もし自社保有のコア技術があり、それを軸にした新規サービスを企画される際には、この考え方を試していただければと思います。

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